ジャンルや国の壁を超えて溶け合うサウンドを目指す。
「矛盾しているもの同士を混ぜ合わせるっていうのが僕たちっぽいなと思ったんです。なんでも白黒とはっきりさせなくてもいい。どんな年代の音でも邦楽でも洋楽でも、混ぜ合わせて自分たちの音として“乳化”できたらって」(HIROSHI)
もともとパンクロックバンドとして結成した彼ら。しかし、そこにこだわることなく、ルーツにあるブラックミュージックやUKロックの要素を取り入れて、ジャンルレスな独自のサウンドを生み出してきた。
「僕やWATARUはJ-POPも好き。だからそういう要素もしっかり溶け込んでいると思う。ツアー中、移動車でかけた上田正樹さんのアルバムが全員にグッと刺さったりとか(笑)。そういう歌謡曲のムードも意外と好きなんです」(HAYATO)
耳の早いリスナーが反応しているのは日本ばかりではない。今年4月には初のアジアツアーを開催し、香港・台湾・中国・タイでもステージを成功させている。
「海外に行くと、本当にシンプルにいいものはいいと反応してくれる。丸裸で勝負できた分、僕たちもすごくタフになれたと思います。バンドとしてひとつギアを入れられた感覚があります」(SHUN)
その経験は、さらに上のステージへと、彼らの意欲を掻き立てる。
「海外だからこそ母国語の大切さみたいなものを感じましたね。日本語で歌うっていうこともひとつ求められていることなんだなって。あとは、やっぱり音で負けてられないなって思って。そこは強く思うようになりましたね」(WATARU)
アルバムにはそんな熱量もぎっしりと込められている。
「ここまでやってきた集大成ですよね。それがこれから出会う人たちにもちゃんと響くとうれしい。国内外問わず区別せず、聴く人も気持ちを“乳化”させて聴いてほしいです」(HIROSHI)
ファイブ・ニュー・オールド WATARU(Gt&Key)、HAYATO(Dr)、HIROSHI(Vo&Gt)、SHUN(Ba)。2010年、神戸で結成。'18年にサポートメンバーだったSHUNが正式加入し、この4人に。
『Emulsification』【初回生産限定盤CD+DVD】¥3,800 【通常盤CD】¥2,500 シングル曲「Gotta Find A Light」「What's Gonna Be?」やライブでも人気の「Please Please Please」など全13曲収録。(TOY'S FACTORY)
※『anan』2019年9月25日号より。写真・映美 取材、文・梅原加奈
(by anan編集部)
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