岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「サウンドスケープ」です。
岡崎体育

飲食店に入るとそこで流れている音楽って気になりませんか? 僕は気になってしまいます。京都に、よく行くラーメン屋さんがあります。でも、店内に流れている音楽がジャズなんです。その店は大型モニターでアメリカ映画を流し、ティッシュも透明でおしゃれなケースに入っています。こういうの「なにやってんねん!」と僕はついつい思ってしまいます。

その場にふさわしい音楽ってありますよね。ラーメン屋という庶民的な場所で、小粋なジャズが流れているとちょっとむずがゆい感じがしますが、でもこの音楽と雰囲気でお店の打ち出したい方向性は、まあなんとなくわかります。そして、そこのラーメンはとても美味しいです。

公共の空間で、聞こうと思っているわけではなく無意識に耳に入ってくる音楽があります。自然の音にしろ、人工の音にしろ、僕たちを取り囲むさまざまな音環境を総じて「サウンドスケープ」といいます。飲食店をはじめ、アミューズメントパークや商店街、病院など、あらゆるところで音楽は流れています。そこで何を流すかは、ただ適当に、無秩序に決めているわけではなく、人間の心理を分析し、その場所に適したものを選んでいるんです。それをサウンドスケープデザインといいます。実は、僕は大学でこのサウンドスケープを研究していたんです。例えば、アミューズメントパークでは楽しい気分を演出するようなほどよくアップテンポな楽曲、病院などでは不安感を消すような落ちついた曲を流し、スーパーの大安売りの日にはハードロックなど気分が高揚する曲で購買意欲を刺激します。店内アナウンスを重視するスーパーでは歌なしのオルゴールアレンジの曲を流していたり、逆に流行のポップソングを流すことで、客の店舗での滞在時間を増やす効果を狙っていたりもします。人は、気づかないうちにその場に流れている音楽に感情を左右されているんですよね。

僕がいま最も気になるサウンドスケープは、アゲアゲな曲ばかりかけられている場所ですね。例えば夏の海の家とか。海に行く人全員が全員、ブチ上がりたいわけじゃないはずです。元気な曲で盛り上がるビーチだけじゃなく、癒され目的なビーチもあっていいんじゃないかと思うんですよね。僕が手がけるとしたら、手嶌葵さんやゴンチチさんがエンドレスで流れているような癒しビーチをデザインしてみたいです。

おかざき・たいいく NHK連続テレビ小説『まんぷく』に出演決定。JINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」、11/17(土)埼玉・三郷市文化会館から全国7か所にて。

※『anan』2018年11月14日号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・村田真弓 文・梅原加奈

(by anan編集部)


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自分のしていること(仕事や専門性の高いことなど)が過小評価されていて、日の目を見ない状態を⻭がゆく感じやすいときです。先進的すぎて理解されないとか、周知が足りないだけとか、内容が難しすぎるとか理由はあるにしても、あきらめないことが大切です。投げ出さずに目標に向かって努力を続ければ必ずチャンスはきます。

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