「もともと、映画を観たり読書をするといった疑似体験が好きで。小説を読みながらキャスティングをしたり、絵を想像してコマ割りをするなど頭の中で映画を作ることを楽しんでいました。演技は、そういうアウトプットをしたいという欲求を満たせる場所。変な言い方ですけど、向いていると思っています」
以前から、原作の同名漫画を手がけている押見修造さんの作品が大好きだというエライザさん。
「きっと、私が押見先生を好きなことが、制作チームにバレていたんだと思います(笑)。“エライザしかいない”と言われた時は感銘を受けました。でも、漫画を読む時は美しくて人気者の麻理という存在を崇めていたので、自分が演じるということは恐れ多かったし、いろいろと考えましたね。女性が魅力的に見えるために不可欠だと思う、気品や思慮深さ、ふとした瞬間の儚さを意識しています」
小森が入った麻理と、麻理本人とでは、演じ方は全く違ったという。
「シーンによって、麻理のパーセンテージが変わります。どちらかが100%の時もあれば、小森だけど表情の筋肉などに少しだけ麻理が出てくることもあります。ただ、麻理と小森に体を貸しているという感覚だったので、演じ分けが大変だとは感じませんでした。その日の撮影を終えて自分の中から2人がいなくなった瞬間、私自身も消えるような感覚を覚えたし、まさに麻理漬けの日々でした。でも、こういう自分のパーソナルな部分を削りながら演じる役は好きですね。それぞれにこじれている登場人物に思いを重ねながら見ていただくのもいいけど、何も構えず、ある事件の目撃者になった気持ちでゾクゾクしながら楽しんでほしいです。中毒性があるので、リアルタイムではもちろん、録画して何度も見ていただけたら嬉しいです!」
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