夏バテと看過せず、副腎疲労を疑って。
夏バテに似た症状など、あらゆる体調不良の原因なのではと注目されているのが、腎臓に乗っかった小さな器官・副腎の疲労。
「副腎は、体内に起こる炎症物質を抑える働きをする“火消しホルモン”コルチゾールを分泌しています。老化を引き起こす疾患や症状は、すべて体内で起きている炎症反応とも捉えられるので、コルチゾールが炎症をこまめに消し去ってくれれば、老化のスピードは抑えられるのです」(スクエアクリニック院長・本間良子先生)
体内で火種となるストレスは、精神的なもの、環境、過労、生活習慣などあらゆるものが原因に。
「現代人は長時間多くのストレスにさらされ続けているので、働きっぱなしの副腎は疲労困ぱい状態。体内の炎症を抑えきれず、様々な不調や症状が出てしまいます」
副腎ケアをすると、夏バテと思っていた症状が改善する可能性大。副腎本来の機能を蘇らせよう。
“火消しホルモン”コルチゾールを出すため、副腎はとにかく働きすぎ!
多くの火種を消すためコルチゾールが長時間分泌され続けている状態。疲れた副腎には、何かを足すケアではなく火種を減らすことが最優先。
→副腎をケアするには、デトックスが肝心
ということで、副腎ケアのためのデトックス方法を5つ教えていただきました。
(1)食べ物を吸収する入り口“腸”の炎症を抑える。
「副腎が弱っている人に腸のトラブルはつきものなので、腸内環境を整えるのが第一のケアです。すると免疫力がアップして体内に発生する火種が減り、コルチゾールの分泌も減らせます」(本間先生)
腸内で炎症を起こす、火種となる食べ物を摂らないことも大事。「小麦粉を使った食品に含まれるグルテン、乳製品に含まれるカゼインは腸内で炎症を起こしやすい成分。小麦製品と乳製品を控えるだけでお腹の調子が良くなり、副腎の疲労が軽減していきます」
(2)便秘を治して、“出す力”を復活させる。
炎症を起こす原因を排除し腸壁を整えたら、次は便秘解消に着手。排便は、カラダに不要なものを排出するデトックスと同様の行為。「便秘が続くと体内に毒素が充満します。それが火種となり、コルチゾールが必要になるのです」
便秘を解消すべく、自分に合った方法で食物繊維や乳酸菌を摂取。「同時に、腸の細胞を再生させる亜鉛を摂ることもオススメです。アサリ、はまぐり、牡蠣などに豊富に含まれていますし、サプリで補ってもいいでしょう」
(3)水分をこまめに摂り、しっかり汗を出す。
排便同様、カラダの毒素排出機能で注目すべきは、排尿と発汗。「夏は汗がかけるとてもいい時期ですが、最近は水分不足だったり、汗をかけない人が増えているので、意識的に水分を補給し、汗と尿をしっかり出してほしいですね」
水分を摂ると同時に、副腎疲労で不足するナトリウム、カリウムなどのミネラルもプラスしたい。「ミネラル不足だと、カラダのデトックス機能が衰えます。水分補給時には、ミネラル豊富な自然塩も少し加えるといいでしょう」
(4)肝臓の負担を減らし、代謝&解毒機能を改善。
「解毒と代謝などを担う肝臓。食品添加物や化学物質、アルコールなど、カラダに有害な物質を肝臓が解毒してくれることで健康が保たれますが、今は解毒しなくてはならないものが多すぎて肝臓の負担が増大しています。解毒しきれなかった毒素が、体内に撒き散らされて炎症が起こり、コルチゾールが浪費されているのです」
病気を治すための薬もカラダにとっては有害物質。脂の多い肉も代謝に時間がかかり肝臓の負担が増す。引き算の食生活を実践して。
(5)デトックスフードを積極的に取り入れる。
春から夏にかけては、毒素を出しやすいカラダになるのでデトックスのチャンスと本間先生。「スイカ、ニンニク、パクチー、レモンなどの夏らしい食材は、代謝促進、利尿作用、解毒、肝機能の回復などの機能が期待できるデトックスフード。生姜やネギなどの薬味もとてもいいですね。薬味をたっぷり使う豚しゃぶは、我が家の定番のデトックス料理です」
本間良子先生 スクエアクリニック院長。日本抗加齢医学会専門医。日本初の副腎疲労外来を行う。米国で学んだアンチエイジング医学を用いた栄養指導にも定評がある。
※『anan』2019年6月5日号より。イラスト・朝野ペコ 構成、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)
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