最高の相手に出会った、MUGUMIさんにとっての“相性の極意”を聞いた。
(のちに夫となる降谷さんに)ライブで出会えた好機を逃さなかったMEGUMIさん。直後から猛アプローチを始めた。
「まずはご飯に行くことからスタートですよね。いきなりふたりでだと警戒されるから、誰かを誘うとか、大勢でのご飯会を主催するとか、とにかく頑張りました。急に『ふたりっきりでご飯行きたい』って、ちょっと不気味じゃないですか。恋愛は、不気味と紙一重ですからね(笑)。積極的に頑張らなきゃいけないけど、大人として、怪しい言動をしていないか判断する客観性も大事ですね」
感覚が合っていると思ったポイントは、人とのコミュニケーションのとり方だったそう。
「クールでしゃべらない人なのかと思っていたら、人に質問をして、回答を笑いにかえるみたいなことをしてくるんですよ。芸人さんみたいなコミュニケーションのとり方が、私のいる世界に近いなと思いました」
似ているところがあれば、違うところも。恋愛期間中や結婚生活では、むしろ、違いが明らかになることの方が多かったそう。
「食の好みも違うし、私は新しいお店を発掘したいのに、彼は同じ店に通いたい人。こっちは、年末に海外に2泊の弾丸旅行に行ったくらい旅好きだけど、彼は嫌い。時間の使い方にしても、私は朝起きたら、9時から洗濯して10時から台詞を覚えて、トレーニングはこの時間に…って一日のスケジュールをきっちり立てるんです。そうしないと、スマホをずっと見ちゃったり、何をしていたんだかよくわからない“幻想の時間”が生まれちゃうんですよね。彼は、アーティストなんで“幻想の時間”を生きてらっしゃいます(笑)。そんな彼に『早くご飯食べて!』って私がせっつくみたいな。彼は私のことを生き急いでると思っていて、私は彼のことを『メロウだな』と思ってる(笑)。うちは、何もかもが真逆なんです」
最初の頃は、ふたりの間に存在した歴然とした違いによってぶつかったことも少なくなかった。それでも、楽しく結婚生活を送れているのはなぜ?
「何でもかんでも違うことを面白がれるようになったからかな。新たに違うところが見つかったら『ウケる!』『出た~、また違うパターン!』って。そうとうレアなパターンを、約10年かけて作り上げました(笑)。『今、機嫌悪いですよね? じゃ、飲みに行ってくるわ』『助かります〜』みたいな自然な流れも出来上がっています。結婚以前の恋愛を振り返ると、すべての価値観を共有したかったし、私のことをわかってほしくて、自分の世界を押しつけていたんですよね。結婚となるとそうもいかない。お互いの違いを認めた上で、仲良くおじいさんおばあさんになっていく方法をなんとか見つける方向にシフトが変わるんです」
タイプの違いは、相性が悪いことでは決してなく、相性は時間をかけて育めることを、MEGUMIさんの結婚生活は教えてくれる。
「結局のところ、自分にとって相性のいい人って、努力してでもいっしょにいたい人。私はタイプはまるで違うけど、そう思う人と結婚できて本当によかったです」