もはや他人とは思えない!? 笑福亭鶴瓶と重岡大毅が同じ人物を演じる映画 『35年目のラブレター』

エンタメ
2025.03.16

誰の心も簡単に開いてしまうトークの名人・笑福亭鶴瓶さんと、歌、バラエティ、ドラマに大活躍のWEST.の重岡大毅さんが映画で初共演。笑顔の素敵な二人、関西出身同士で息もぴったり。もはや他人とは思えない!?

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映画『35年目のラブレター』で初共演した笑福亭鶴瓶さんと重岡大毅さん。60代まで読み書きのできなかった主人公が妻に感謝のラブレターを書きたいと、夜間中学に通い始めるという実話をもとにした物語。関西出身同士、撮影裏話を楽しく語っていただきました。

――今回、映画のモデルとなった西畑保さんの現在と若かりし頃をお二人で演じられたんですよね?

重岡 はい。鶴瓶さんが演じる役の若い時代を演じるということで、いろいろと悩みました。でも、鶴瓶さんを演じるわけではないから、台本にある西畑保さんという人物に真摯に向き合えば、きっと重なるところがあるだろうと思ってやっていたら、うまくいったという感じです。

鶴瓶 ほんま、よかったよね。

重岡 監督も「(似せることを意識せず)自分らしくやればいい」
と言ってくださって。

鶴瓶 映画は監督のものやから、監督がOKと言えばOKなんですよ。シゲは笑顔がいい。そして、感情のスイッチの入れ方がうまいよね。保が読み書きのできないことを奥さんに知られてしまう場面。あんな感情がグワーッと高まる芝居、何遍も撮られへんやろ?

重岡 いろいろな角度から撮ることを覚悟していたら、監督が1回でOK出してくださったんです。

鶴瓶 その辺、塚本(連平)監督は上手よね。僕もすごく自由にやらせてもらいました。

重岡 今回、鶴瓶さんと映画でご一緒するのは初めてでしたけど、現場でもみんなが思い描くイメージ通りでしたね。

鶴瓶 みんなのイメージってなんなん?(完璧な笑顔でにっこり)

重岡  それです(笑)。親しみやすいイメージそのまま、完璧に鶴瓶ワールドでした。

鶴瓶 やっぱり現場はみんながいい関係でいることが大事やと思うんですよ。トークは自分を曝け出して相手に心を開いてもらうけど、演技もそれと似ているところがあると思います。うまいこと演じようという意識は全くないんです。自分の演技がうまいとも思うてへんし、自然にやる。自然と自然の戦いみたいな感じ。奥さん役の原田(知世)さんも本当に自然にいてくれはりました。

重岡 鶴瓶さんと原田さんの夫婦役、素敵でした。僕にとっても、若き日の皎きょうこ子役の(上白石)萌音ちゃんが自然でいてくれて、ありがたかったです。

――保は65歳まで読み書きができませんでした。それがこれほどまで辛く孤独なことなのかと、映画を観て衝撃を受けました。

鶴瓶 ほんと、想像つかへんよね。シゲが演じた、それがわかるシーンはすごくリアルやった。

重岡 ありがとうございます。でも、演じるのは難しかったですね。どんなに疲れていても文字って瞬時に読めてしまうじゃないですか。文字ってなんやろう? ということから考えました。何かを伝えようとする、未来へのエネルギーなのかもと思ったり。公衆トイレの殴り書きの落書きだって、エネルギーを感じるじゃないですか。

鶴瓶 実際には書けてしまうから、「文字が書けない」という芝居は難しかったよね?

重岡 難しかったですね。監督のお子さんが小さい頃に描いたスケッチを見せていただいたり、「保にはこんなふうに見えていると思う」とアラビア文字を見せていただいたりして、想像を膨らましていました。

――手紙が大事なモチーフとなる作品でしたが、鶴瓶さんは9年前に『アンアン』に出てくださった時、毎年奥様と手紙を送り合っているとおっしゃっていました。

鶴瓶 今も続けてますよ。お互いの誕生日と結婚記念日と、僕の入門日の年に4回。大学で出会って、僕が師匠に弟子入りした時、しばらく遠距離(恋愛)だったので文通してたんです。結婚してからも自然に送り合うようになって、今も。やめる理由もないからね。

重岡 とても素敵なことだと思います。僕もメンバーに手紙を送りますよ。歌割りといって、作った曲を7人に振り分けるんですが、自分なりの思いを手紙に書いてレコーディング前に渡しています。鉛筆で何回も書いては消して考える。手書きにはこだわっています。

――お二人に共通するのは、人を幸せにするような、力ある笑顔でいらっしゃることですよね?

重岡 ありがとうございます!

鶴瓶 取材でもそうですけど、やっぱり笑うていた方がいいですよ。

重岡 この映画を通して、「おはよう」とか「ありがとう」とか、なんでもない挨拶もちゃんと笑顔で気持ちを乗せて言いたいなと改めて思いました。ところで鶴瓶さんは相当お忙しいと思いますけど、頭から火噴くことありません?

鶴瓶 楽しいことをしてるだけやから。こうしてシゲとも仲良くなったし、喋るとパワーをもらうよね。今回、同じ人物をやって、もう肉親みたいな感覚でいるよ(笑)。

PROFILE プロフィール

笑福亭鶴瓶(しょうふくてい・つるべ)

1951年12月23日生まれ、大阪府出身。'72年、六代目笑福亭松鶴に入門。テレビやラジオで多くのレギュラーを持つ傍ら、独演会で全国を飛び回り、トークライブ「無学の会」も主催。最近の出演映画に『あまろっく』('24年)など。

重岡大毅(しげおか・だいき)

1992年8月26日生まれ、兵庫県出身。アイドルグループWEST.メンバー。2008年に俳優デビュー。近年の主な主演作に映画『禁じられた遊び』('23年)、『ある閉ざされた雪の山荘で』('24年)、ドラマ『単身花日』('23年)など。

INFORMATION インフォメーション

映画『35年目のラブレター』

子供の頃に苦労をし、読み書きを学べないまま大人になってしまった西畑保(笑福亭鶴瓶・重岡大毅)。妻の皎子(原田知世・上白石萌音)に支えられ、子供にも恵まれ暮らしてきたが、定年退職を機に妻にラブレターを書きたいと一念発起する。3月7日公開。

映画公式サイト

写真・樽木優美子 スタイリスト・上野真紀(鶴瓶さん) 内田あゆみ(creative GUILD/重岡さん) ヘア&メイク・上田実穂(BEAM/鶴瓶さん) 井上ゆか(重岡さん) 取材、文・黒瀬朋子 撮影協力・BACKGROUNDS FACTORY

鶴瓶さん 衣装協力・HOLLYWOOD RANCH MARKET/ハリウッドランチ マーケット☎03・3463・5668

重岡さん ニット¥24,200(RAINMAKER KYOTO/Sian PR プレスルーム☎03・6662・5525) 赤かぎ編みニット¥46,200(LUFON/Sian PR プレスルーム) パンツ¥44,000(ANARCHIST TAILOR/Sian PR プレスルーム) ブーツ 参考商品( RED WING☎03・5791・3280) その他はスタイリスト私物

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No.2437掲載2025年03月05日発売

今、わたしたちにできること。

特集は“いま、私たちにできること”。SDGsやエシカルという価値観が定着して久しいですが、自分レベルで実践できる地球にやさしい情報をアップデートしてお届けします。第2特集はフェムケア。CLOSE UPは笑福亭鶴瓶さんと重岡大毅さん。Travis Japanカレンダーへの道には川島如恵留さん、Aぇ! groupプレ連載には小島健さんが登場します。

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