竹内まりや「“日常を面白がる”ということを人生のテーマにしてきました」 新アルバムへの思い

2024.9.29
昨年11月にデビュー45周年を迎えた、竹内まりやさん。特別ではない、毎日の日常こそがスペシャル。そんな気持ちの中で生まれた曲を詰め込んだニューアルバムへの思いを語ります。

日々の中にプレシャスを見つける、それが私の人生のテーマ。

竹内まりや

テレビやラジオに加え、最近ではSNSなど、日常生活の中のさまざまなシーンで聞こえてくる竹内まりやさんの楽曲。艶があり明るく、深みのある歌声に癒され、メロディに心が躍り、そして歌詞に励まされる。ふと気がつけば隣で鳴っていて、さりげなく私たちの日常を彩りのあるものにしてくれる…。まりやさんの音楽は身近であり、でもとても特別な存在です。10年ぶりに発売されるオリジナル・アルバム『Precious Days』にも、私たちの人生を明るく照らす素敵な曲たちがズラリ。収録された18曲に込めた思いを聞きました。

「日常というのは日々進んでいくもので、漫然と過ごしていると、本当にあっという間に一日が終わっていくものです。でも決して一日として同じ日はないし、目を凝らせば何気ない時間の中にも、楽しさ、喜び、素敵な何かがきっとある。かけがえのない今日を楽しむ、日々を味わうということをもっと意識したい、その思いが強くなってきたと、いま改めて思っています。実は小さい頃から私は、“日常を面白がる”ということを人生のテーマにしてきました。ただ若いときって、“あの人が振り向いてくれない”みたいなことのほうが重要で、日常の些細な喜びにはあまり目がいかない。実際私もそうでした(笑)。でも、それこそ残りの人生であと何枚アルバムを作れるか…ということを考える年になってくると、いま私が曲を作り歌が歌えるという事実、そして聴いてくださる方がいることも、最高に嬉しい。そんな喜びと感謝を、このアルバムに込めました」

収録されている曲は番組の主題歌やCMソングが多数。それを見るだけで、まりやさんの生み出すメロディや歌詞、そして声が、この10年間こんなに求められていたのか…と驚かされます。

「収録した曲を改めて聴くと、“元気が出る曲にしてほしい”であったり、“エールを送るような内容に”、あるいは“番組を見た人に笑顔になってもらえるような曲を”というようなオーダーが多かったことを思い出します。もしかしたら今は、人々が歌に励ましを求めているのかもしれません」

ご自身より若い世代の女性に、このアルバムをどう聴いてもらいたいかを尋ねてみると、

「どう聴いてくださってるのかな。実は私もそこがすごく興味があって。“昭和感があるな”と思ったりするのかしら…(笑)。でも、女性が聴いてくれるなら、同性同士世代が違ってもわかり合える何かはあると思うから、どこかにそういうものを見つけてくださると嬉しい。機会があったら、“どう聞こえてますか?”って聞いてみたいです、本当に」

竹内まりや Precious Days

『Precious Days』 全18曲に加え、配信のみだったプレミアライブなどを収録したライブDVD/Blu‐rayがセットのデラックス盤も。このほか完全生産限定の2枚組アナログ盤、カセットテープの全5形態。10月23日発売。【通常盤(CD)】¥3,410 【デラックス盤(CD+DVD/BD)】¥8,800(ワーナーミュージック・ジャパン)

たけうち・まりや 1955年生まれ、島根県出身。シンガーソングライター、作詞家、作曲家。’78年にデビュー。1日1回「まりやちゃんおみくじ」も楽しめる45周年記念のサイト(https://mariya45th.jp)もオープン中。

※『anan』2024年10月2日号より。写真・伊藤彰紀(aosora) スタイリスト・斎藤伸子 ヘア・松浦美穂(TWIGGY.) メイク・COCO(関川事務所)

(by anan編集部)