LIFENRI――清水佑紀シェフ
気さくなのに唯一無二、ショコラが日常を輝かす。
「店名は“日常を豊かに”を意味する造語。そんなお菓子でありたくて」と清水佑紀シェフ。『オリジンヌ・カカオ』でシェフパティシエ兼ショコラティエを務めた彼は、ショコラをメインに日常を彩る。看板ベイク「リフェショコラ」は最強のおやつだ。手でつまんでラフに頬張れば、ふわりとした口溶けにクランブルがザクザクと。チョコの濃密さをフルールドセル(海塩)がすっとシメつつ、全体をまとめて。気取らないのにひと味違う旨みにやみつきに。端正なケーキもしかり。「プルーシュ」は評判のカカオシュトーレンをクリスマス後にも、という声に応え、生菓子に表現した新作。スパイシーで華やかなペルー産カカオのチョコをシナモン香るムースに仕立て、シュトーレンと同じプルーンの赤ワイン煮を忍ばせて。クリスマスが終わってもあの幸せな香りが毎日を輝かせる。地域の日々とともにある“愛すべき街のお菓子屋”の究極形がここにある。
シュトーレンをイメージした「プルーシュ」¥680。トップのクリームはアールグレイ風味で、シナモン入りのムースと溶けるとチャイの香りに。
「リフェショコラ」(1個¥420)はブランド立ち上げ時から人気だが、実は口溶けをより良くするなど少しずつ進化している。
リフェンリ “LIFENRI”はLife+Enrichmentの造語。●東京都世田谷区赤堤4‐2‐16 TEL:非公開 11:00~19:00 火・水曜休 問い合わせはインスタグラム(@lifenri_chocolate)のDMか、メール(lifenri.info@gmail.com)で。
清水佑紀シェフ 『成城アルプス』で修業後、『オリジンヌ・カカオ』でシェフパティシエ兼シェフショコラティエに。2022年にオンライン販売から『LIFENRI』を立ち上げ、昨年10月に実店舗を開店。
La vie est le chocolat――久保 健シェフ
ショコラの名手が、伝統をブラッシュアップ。
ショーケースを覗けば艶やかな茶色に目を奪われる。「普段は半分くらい、冬場は7割ほどがショコラ系になります」と久保健シェフ。フランス・ナントの『ヴァンサン ゲルレ』で現M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)ショコラティエ、イヴァン・シュヴァリエさんから直に学び、帰国後は博多の『チョコレートショップ』で商品開発を任された彼らしい、ゆっくり湯煎焼きした「テリーヌショコラ」は夢のように滑らか。カカオ分高めのチョコに少しだけミルクチョコを混ぜているおかげで、カカオ感しっかりでいて食べやすい。今冬はナントで感激した味を再現した、ラム酒とアーモンド香る郷土菓子、「ガトーナンテ」のショコラバージョンもお目見え。ラム酒香るチョコのグラスアロー(糖衣)がシャリ、生地はまったりシルキーにとろけ、カカオとアーモンド、ラム酒の香りが溢れんばかり。どれも奇をてらわないのに、忘れられない一口に。
エクアドル産カカオのチョコ「リオアリバ70%」の果実味とラム酒、アーモンドの香りの調和が見事。「ガトーナンテ ショコラ」¥3,000(直径約14cm)。
「テリーヌ ショコラ」¥2,500(約17cm)。
ラヴィエルショコラ ショコラに特化したパティスリー。ショコラ系の生菓子や生チョコも揃う。●東京都江戸川区東葛西6‐9‐10 関栄ビル101 TEL:03・6808・8299 10:30~18:00(土曜~17:00、日・祝日~16:00) 月・火曜休、不定休
久保 健シェフ 「ホテルオークラ東京ベイ」『パティスリー アブルーム』を経て渡仏、『ヴァンサン ゲルレ』で修業。帰国後、博多『チョコレートショップ』商品開発部シェフに。昨年8月に自店を開く。
※『anan』2024年1月31日号より。写真・yoko 取材、文・chico
(by anan編集部)