仰向け、横向き、うつ伏せ…ベストな“寝姿勢”は?

ライフスタイル
2021.09.04
睡眠時間は足りているのに朝起きると首や肩が凝って、なんだか疲れも取れていない感じ…。というなら、実は寝ている間の姿勢の「偏り」に原因があるかも? 体をしっかりリフレッシュするための寝姿勢レッスン、まずは次のクイズからスタート!

Q. 疲れない寝姿勢は次の3つのどれ?

(1)仰向け、(2)横向き、(3)うつ伏せ

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A. 仰向けがベスト。でも実は…寝入る時はどれでもOK。

理想の寝姿勢は、正しい「動き」から。
仰向け、横向き、うつ伏せ。上の3つの寝姿勢のうち、一番体に良いのは果たして…? 寝姿勢研究の第一人者である整形外科医の山田朱織さんは、「体格や体の不調などによって変わるので一概には言えませんが」としつつ、

「一般的には仰向けが最もリラックスした状態であり、横向きはいびき予防などに有効な姿勢といえます。うつ伏せは首をねじることになるので整形外科的にはあまりおすすめできませんが、一方で、精神的に落ち着くなどの利点はあるようです」

つまり、いずれの寝姿勢も何らかのメリットがあるということ。

「実はその人が最も心地よく感じられるものであれば、寝入る時はどの姿勢でもかまいません。むしろ肝心なのは、その後です。寝入ったままの姿勢で固まらず、定期的に寝返りを打つことが大切。人は、就寝中も動くことで体温や体液循環、背骨の歪みを調節し、体をリセットしています。寝姿勢はどれを選ぶかではなく、常に変えることこそが大事なのです」

寝返りはひと晩に約20回、必要最小限のエネルギーで行うことが理想的だそう。

「コツは、背骨を軸にして左右に回転すること。軸を保てるとスムーズに寝返りを打てて、疲れを溜めない睡眠につながります」

仰向け

安定していて、動きやすい姿勢。
背面全体で接地する、最も安定した姿勢。手足を動かしやすく、体液循環にも良い。「日本人に多い、平たい体格の人向き。ただし尾てい骨を圧迫しやすい姿勢なので、体に合ったマットレス選びも忘れずに」(山田さん)

横向き

いびきや腰痛など不調の予防に◎ 。
仰向けより安定感は劣るものの、こちらも人気の寝姿勢。「気道が狭まることがないのでいびき予防にも良い体勢。肩や骨盤の圧迫で痛みが出ないよう、まめに寝返りを打てる環境作りを心がけてください」

うつ伏せ

背骨と首に負担が。短時間ならOK。
「背骨や首がねじれ、整形外科的にはおすすめできませんが、体前面での接地が安心感を招くことは確か。短時間なら問題ないでしょう。また、肺に心臓の重みがかからない姿勢なので、咳が出る時などにも良いとされます」

より大事なのは「動く」こと!

寝返りが大事な3つの理由

熱を逃がして快適な温度&湿度をキープ
寝具やパジャマと体の間にスペースを作り、そこから熱を放出。「同時に汗や水分を発散させるという役割も。就寝中の快適な温度と湿度は、寝返りによって保たれているのです」

体液を循環させて疲れやむくみをオフ
「寝返りは、血液やリンパの流れを促進し、疲労物質や過剰な水分を代謝するためにも欠かせません」。起きた時から脚がむくんでいる、疲れが取れない、は寝返り不足のサインかも。

背骨がリセットされてきれいな姿勢に
「人が活動する間、背骨には常にストレスがかかり、歪みが生じています。それを和らげるのが柔軟な寝返り。長時間座ったままでいることが多いいま、就寝中の背骨リセットは必須です」

理想的な寝返りは“焼き鳥”方式

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就寝中も自在に動くのが理想とはいえ、「ムダに大きく動くとエネルギーを消費し、かえって疲れを招くことに。一番負担が少ないのは、背骨を軸に頭と胸、お腹が同期した状態で動くこと」と、山田さん。「例えるなら、串刺しの焼き鳥を焼き台の上で転がすような動きです。寝具の調整や体操でぜひ身につけて」

山田朱織さん 整形外科医。神奈川県相模原市の16号整形外科院長。開発を手がけた「整形外科枕ドクターズピロー」は、楽天市場ほかECサイトにて購入可能。

※『anan』2021年9月8日号より。イラスト・oyumi 取材、文・新田草子

(by anan編集部)

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