「ぼる塾」の過去…ギャル、クラブ通い、今より40kg痩せていた!?

エンタメ
2021.04.23
ありのままの自分を受け入れ、漫才の最後には「あんたたち、幸せのカタチは人それぞれよ!」という決めゼリフで締める。生きにくさを感じる人も多い時代の中で、見る者に自信を与えて笑顔にしているのが、ぼる塾だ。いつでも笑顔全開で個性を放つ、この3人のことが気になっていた人も多いのでは。田辺智加さん、あんりさん、きりやはるかさんにお話を伺いました。
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――4人組「ぼる塾」の結成までの経緯を教えてください。

あんり:もともとあたしとはるちゃん(きりや)が「しんぼる」、田辺さんと酒寄(希望)さんが「猫塾」という別のコンビで、猫塾さんは2年先輩。しんぼるが結成5年目のある日、ステージ上ではるちゃんがネタを飛ばしてしまい、私もフォローできずにグシャグシャになって二人でお客さんに「すみませんでした」と頭を下げて袖に戻ったことがあって。謝ってステージ降りるなんてプロとしてヤバいな。あたしじゃもうはるちゃんと一緒にやれない、お笑いを辞めよう、と思ったんです。はるちゃんはイヤだって止めてくれたんだけど。

田辺:猫塾も実は同じ頃に限界を感じていて、マネージャーさんに辞めたいって言ってて。

――そんなに大きな挫折が…。

あんり:それで最後のライブをやるのに、しんぼるだけじゃお客さんを呼べないからってことで、猫塾さんと「ぼる塾」というライブタイトルで2マンライブをやることになった。それが今のグループ名になっているんですが。

田辺:ところが、直前で酒寄さんの妊娠がわかり、酒寄さんだけ出られなくなってしまったんです。

あんり:急きょこの3人でネタをやることになって。もともとのしんぼるは、はるちゃんの夢みがちな発言を否定するというネタだったんですが、そこに田辺さんが入り、田辺さんにだけは肯定するという今のスタイルになりました。でもそれが今まで経験したことがないぐらいウケた。

きりや:初めての3人の漫才で、本当にあれは気持ちよかった!

あんり:そう! その一発で、この世界にとどまりたくなったんです。演出家さんからのアドバイスもあり、酒寄さんは育休のまま4人で「ぼる塾」を結成しました。

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――あんりさんときりやさんは小学校からの幼なじみだそうですが、田辺さんと酒寄さんはどんな関係ですか?

田辺:出会いはNSCです。

――その前、田辺さんは…。

田辺:私、無職でギャルやってて。渋谷の路上でパラパラを毎日踊っていただけ。実家の祖父と弟のお金で、クラブ通いしてました。本当にあの2年間は楽しかった(笑)。

きりや:当時は田辺さん、めっちゃ痩せてたんですよね。

田辺:今より40kgぐらい痩せてました(笑)。でもギャルの次にK‐POPにハマって、新大久保に通うようになったんです。そのうち、ごはん屋さんの店員さんに恋をして、毎日お店に通ってサムギョプサルを食べてたら太っちゃったの。

あんり:サムギョプサルってヘルシーって聞くのに。どうせつまみもいっぱい食ってたんでしょ?

田辺:トッポギも食べたし、お酒も飲んだわよ(笑)。当時は「私なんて」が口癖で、今のように自分を肯定なんてしていなくて。それをNSCで出会った酒寄さんから「田辺さんはあまり自虐的なこと言わない方が面白いよ。自分のこと面白くないと思うなら、芸人なんて辞めた方がいい」って言われたんですね。そこから「田辺さんは面白い」って毎日言い続けてくれた。私が考え方を変えられたのは、酒寄さんのおかげ。同期にはガンバレルーヤとか、ゆりやんレトリィバァなどがいるんですが、まずはコンビが仲良くならないといけないと思って、同期が飲み会をやっていても私たちはずっと二人だけで毎日ごはんに行って。

きりや:へぇ~、知らなかった。

――田辺さんと酒寄さんは、一日中LINEしているとか。

田辺:はい。さっきも「サブレってただのクッキーのでかい版だと思ってたけど、ちゃんと美味しいね」って話をずっとしてて(笑)。

あんり:酒寄さんって普段は寡黙なのに、田辺さんの話になるとめちゃくちゃ喋るんです。田辺さんも、酒寄さんとスイーツのことだけは本当に楽しそうに喋る。この二人の関係性はすごいですね。普段はあたしと酒寄さんでネタを書いてるんですが、田辺さんの部分だけは酒寄さんが絶対に書く。

田辺:酒寄さんは、私が何を言ったら一番面白くなるかを、出会った時から今もずーっと考えているんです。出会って8年ぐらいですけど、2年目ぐらいにはもう私のすべてをわかっていました。

――田辺さんにとって、酒寄さんはどういう存在ですか?

田辺:もはや、私ですよね(笑)。

あんり:あはは(笑)。でも田辺さんってすごい素直な人。だから酒寄さんの言葉を信じて自分を変えられたんですが、あたしは田辺さんによって自分を変えられた。というのも、それまであたしは誰かに褒められたら「ありがとう」でいいのに「そんなことないですよ」って否定していて、せっかく褒めてくれたのに変な空気にしちゃっていて。でも田辺さんに出会って「田辺さんって本当に面白いですよね」って言ったら「まぁねー」って返ってきて、あ、気持ちいいって思ったんです。褒められて肯定したことで自分を面白いと認めたら、もう自分にも周りにも言い訳できないじゃないですか。そのスタンスがすごいカッコいい。

田辺:「まぁねー」。あ、今ベストタイミングでしたね。

あんり:初めてベストが出ました。

ぼるじゅく 写真右から、田辺智加(たなべ ちか) 1983年10月18日生まれ、千葉県出身。あんり 1994年10月7日生まれ、東京都出身。きりや はるか 1995年1月28日生まれ、東京都出身。育休中の酒寄希望(さかより のぞみ) 1988年4月16日生まれ、東京都出身の4人組。YouTube「ぼる塾チャンネル」も話題。田辺さんのメイク動画には130万回再生突破した動画も!

「まぁねー」が2020年流行語大賞にノミネートされ、YouTubeでも数々の名言を残しているぼる塾初の日めくり『みんな違ってそれでいい ぼる塾の毎日まぁねー 日めくり』が4/24に発売。田辺さんの“まぁねー語録”や、はるちゃんの“激失言”、あんりの“食レポ名言”まで笑いが満載! ¥1,320(ヨシモトブックス)

※『anan』2021年4月28日号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・若山あや

(by anan編集部)

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