しいたけ.さんのカラー心理学! 多くの人は“3つのカラー”を持っている

2020.11.25
人気占い師・しいたけ.さんが、カラー心理学の観点から「カラーとその人の性格」について教えてくれました。
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こんにちは。しいたけ.です。僕は占いでもカラーを使います。技術的なことを説明するのはなかなか難しいのですが、これはひとつの「共感覚」といわれるものの延長線上にある技術なのかもしれません。「この人は色々な困難を怒りやこのやろー精神で乗り越える」という人の性質は赤で表されるし、「この人はある作業をし続けながら、自分なりにファンタジーの世界観を深められる人だろうな」と感じられる人には、緑が少し濃くなったような、森の色というカラーが出ます。そういう性質を、18色で表して、それを再び言語化して伝えていくのが僕の占いの手法になっています。

人が持つカラーはひとつではありません。多くの人は自分の中で大きなカラーを大体3つぐらい持っています。「生まれ持って3つのカラーを持っている」というよりは、人生の様々なタイミングで、ひとつひとつのベースカラーを身につけていくイメージになります。

3つのカラーの1つ目は「子ども時代のカラー」です。2つ目は「青年期のカラー」、最後に「大人期のカラー」。子ども時代のカラーは「この子はずっとのんびりした子だったからねぇ」とか、親や周りの親戚に言われる性質を表しています。年齢でいうと0歳から12歳ぐらいまで。面白いことに、この時代に好きだった「色」は、大人になってもその人にとって基本的な性格の色になっていることが多いです。次の、青年期のカラーは「試験や試練など、人生のハードルやピンチに面した時、どうやってそれを乗り越えていくのか」、正解がない中で身につけていくカラーなのです。年齢でいうと12歳から28歳ぐらいまで。この時代に身につけた「努力の仕方」と、そして「サボり方とか弱点」というのも、大人になってからのその人の性格に大きく影響を与えていくことになります。最後に大人期のカラーは28歳を越えて、「全部の分野を頑張ることはできない。体力が持たない。そしたら、私はとりあえずこの方向に特化してみよう」と自分で整理をしていって辿り着くカラーです。

子ども時代のカラーの例を挙げると、たとえば茶色は自分が子どもの頃にお父さんかお母さんが大事に座っていた椅子の形状などをすごくよく覚えていたりします。そして、自分が大人になったら「うちの親がリラックスしていたあの椅子と同じ形のもの」を買うことがある。それが畳の上にある座椅子だったら、どうもその人は大人になってから「テーブルと椅子の生活」に落ち着かなくなったりすることも。幼少期の落ち着く空間感覚が、自分の体の隅々にまで浸透している。

次に青年期のカラーなのですが、人は思春期くらいになると今度は「集団の中で自分のキャラをアピールしなきゃいけない」とか「ここで挫折をしても、また立ち直らなければいけない」とか、ある種の危機に面していくことになるのです。そこで、小さい頃に持っていたカラーとは違うカラーを身につけていく。その時に身につけていくカラーが白なら「感情論や“頑張ります”という宣言だけでは人は困難を越えることはできない。まず具体的に何をするのか。私のどんな部分が受けが良いのか。そこをまず考えていこう」と、コンサルタントが案件を解決していくような「客観的見方」で物事を見ていきます。赤を身につけた人は「絶対に私が決めた以上の成績を取ってみせる。だって、この難題を乗り越えたら私すごいよ? 自分で自分を尊敬できるよ?」と自分にハッパをかけていく。

最後に大人期のカラーなのですが、これは子ども時代、そして、青年期を通してやってきた「すべてに頑張る」というやり方がなかなか難しくなっていって、「改めて自分はどういうものに囲まれて、どういう時間の使い方ができたら幸せを感じるのだろう」と立ち止まって考えていった時に出てくるカラーです。

28歳を越えて、毎日忙しく働いてきて、友達付き合いも多くなって、仕事にやりがいも感じるけどなかなか昔のように「これが幸せ!」と感じることが少なくなってきた。28歳ぐらいまでは「何を受け取る人間になるのか」と考えて頑張ってきたけど、そこから先の幸せは、実は「何を与えられる人間なのか」を考えていくことが大事になってきます。その時に出てくるカラーが縁の下の力持ちカラーの緑なら、「やっぱり私は人をもてなす時間を持って、みんなが喜んでくれるのが好き」になるし、エメラルドだったら、「人並みに色々なことをスムーズにできなきゃ」と考えるのをちょっとやめてみる。そして、本来の「○○研究オタク」な自分に戻り、休日は実験室に籠もる研究者のように「このファンデーションの基本成分をもう一度調べてみよう」とか、そういう研究に走る。エメラルドは内面はものすごく「気づけば朝まで調べものをしてた」みたいな、そういう“素敵な暗さ”を持っている色なのです。

「“これが自分だ”と思っていた自分が、実は自分ではない」。人にはそういうところがすごくよくあります。たとえば、23歳ぐらいまでの「毎年自分の限界を超えていかなければ、自分の居場所がなくなってしまう」と思っている時の「自分」は、「ある厳しい環境で生き残るため」に身につけたカラーの性質かもしれない。それから5年経った時にその性質は変わってくるかもしれないのです。

しいたけ.さん 占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究する傍ら占いを学問として研究する。著書に『しいたけ占い 12星座でわかるどんな人ともうまくいく方法』(小社刊)、『しいたけ.の12星座占い 過去から読むあなたの運勢』(KADOKAWA)など。しいたけ.公式サイトhttps://shiitakeoffi cial.com/

※『anan』2020年12月2日号より。イラスト・100%ORANGE

(by anan編集部)