
左から、かしゆか、のっち、あ~ちゃん
結成25周年を迎え2025年末をもってコールドスリープすることを宣言したPerfume。「私たちは一生Perfume」と話す3人に、2025年9月の東京ドーム公演「Perfume ZO/Z5 Anniversary "ネビュラロマンス" Episode TOKYO DOME」を振り返っていただきました。
── 直前に「コールドスリープ」を発表してからの9月の東京ドームライブ。どのような心境でステージに臨みましたか。
あ~ちゃん うーん…やっぱり幕が上がるまではお客さんはどんな表情で来るのかなとか思うことはあったけど、発表自体は「私たちからの大切なメッセージ」として3人で考えに考えた末に出した文章だったんですよ。それを通して私たちの思いが伝わればいいなと思っていたので。
かしゆか あのメッセージで私たちが伝えたかったのは、お休みすることよりも「ここで充電して、ずっと続けていきたいです」っていう決意だったんだよね。
あ~ちゃん 自分たちで作ったグループだから、自分たちで未来を切り拓きたい。そのためにいったんコールドスリープを入れて、ずっと先の未来まで一緒に楽しんでいきたい。目先のことより、長きにわたって同じ時代を生きていけたらなって。
のっち うんうん。3人とも一生続けたいという目標があるからこの選択に至ったし、ここからのお休みを充実した時間にしたい、けど…けど! 私たち、こういう無期限でのお休みって人生で初めてじゃん…?(笑)
かしゆか そう、だから休むのも挑戦っていうね(笑)。
結成から25年間の軌跡がドキュメンタリー映画化。『Perfume“コールドスリープ”-25 years Document-』は2026年5月15日全国公開予定
── なるほど(笑)。そしてドームライブはファンのみなさんの熱気がすごかったですが、その思いはステージに届いていましたか。
あ~ちゃん それはもうほんとに…! まず1日目は発表翌日っていうのもあって「もうこれでお別れなんだ!」って思いながら来てくれた人が多かったかんじ。すすり泣きも聞こえた。でも私たちがそれぞれの言葉で話していくにつれ、最後は「違うんだ」ってわかってくれた実感がありました。で、2日目。もう泣いても笑ってもコールドスリープ前の最後のライブ! って思いでステージに立ったら、もう昨日の今日とは思えんくらい、みんなの空気が違う!
のっち 「絶対楽しもう!」みたいな気合がね。
あ~ちゃん そ! 目が合った人が「オッケー、あ~ちゃん。今日は盛り上がってこうね!」って力強いコンタクトで返してくれて、私たちをプロテクトするように温かい雰囲気がドーム中に広がっていったんですよ。感動しましたね。1日で通じるって、やっぱ長年の絆なんだろうね。
かしゆか 私も最初はお客さんのメンタル大丈夫かなって心配のほうが強かったけど、みんな自分なりに私たちの言葉を噛み砕こうとしてくれてるのが伝わってきて、最終的にはみんなが私たちの背中を押してくれるくらいの熱量をいただいて。もう不安に思わなくていいって清々しく終えられた。
のっち 演出もかっこよかった! MIKIKO先生はこれまでもずっと私たちに素敵な演出を考えてきてくれて、それでもまだPerfumeを使ってこーんなにすごい演出が生まれるんだっていう驚きがありました。そのなかに、2010年の初ドームライブの演目を覚えている人には胸アツな演出もあったんですけど、そこでもわあっと歓声が上がって…。「気づいてくれたんだ!」といううれしさもありました。その意味では長く愛してくれた人たちとの歩みを感じるライブでもありました。
いま、自分たちの基準で生き方を選べたと思う
── 今回でananの表紙は5回となりますが、思えば記念すべき1回目は2017年「生き方を選ぶ」という特集でしたね。
あ~ちゃん そう、その当時は「私たちに務まる特集なのかっ?」って責任を感じて…。でも時を重ねるなかで、その言葉がしっくりくるようになってきたんです。今回も自分たちの基準で生き方を選べたなって思います。
かしゆか 思えば25年間、決断の連続で。上京して「やっぱりMIKIKO先生に振り付けしてもらいたい!」って自分たちで考えて決めたのもそうでしたし。それもやっぱり新しい道を拓くのが大好きという3人の共通点があるからこそできたことだったのかもしれません。
のっち コールドスリープするっていう選択肢をいただいた時も「そしたらこの先どうなるんだろう?」っていうワクワクがありましたね。
あ~ちゃん そこでもっとパワーアップして戻ってこれたら、まじでかっこいい! って思えたから挑戦するんだよね。そんな女性グループの生き方もありなんだってみんなに思ってもらいたいです。

表紙に初登場したのは 2040号(2017年2月8日発売)。結成25周年を迎えた2024年にもスペシャルエディション表紙に登場。3人それぞれの想いを訊きました
── コールドスリープから目覚めた時は、どんな3人でいたいと思いますか。
かしゆか 未来もいまと地続きだから…そんなには変わらないのかな? でもその時代にPerfumeがやったら面白いことが何かは変わらず探していくと思います。
あ~ちゃん 世紀の大挑戦で戻ってくるかもしれんね♪
のっち 瞬間移動とか…?(笑)
あ~ちゃん あはははは♪ これまでいろんなテクノロジーとコラボさせてもらってきましたんで、「新たな技術が私たちを呼んでるわ…!」みたいな状態になったら目覚めずにはいられないかもしれないですよね。その挑戦を通して見ている人も胸が熱くなったり、何かに挑戦したくなる。そういうタイミングが、目覚める時なのかもしれません。華やかにドカンと起きたいです!
自分の心に偽りなく、人生歩いていきましょう!
── “生き方を選ぶ”ということは、どんな時代においても大事なテーマであり続けます。生き方の大きな選択をされたみなさんから、いま岐路に立っている読者に向けて、エールをいただけますか?
かしゆか 自分の心に嘘のないように歩いていけば、大丈夫です!
のっち それが一番後悔のない選択だと思います。そのためには、何を大事にしてその決断をするのかを考えてみてほしいです。私はPerfumeが大事で、応援してくれる人が大事で、その人たちに楽しんでもらえる私たちでいたいし、その人たちに絶対悲しい思いをさせたくないから。「あなたの選択基準はなんですか?」。それが一番の答えで、それに尽きると思います。
── 初表紙の時の特集テーマへの最終回答を、いまいただいたように思います!
あ~ちゃん そうですね。ほんと3人とも真面目なんで、それこそ「こうでなくては」って突き詰めて考えがちな時もけっこうありますけど(笑)、逆に「きっとこっちだね!」って直感で来たことも同じくらい多いんですよ。その時の風に乗って、心地よい方向へと向かっていくようなフィーリングはこれからも大事にしていきたいと思っています。だからこのページをいま読んでいる方も、自分がいいと思う方向が見つかったら、いい風の吹いている方向に身を任せてふわっと行ってほしいなあと思いますね。
のっち 軽やかさも大事だね。
あ~ちゃん まーじでだいじ!
かしゆか これからも私たちは姿は見えなくても音楽を通して、みなさんと一緒にいますので。切磋琢磨していきましょう!
のっち コールドスリープ中も切磋琢磨!
かしゆか もう25年間培ってきた生き方のクセだよね(笑)。
── 最後に。…また会えますか?
あ~ちゃん はい。必ず、また会えます!
Profile
かしゆか
1988年12月23日石川県生まれ、広島県出身。趣味のスキューバダイビングを通し、環境への関心も深い。この冬楽しみな温活は「年明け恒例、3家族合同温泉旅行」。
あ~ちゃん
1989年2月15日生まれ、広島県出身。この冬の温活は湯たんぽと靴下。「肌にあてる側がシリコンで柔らかい湯たんぽと『温むすび』っていう靴下がぽかぽかになるんで愛用してます」
のっち
1988年9月20日生まれ、広島県出身。この冬おすすめの温活は「よもぎ蒸し。特に野草や発酵素材を入れた『ビオスチーム』という療法のサロンがやみつきです!」。
Perfume
パフューム かしゆか、あ~ちゃん、のっちからなる3人組テクノポップユニット。「Perfume COSTUME MUSEUM FINAL EDITION」が横浜・そごう美術館にて開催中。2026年からPerfumeをコールドスリープすることが発表されている。
あ~ちゃん・カーディガン¥88,000 肩に羽織ったプルオーバー¥94,600 スカート¥64,900(以上シーエフシーエル) キャップ¥13,310(カシラ/カシラ プレスルーム) ピアス(18KWG×18KRG×ダイヤモンド)¥1,342,000 リング大(18KWG×18KRG×ダイヤモンド)¥2,563,000 リング小(18KWG×18KRG×ダイヤモンド)¥1,320,000(以上ポメラート/ポメラート クライアントサービス TEL. 0120-926-035)
のっち・ロングカーディガン¥94,600 フーディー¥89,100 中に着たシャツ¥54,900 パンツ¥99,000(以上シーエフシーエル) ピアス(WG×ダイヤモンド)¥1,705,000 右手のリング(WG×ダイヤモンド)¥1,287,000 左手のリング、人差し指(WG×ダイヤモンド)¥374,000 中指(WG×ダイヤモンド)¥715,000(以上メシカ/メシカ ジャパン) ファーハットはスタイリスト私物
写真・長山一樹(S-14) スタイリスト・清原愛花 ヘア・福間友香(VANITÉS) メイク・大須賀昌子 取材、文・大澤千穂
anan 2476号(2025年12月17日発売)より
























