よしながふみ『Talent ―タレント―』1
よしながふみさんが手がける、芸能界を舞台にした若手俳優4人の群像劇『Talent ―タレント―』。
男女4人の新人俳優がどう化けるか。芸能界を舞台に描く「才能」のかたち
「タイトルが示す通り、才能の話が描きたかったんです。才能とは何かというテーマは、芸能界がいちばん投げかけがいがあるな、と。演技がうまい順や顔がいい順で売れるわけでもない。理不尽で不確定な要素がいっぱいあって、しかも最終的にはアメーバのような大衆というものに押し上げられて輝くわけです。それって、たとえ醜聞があっても結果次第ですべてはね返せるようなスポーツの世界とも違いますよね。マンガの世界でやってみようかとも一瞬考えましたが『作中作で作家ごとにタッチを描き分けるなんて無理』と思ってやめました(笑)」
物語は2000年6月、期待の新人俳優4人が一堂に会するドラマの現場から始まる。そこから現代まで四半世紀ほどを追っていく予定だ。
「小さい頃からテレビが大好きで、『子役のあの子がもうお母さんの役をやっているの!?』とか『出てきたときは首をひねったあの俳優が演技派になってる』と驚かされて、個々の作品だけでなく、役者さんの人生もずっと眺めさせてもらっているんだな、それも一緒に消費しているんだなと感じました。『この子にどんな役を与えたら売れるかな』と勝手に脳内でプロデュースしたり。そういうのも面白くて、長いタームでやりたいなと思ったんですね」
メインキャラが男女両方で多角的な視点があるのも盛り上がる要素。芸能界で息長く仕事をし続ける難しさや、性差による複雑さも垣間見え、毎回、ドキドキが止まらない。
「各キャラクターがどんな仕事や経験をするかの流れは決めておくんですが、より具体的なエピソードを描くことで、私自身も解像度が上がるんですよね。たとえばミコトが小学生の頃、同級生に“可愛いからって調子に乗るな”みたいに言われ、それでどう振る舞い適応すべきかを考えた、あのディテールを通してどういう子かがわかってきたというか」
ハリウッドにもある「エイジズム」「セクシズム」の問題は、日本の芸能界でも無関係とは言えない。
「同じラブシーンをやっても男性俳優はノーダメージで女性俳優はあれこれ言われる。5話目でそれに触れられたのはよかったです。大勢で作り上げるお仕事なので人柄も絶対に関係してくる。俳優の仕事って私たちが見ている画面の中だけじゃないのだと知れば知るほど面白いです」
Profile
よしながふみ
1971年、東京都生まれ。『大奥』『きのう何食べた?』などヒット作&映像化作品多数。『環と周』が「このマンガがすごい!2025」オンナ編で1位を獲得。
information
『Talent ―タレント―』1
美形が売りの涼平、元〈大学演劇のキング〉一慧、モデル出身のミコト、演技派2世俳優・華蓮、4人の運命は。本作は女性向けマンガ誌『ココハナ』で連載中。集英社 770円 Ⓒよしながふみ/集英社
anan 2485号(2026年2月25日発売)より














