
お笑いコンビ・ダイアンの津田篤宏さんが自身初となる書籍『津田日記』を出版。ライブやTV出演、家族との日常など、多忙な日々を感情のままに正直に書き残した本書の、執筆時のエピソードを深掘り。
自分の気持ちが動いて止まるまで書く
ダイアンの津田篤宏さんが、その多忙な日々を綴った『津田日記』で2025年の仕事や日常を振り返る。
── 非常に印象的だったのが、常に「死」について考えてらっしゃる。乗り物に乗れば「もしもここで自分が死んだら」と不安になったり。
クセなんです。例えば飛行機が墜落したら自分だけ生き残るにはどうしたらいいかとか、その対処法ばかり考えちゃう。遺書を口に入れたら燃えずに残る可能性があるって聞いたことあるから、それが実行できていれば大丈夫やって思ったり。最悪のことを想像したらそうはならへんっていう人生のルールですね。
── 文学における大きなテーマの一つに“死”があると思うんです。
わかります? 「死」なんですよ。
── その眼差しが、日々のノブさんとのゴルフをより輝かせて見せる。
「死」がそうさせますよね。「生」のきらめきは「死」が生むという。
── そして手書きで日記をつける。多くの文豪がそうしてきたように。
手書きにはこだわりました。
── スマホのメモではダメだった。
やっぱり筆圧にも感情が映るかなって。インク…いやあえてインキと呼ばせてください。怒りでインキが滲むんですよ。
── 日記をつけることで何か生活に変化はありましたか?
まず僕はこんなに二日酔いで仕事してたんかと。日記をつけ始めたことでちょっと酒を減らしました。
── 占いで「手帳を持ったほうがいい」と言われたことから始まったというこちらの日記ですが、これまで日記をつけた経験は?
ないです。夏休みの宿題の日記も8月31日に全部「晴れだった」で済ますような子やった。なので1年続いたのはこれが初めて。やりだしたら、意外と毎日ちゃんと書くんですよ。僕ゼロか100かなんで、やり始めたら書かんと気持ち悪くなる。
── 才能が開花された。
才能ですね。生と死、緊張と緩和。
── 今後「お笑い」と繋がっていきそうですか?
そこはまあ、おいおい。今のところはゼロですけど。
── 日記の中に挟み込まれるコラムが本当に素晴らしくて。コラムはどうやって書かれていたんですか?
自分の中でテーマを出して、新幹線の移動時だけで書く。自分の気持ちが動いて止まるまで書くというか。
── それは本当に文豪のスタイル。
『アンアン』でやります? 津田のファッション紀行。
── いったん社に持ち帰ります。影響を受けた作家はいますか?
椎名誠さんです。ほとんど読んだんちゃうかな。『哀愁の町に霧が降るのだ』とか。こういうのいつか書きたいなと思ってましたね。
── そのお話を伺うと、確かに椎名誠エッセンスがある気がします。
ほんまですか。感情を曝け出すところかな。
── あえてたくさん書くところと、短文で済ますところも含めて。
抜け感ですね。逆にあまり書かないことで「この日なんかあったんちゃうかな」と思わせる。
── 謎解き要素もあったんですね。
確かに! 僕のちりばめた謎によく気づきましたね。やめてくださいよ、全部バラすのは。
── そしてご家族への深い愛情も。
読者に対する謎解きでもあり、妻に対するラブレターでもある。
── 夏のロケが嫌だという、社会的な提言もありますね。
9月の半ばぐらいまではロケを法律で禁止してほしい。働き方改革、環境問題、あらゆるジャンルに一石を投じていることに今気づきました。
── 最後に、読者にメッセージを。
毎日がスペシャル。スペシャル・フォー・エブリワン。…ワン?
Profile
津田篤宏
つだ・あつひろ 1976年生まれ、滋賀県出身。お笑いコンビ、ダイアンのツッコミ担当。主な出演番組に『ダイアンのTOKYO STYLE』(TBSラジオ)。最近はTVドラマで俳優としても活躍している。
information

『津田日記』
ライブやTV出演、CM撮影、芸人仲間とのゴルフや飲み会、家族との日常など、毎日を忙しく過ごすダイアンの津田篤宏さんが、その日々を感情のままに正直に書き残す。本書が初の書籍。新潮社 1760円
anan 2497号(2026年5月27日発売)より




















