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毎日混ぜないとNG? 発酵の力“ぬか漬け”にまつわる疑問7つ

2020.4.23
昔から、台所の片隅で漬けられてきた、伝統発酵食品“ぬか漬け”。野菜の栄養を高め、乳酸菌も豊富に摂れる、とカラダにいいことずくめ。そんなぬか漬けの疑問に薬膳料理家の山田奈美さんが答えてくれました。
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ぬか床を育てている時には、さまざまなトラブルが起こりがち。よくあるお悩みに、山田さんが答えます。「もう、ダメかも」と焦ったり、諦めるのはまだ早い。回答を読んで、冷静に対処しましょう!

Q)毎日混ぜないとだめですか?

A)2日に一度でもだめにはなりません。
できることなら1日1~2回かき混ぜ、ぬか床に酸素を送り込むのがベスト。とはいえ、忙しかったり「どうしても毎日はできない」という人は、夏の暑い時期でなければ、2日に一回でも問題ありません。また、低温なら雑菌の繁殖が抑えられ傷みにくいので、冷蔵庫で管理すれば混ぜる回数も減ります。ただ、冷蔵庫で漬け続けると乳酸菌の活動が弱まり風味が薄くなることも。

Q)1~2週間留守にする時はどうしたらいい?

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A)ぬかと塩でふたをしましょう。
まずは、漬けているものをすべて取り出しましょう。それから、ぬか床の表面にぬかを敷き詰め、ぬかの重量の7%にあたる量の塩を振り、殺菌用の唐辛子を置けば、問題ありません。もし、気温が30℃を超えるような暑い時期なら冷蔵庫に入れて。それ以外の時期であれば、風通しのいい涼しい場所で保管してください。そのままかき混ぜ、再び使うことができます。

Q)開けるとツーンと嫌なニオイがしてきます。もう、おしまい!?

A)丁寧に混ぜれば、自然と回復します。
嫌なニオイの原因となっているのが、産膜酵母という名前の、酵母の一種。酸素が好きで、増えすぎると鼻にツンとくるニオイを放つようになります。一方、ムレた靴下のようなニオイがするなら、ぬか床の底に酸素が嫌いな酪酸菌が増えすぎている証拠。どちらも、かき混ぜ不足が原因なので、ぬか床の上下を入れ替えるようにしっかりと混ぜて、菌の繁殖を抑えましょう。

Q)足しぬかのタイミングがわかりません。

A)水気が増してきたり、かさが減ってきたら1カップ足してみて。
ぬかがついた野菜を取り出したり、かき混ぜる時にこぼしたりすることで、ぬか床は自然と減っていくもの。量が少なくなったと感じたり、水分が多くなってきたと思ったら、足しぬかをしましょう。よく混ぜ込んだら3~4日放置し、ぬか臭さがなくなったら漬け込みを始めてください。発酵速度の低下やぬか床の味が変化する原因になるので、大量のぬかを足すのは避けて。

Q)水が出てきてべちゃっとしてきました! この水どうしたらいいですか?

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A)足しぬかのほか、乾物を漬けるのも〇。
ぬかを握った時に指の間から水が染み出す程度が、ぬか床の適度な水分量です。それより水っぽい場合は過剰発酵しやすいため、足しぬかで対応を。また、切り干し大根や干ししいたけなどの乾物を入れると、水分を吸収してくれるうえ、後で美味しく食べられます。水分には野菜の栄養や旨味が染み出しているので、捨てたり、キッチンペーパーで吸い取るのは避けたいもの。

Q)表面に白い膜が! 表面が黒っぽい! これは、かび? 腐っているのでしょうか?

A)産膜酵母といい、ぬか床に風味をつけるので混ぜ込んで! 表面だけなら、混ぜてOK。気になる場合は取り除いて。
表面にできる白い膜は、産膜酵母という酵母によるものです。酸素のない場所では、ぬか床らしい香りの元になるものを作り出すので、うっすらと張る程度であれば、ぬか床に混ぜ込めば問題ありません。また、増えすぎた乳酸菌を食べて、ぬか床が酸っぱくなりすぎないように調整するという大事な役割も果たしています。一方、表面が黒くなった場合は、ぬかに含まれた脂肪分が酸化した結果。すくってみて中がきれいなぬかの色であれば問題ないので、そのまま混ぜ込みましょう。万が一、ふわっとしたカビが繁殖していたら、その場合は、カビている部分を取り除きさえすれば問題ないので慌てずに。スプーンでカビと、接しているぬか床を1cm程度削り取ればOKです。

Q)プラスチック容器でぬか漬けデビュー。ほかの容器に変えたほうがいい?

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A)陶器やホーローがおすすめです。
プラスチック容器は少量を漬けたい時や、肉・魚類を別で漬けたい時、冷蔵庫での管理にはよいのですが、通気性のことを考えるとあまりおすすめできません。最適なのは、気温が伝わりにくく、温度変化の少ない陶器製の甕です。ニオイの漏れにくさ、酸や塩分に強いこともポイントに。また、通気性のいい木樽や、冷蔵庫で保管しやすいホーローも使いやすいアイテムです。

やまだ・なみ 薬膳料理家。「食べごと研究所」主宰。薬膳や発酵食のレシピ制作やワークショップなどを行う。著書に『季節のお漬けもの』(家の光教会)、『ぬか漬けの基本 はじめる、続ける。』(グラフィック社)など。

※『anan』2020年4月29日号より。イラスト・越井 隆 取材、文・重信 綾

(by anan編集部)