2025年2月16日に結成された新グループB&ZAI。STARTO ENTERTAINMENT所属グループでは初の8人編成のバンドが誕生。多彩な楽器経験者が勢ぞろいする彼らがぴあアリーナMMで初めてのアリーナライブ「B&ZAI LIVE 2025 First Beat」を開催。リーダーが決定した6月26日(木)昼公演の模様をお届けします。


音楽を愛する8人にふさわしいスピーカーをイメージしたセット。「It’s Show Time!!」という叫び声と共にツアータイトルのFirst BeatとB&ZAIの文字にライトが灯る。タイトルロゴは、五線譜を背景に力強いフォントで描かれたもの。初の単独ライブという始まりの意味を込め、小節線は入れず、これからの広がりを象徴しているという。Beatには彼らが奏でる音だけでなく、初ライブの胸の高鳴り、鼓動も表現されている。感情と音が交差するライブの生命感を表したというこのデザインは、川﨑星輝さんが手掛けたものだ。

バンド演奏で始まった1曲目は、SMAPの「SHAKE」から。ボーカルの橋本涼さんがスタンドマイクを前に「騒げー!」と絶叫して始まったライブ。鈴木悠仁さんはギターを弾きながら歌い、川﨑さんがドラム、菅田琳寧さんがサックス、稲葉通陽さんがヴァイオリン、本髙克樹さんがキーボード、矢花黎さんがベース、今野大輝さんがギターと多彩な楽器経験を誇るメンバーが集結。幕開けにふさわしいハイテンションナンバーで会場のボルテージをあおった後は、スパークラーフォールの炎がガンガン上がる中、Kis-My-Ft2の「FIRE BEAT」を。本髙さんの畳みかけるようなラップやヘッドバンキングのエネルギッシュなパフォーマンスは、彼らのこのステージに賭ける気合いが伝わる迫力に満ち溢れ、圧倒されっぱなしだ。

ひときわ歓声が上がったのは、美しい世界観で彩られた、中島健人さんの「ディア ハイヒール」。本髙さんが白いグランドピアノを演奏しながら弾き語り、稲葉さんのヴァイオリンの優しい音色が会場を柔らかに包み込む。そこへローラスケートを履いた橋本さんが美しいターンの舞いやローラーを履いてのバク転を披露し、会場の視線をクギ付けに。KAT-TUNの「KISS KISS KISS」では、川﨑さんが前の楽曲ともリンクする赤いヒールで登場。菅田さんが赤のステッキを持ってステップを踏み、矢花さんは赤いハットを目深にかぶり哀愁たっぷりにダンス。川﨑さんは連続バク宙を軽やかに披露。シャツをはだけさせながらパフォーマンスするセクシーな3人に惹きつけられる。

前半、8人のメンバーがそれぞれの得意なパフォーマンスで目が追い付かなかったのが、Snow Manの「Cry out」だ。稲葉さんのヴァイオリンがドラマティックな音色を奏でる中、川﨑さんが激しくドラムを叩く姿が勇ましい。身体能力が高い菅田さんが連続バク宙を決めるなど、ダンスとアクロバットとバンドが融合した、躍動感溢れるステージは、B&ZAIのポテンシャルの高さを証明していた。

MCは、初めてのオリジナル衣裳となったデニムの衣裳の話に。ヒザを出している稲葉さんの短パン姿が少年っぽくて可愛いとメンバーからも好評。今野さんは、「これでヴァイオリンを弾いていたら、マジで貴族(笑)」と稲葉さんを見てニッコリ。矢花さんは珍しくロング丈のジャケットの衣裳ということで「いいでしょ」とドヤ顔に。ライブのドレスコードをデニムのブルーにするのもいいもという話も飛び出した。

公開記者会見ではレポーターさんから単独ライブの心境を尋ねられると、橋本さんが「今日が2日目なんですけど、昨日本当にライブが楽しくて、B&ZAIとしてはじめての1歩を踏み出せました。今回のライブタイトルが「First Beat」なので、僕たちの大好きな音楽を届けられて幸せでした」と感慨深げ。

リーダーが誰なのか話に及ぶと、ステージ場で指差しをしてリーダー決めをする展開に。「せーの!」で多数決をとったところ、菅田さんと今野さんが菅田さんを指名、それ以外のメンバーは全員が今野さんを指差し。リーダー落選に思わず口をポカンと開け、ヒザから崩れ落ちる菅田さん。「マジ?」とバンザイポーズする今野さん。「引き受けてもらえますか?」とメンバーたちから問われると、「悩みに悩ませていただきましたが、みんなが言うならやりましょう! やったことないから、初めてで緊張するんですけど僕がリーダーになったからには、メンバー、そしてファンの皆さんを必ず幸せにします。このグループを大きくしますので皆さんついて来て下さい!」と堂々と頼もしく宣言した。リーダー誕生の大切な瞬間に大きく湧く会場。菅田さんは「主任補佐として頑張らせていただきます(笑)」と今野さんのサポート役を約束していた。

ファンネームについては、橋本さんが「パッと思いついたのは“ZAI”で……」と言ってから「あ、反応的にやめて良かった(笑)」と速攻で却下。稲葉さんが柔らかい空気感を放ちながら「ハーモニーズ」と提案すると「カワイイ~!!」と声を揃えるファン。メンバーも「もうハーモニーズでいいんじゃない?」と好感触の中、改めて決める流れに。そして、これからの目標については、本髙さんが「本当にできたばかりで。2月に結成してから、まずはこのファーストライブを皆で成功させようっていうことで活動してたら、その先にもいろんな現場をいただけたので、まずはその現場を皆さんと一緒にこう乗り切って、楽しんで、次の未来につなげることかなと思っております」と声を弾ませる。橋本さんは「僕たちバンドをやるアイドルなんで武道館に立ちたいです!」と胸を張ると「フゥー!!」と拍手の嵐が巻き起こる。「うわ~、もし僕たちが武道館でライブやるってなったら、皆さん遊び来てくれますか?」と会場に尋ねるとさらに大きな拍手に包まれた。この夏からはフェスやイベント、舞台「ANDO」公演もあり、充実した忙しい夏になることは間違いなさそうだ。

MCの後は、新曲の「BML」のお披露目へ。マジックで“リーダー”と描かれた白タンクトップを着た菅田さんが「レッツマッスル!」と掛け声を上げ、ヒップの筋肉を鍛えるストレッチ風ダンスを。全員でヒップをフリフリ筋トレ。すると菅田さんがタンクトップを筋力だけで引き裂き、リーダーの文字が真っ二つに。リーダーの夢破れたコントにも見えるコミカルパートもありつつ、マッスルお遊び曲を披露する姿から、笑いのセンスも抜群のグループと判明。

ラスト1曲を前に橋本さんからファンへ熱いメッセージを投げかける場面が。「皆さん、今日はお越し下さり、ありがとうございました。楽しんでいただけたでしょうか。もう満足? ずっとこの幸せな時間が続いて欲しいよな?」と、コール&レスポンスで盛り上げてから、「改めて、今日は会いに来て下さり、ありがとうございます。俺たち8人B&ZAI、昨日初日をやって、やっと第一歩を始められたなって気がしました。こうやって応援して下さっているファンの方たちが、北は北海道、南は沖縄、そして海外から来てくれている方ももしかしたらいるかもしれない……。今日はここ、横浜に集まってくれてありがとう! 俺たち8人、昨日からスタートして。さっき、『武道館でやりたい』って言わせてもらいました。本当ににやりたいっす!」と改めて、橋本さんらしい言葉で夢を語らうと会場から盛大な拍手が。

「おい、優しくすんな。泣くぞ(笑)」と笑ってから、「武道館がやりたくて、じゃあそのためにはどうしたらいいかなとか、ここからどういう動きをしたらいいかなとか、色々あります。それを叶えるために今日から全速力で頑張りますが、俺は言霊というものを信じています。なので…ちゃんと言わせてもらいますが、俺たちB&ZAI、8人、絶対にデビューしてやります。絶対にこの事務所で、絶対にデビューする曲を出して、皆に届けます。なので、応援してくれますか? おじいちゃん、おばあちゃんになるまで、ずっと応援してくれますか?俺たち、ずっとステージに立ち続けるから」。

飾らない、正直な言葉だからこそ、聞く者の胸にまっすぐ飛び込んでくる橋本さんの想い。デビューへのひたむきな想いはメンバーも皆同じ。彼らのことを大切に想い、心の支えにして、ずっと見守ってきたファンの願いもまた同じだ。「1年にほんの数回しかやらないのももちろん素晴らしいですけど、俺たちは大きい箱から500人の箱だろうが何だろうが、俺は数をやりたいです。もし普段、悲しい事とか、何か力もらいたいなと思ったら、どんな時も俺たちに会いに来て下さい。俺たちは8人で音楽を奏でていきます!」と、未来を見据える姿がただただ頼もしい。

そして、「この景色、やべえな。(東京公演は)あと2回だぞ、みんな。この楽しい時間、あと2回しかやんねえぞ。今日この日を絶対に忘れないで、絶対にこの事務所でデビューしてやろうぜ。夢叶えようぜ! この夢を掴み取って、10年、20年、30年、40年、ずっとこの仕事で食っていく。なので、皆、俺たちとずっと愛し合ってこうぜ、よろしく。愛してくれますか? 俺たちと愛し合ってくれますか?」と橋本さんがニヤリと笑い、「続いては、俺たちの最初の新曲です。楽しんで下さい」と満を持して、新曲「First Beat」へ。

スパークラーの炎が眩しく吹き上がると、闇を切り裂き、もがきながらもその歩みを止めないことを誓うロックナンバーを歌う8人。疾走感溢れるメロディーに身を委ね、スタンドマイクを前にシャウトする橋本さん、力強く拳を高らかに挙げる菅田さん、一心不乱に演奏する矢花さんの姿も。それぞれの熱い想いが交錯しているのが伝わってくるステージ。今、最高の始まりの瞬間を迎えた8人の鼓動の高鳴りもビートを刻み、熱い歌声に激しく心揺さぶられながらペンライトを振る会場。泥臭く、どんな時もあきらめずにがむしゃらに歩もうとする覚悟と彼らのこれからの指標となる生き様を歌った歌詞に胸が熱くなった。

そして、アンコールでは充実感に満ち溢れた表情でメンバーが挨拶。トップバッターは今野さん。「今日はありがとうございました。B&ZAIのライブ楽しんでもらいました? これからもずっと俺たちについて行ってください」。川﨑さんは「バンザーイ! 俺たちと一緒にバンザイできましたか? 俺は今すごく幸せです。皆のことを幸せにするから、ずっと一緒にいて下さい」とファンにホットな愛の告白を。

稲葉さんは「皆さん、今日は楽しかったですか? 楽しかったですか?」とコール&レスポンスの後、「僕たち、まだまだ叶えたいこと、たくさんあります。みんな着いてきてくれますか? ありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします」。会場中に響き渡るサイレンボイスで叫んだのは、矢花さん。「今日はありがとうございました。楽しかったっすか。俺たちもバンドもやってたり、ダンスもやってたり、色々やるけど、音楽大好きなんですよ。一緒に楽しんでいきましょうよ、音楽。それだけで十分だよな! ありがとうございました。今日からB&ZAIでした」。

「みんな楽しかった~? 俺もめっちゃ楽しかった」と笑顔を覗かせたのは、本髙さんだ。「俺、これからもこんな思い出いっぱい作っていきたいから、みんなついて来てくれる? これからもよろしくお願いします」とファンに呼びかけた。菅田さんは「皆さんありがとうございました。本当に楽しかったです。みんなも楽しかったよね。みんなのおかげで素敵なものがまた1個増えました。皆にも素敵な思い出が1個増えたと願って…。どうも本当にありがとうございました。これからもB&ZAIお願いします」。

鈴木さんは、「俺たちは皆さんに音楽ぶつけられたと思います。そして、皆さんの声援も俺たちの心にめちゃめちゃぶつかって来てます。ほんとに今日はめちゃめちゃ楽しかったです。今日は本当にありがとうございました」と感慨深げ。最後に橋本さんが「皆さん、今日もありがとうございました。楽しかったか? 幸せだったか? 楽しかったか?プチョヘンザ!」と締めくくり、前日生まれたばかりというB&ZAIコールへ。

矢花さんが「SNSを見たところ、好評でした(笑)。僕調べですけど。 なんで、今日もやりたいと思うんですけども。昨日できたばかりなんで、ちょっと練習しましょう」と手拍子でリズムを合わせる練習をしてから、リーダーの今野さんの仕切りで会場がひとつになって記念すべきB&ZAIコールで幕を閉じた。

CDデビューという同じ夢を持ち、同じ時代を切磋琢磨してきた仲間だからこそ、まだ生まれたばかりのグループだとは思えない一体感を発揮した8人。高いポテンシャルと才能に満ち溢れた新たな運命共同体を得て、ここから動き出すB&ZAIの未来は、明るい兆しに満ち溢れている。

写真・小池理恵 取材、文・福田恵子

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

Today's Koyomi

今日の暦
2025.7.
1
TUE
  • 六曜

    赤口

先の見えないトンネルを、小さな希望という明かりを携えて一歩一歩進んでいく、そんな意味の日です。コツコツと地道に、場合によっては一人寂しい歩みのなかで自分の力を信じるというのは、正直なところかなり難しいものです。それでもめげずに続けていれば、やがて光明が見えてくるし、共に歩む仲間も増えていきます。

Movie

ムービー

Regulars

連載