「ヤバい」はNG 銀座のママに聞いた“色気”のある8つの「会話」術

ライフスタイル
2019.10.19
知性を感じる色気のまとい方とは? ここでは“美しい日本語で表現する、個性の色気”というお題のもと、色気のある会話のコツについて銀座クラブ『昴』の高田律子ママにお聞きしました。
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「私が思う日本語の良さは、一つの意味に対してたくさんの言い方があることだと思うんです。たとえば、“かわいい”という言葉にしても、“愛らしい”“可憐”のように、いろいろな表現がありますし、敬語の表現もそうですよね。ところが、今はなんでも『ヤバい』の一言で片づけてしまう。美味しいものを食べても『ヤバい』、雨が降っても『ヤバい』(笑)。これでは、日本語が本来持つ表現の美しさは生かせません」(律子ママ)

画一的な表現ではなく、自分の言葉で物事を繊細に表現すること。そこから生まれる個性にこそ色気は宿る、と律子ママ。

「色気は、相手が感じとるもの。何はともあれ、相手を飽きさせないことが肝心。嘘のない素直な言葉で自分の考えや感情を表現することが、“オリジナルな色気”につながると思います。もちろん、それを身につけるためには努力も必要ですよ。自分の能力を使うことをサボらず、探究心を持っていろいろと試してみてください」

流行語を使わないで話す。

「ヤバい」「あり得ない」。みんなが使っている言葉だからといって、なんでも真似して使うのは考えもの。

「特に最近の流行語は、その場のノリや曖昧なニュアンスで伝わってしまうものが多い気がします。すべての人が同じ服装、髪型をしていたらつまらないのと同じで、言葉のチョイスにも、それぞれの個性が魅力として表れるもの。人の真似ではなく、正しい言葉で自分の感情を表す努力をしてくださいね」

使いたい言葉をメモする。

たとえば本を読んでいて新しく知った単語や、憧れの人が普段からよく使っているフレーズなど。“私もこの言葉が使いたいな”と思ったら、メモをとること。

「素敵だと思う言葉があれば、実際の会話で使わない手はありません。最初は違和感があるかもしれませんが、使っているうちに徐々に慣れていくもの。たとえば、『恐れ入ります』のひと言でもOK。普段とは違う粋な返しができたら、相手もドキッとするはず」

お芝居から話し方や表現を学ぶ。

「誰もが同じような流行り言葉を使ってしまうのは、テレビやインターネットの影響が大きいと思います。それが悪いとは言いませんが、せめて他の表現を学んだり、語彙を増やす努力をしましょう。私のおすすめは日本の伝統的なお芝居です。セリフの滑舌もいいですし、遠くの客席から観てもわかるように、しっとりとした場面や甘い場面をより高める言い回しをする傾向があります。色気とはこういうものか、と学ぶ機会にもなりますよ」

早口にならないよう話す。

大人っぽい色気を身につけるには、会話の内容だけでなく、喋るときのスピードも大事。

「若い女性にありがちな、キャピキャピとした喋り方では、子どもっぽいイメージが抜けません。また時間に追われているからといって、早口でまくしたてると、せかせかした印象も与えてしまいます。目指したいのは、落ち着いた様子でゆっくり話ができる女性。丁寧、かつ相手に伝わりやすい喋り方を普段から心がけましょう」

相手のいい所を探すクセをつける。

誰だって褒められれば悪い気はしないもの。でも「そもそも相手を褒めるのが苦手」という人もいるわけで…。

「もちろん嘘やお世辞はすぐにバレてしまいます。でも、誰にでも絶対にいい所の1つや2つはあるはずです。たとえば“人の話をよく聞いてくれる”みたいな当たり前のことでもいい。相手の長所を誰よりも早く見つけてあげることが、男女の会話ではとても重要なスキルに。カルタと同じです!」

会話の話題になるよう、1日1テーマ決める。

初対面の人や共通項の少ない相手との会話に困り、「思わず沈黙してしまう…」という経験ありませんか?

「私も銀座に勤めだした20代の頃は、話題に困ることがありました。そんなときは事前に“今日のテーマ”を決めておくのがおすすめです。たとえば、今日は“映画”と決めたら、その話題で会話のキャッチボールを楽しむんです。一日のはじまりに、その日のテーマを考える習慣をつけてもいいですね」

「この人は嫌い」と決めつけず、なぜ嫌なのかを考える。

“相手のいい部分を見つけたい”と思っていても、どうしても好きになれない人や、苦手な人に出会ってしまうのは仕方のないこと。

「“なぜ嫌いなのか”を追究してみるのも面白いですよ。“なんとなく嫌いだから”ではなく、相手のどんな部分が苦手なのかを明確にすることで、自分自身を理解するきっかけにもなります。自分の“好き”と“嫌い”を知っていることも、魅力的な女性の条件の一つです」

頼みごとをするときは、相手を慮る言葉を足す。

「これは私の持論ですが、“女性らしい人”とは、“芯の強い人”のこと。周りの人を大事にしていきたいという強さがあるからこそ、やさしさや思いやりが生まれるのだと思っています。大切なことは、“ありがとう”の気持ちをいつも忘れないこと。たとえば頼みごとをするときも、『ちょっと悪いんだけど、……してくれない?』と、クッションとなる言葉を一つ置くことで、相手の気持ちを少しだけ慮ることができます」

高田律子ママ 銀座で25年の歴史を誇る高級クラブ『昴』のオーナーママ。著書に『強い男・賢い女! 銀座流成功術77の条件!!』(辰巳出版)など。テレビ出演や講演活動なども行う。

※『anan』2019年10月23日号より。イラスト・原田桃子 取材、文・瀬尾麻美

(by anan編集部)

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