プラセンタ、幹細胞コスメ…平成“美のキーワード”を再評価!

ビューティ
2019.03.24
平成も残りわずか。そこで振り返っておきたいのが、我々ニッポンの女子の肌をサポートしたコスメたち。平成の美容業界をざわつかせた美のキーワードを、化粧品のプロ、コスメコンシェルジュの小西さやかさんに解説いただきました。

30年続いた平成も、いよいよ今年で終了。この間、日本の美容事情は大きく変化し、スキンケアコスメも大いなる発展を遂げました。

「化粧水や美容液などスキンケアの基本になる製品がほぼ登場したのが、昭和の終わりごろ。その処方や浸透技術が大幅に進化したのが、平成の特徴だと思います」

と、小西さん。

「幹細胞由来の成分が開発されたり、角質ケアが手軽になったり。成分や浸透技術がめざましく進化し、より細かな悩みに対応できるようになりました。結果、美白やエイジングケアなど、平成を通じてコスメは様々に細分化されてきました。次の時代も新しい成分や技術がどんどん開発され、私たち女性の多種多様な美容欲を満たしてくれると期待しています」

プラセンタ

一度は消えかけたものの根強い人気で再ブレイク中。
「プラセンタとはもともとヒトの胎盤から抽出される成分を含む薬品で、医療に役立てられてきました。化粧品に応用されるようになったのは、おそらく昭和55年くらいのこと。豚の胎盤から抽出したプラセンタを配合したコスメはコラーゲン増殖やターンオーバーの正常化などの美容効果に注目が集まり、ブームになりました。ところが平成13年以降、狂牛病の蔓延から四足動物由来成分の安全性が問題視され、豚プラセンタを使った化粧品は下火に。しかし優れた美容効果を持つプラセンタへのニーズは衰えず、植物プラセンタなどの代替成分が開発されたことも。現在はやはり動物由来のほうが効果的といわれ、豚や馬のプラセンタの人気が高まっています」

【すっぴんをアップデート 賞】
ホースキン『馬プラセンタ原液美容液』

heisei

エイジングケアに効果を発揮。
熊本の農場で育てられた馬のプラセンタを使用。飼育から抽出、製造まで一括で管理しているから安心。独自製法で抽出した高濃度成分配合。「プラセンタなのに化粧水並みにライトなテクスチャーで、使いやすい。使った翌日から肌がしっとりツヤやかになって、とても感動しました」(日中美容研究家・濱田文恵さん)。20ml¥9,800(シエル)

スリーピングパック

忙しい女性の増加を受けて寝ながら美容が大ヒット。
「スリーピングパックとは、眠っている間中、肌になじませておくコスメのこと。たっぷりのうるおいと美容成分による“湿潤治療”ともいえるケアをすることで、翌朝の肌に、もっちり吸いつくようなハリを感じることができます。昭和から平成にかけて働く女性が増えるにつれ、リラックス、リフレッシュ、ダメージケアへのニーズが増加。さらに平成に入るとサーカディアンリズムの認知が進み、睡眠美容、時計美容といった、肌の活動リズムに合わせたケアへの関心が高まりました。そんな背景を受け、人気に拍車がかかったと考えられます。スリーピングパックには様々なテクスチャーがありますが、心地よいジェル状のものを愛用する人が多いようです」

【朝、キレイが目覚める逸品 賞】
ピアベルピア『ナイトパック』

heisei

睡眠中の肌を美容成分で密封。
しぼみやすい目元、口元はユズ果実エキスが。ゆるんだ毛穴はアーチチョーク葉エキスがケア。エイジングサインの出始めた肌を、健やかなハリ肌に導く。「美容液のようなつけ心地。たった一晩で、キメの整ったうるおいあふれる素肌にバージョンアップできます」(鍼灸あんまマッサージ指圧師・橋爪佐和子さん)。30ml¥3,900(ビューティサポー)

角質ケア

お手入れの効果を高める縁の下の力持ちとして普及。
「角質ケアというと、主に古い角質を酸の力で取り除くピーリングタイプと、保湿や柔軟成分の力で角質を柔らかくする角質柔軟タイプがあります。ピーリングの始まりは、平成16年頃。角質を取り除くふきとり化粧水が登場し、肌がツルスベになる即効性で多くの消費者を魅了しました。結果、角質ケアの概念が広く浸透することに。その後ピーリングコスメの主流は、エステ関係を中心に普及していた刺激の強いものから、クエン酸などマイルドなものへと変化。角質柔軟タイプともども、毎日使える肌への優しさや、乾燥でゴワついた肌を柔らかく整えて、あとから使うコスメの浸透を助ける効果などが支持され、今やスキンケアに欠かせない要素に」

【なじませるだけでたまらない女 賞】
pdc『キュチュラ ピールケア美容液』

heisei

ツルツルたまごのようなモテ肌に。
乾燥でゴワついた角質やザラついた毛穴にうるおいを与え、肌の調子を整える。フルーツ由来の柔軟成分も配合。「洗顔後の肌になじませるだけで、化粧水の浸透が高まるような使い心地。一度のお手入れで、デートのときの接近戦に差がつきそうなツルンとなめらかな肌になれる」(美容エディター&ライター・松原彩さん)。50ml¥1,200*編集部調べ(pdc)

オイル美容

精製技術の進化からスターアイテムへと昇進。
「椿油や馬油など、日本では昔から、保湿効果の高いオイル美容液が愛用されてきました。しかしオイルには独特のベタつきがあるため、乳液やクリームの登場以降は、マイナーな存在になってしまいます。平成になると精製技術が進化し、サラリとした使用感と安定性を実現。オイル美容が、再び脚光を浴びるようになりました。まず髪にノンシリコンのオイルやココナッツオイルを使うケアがブレイクし、その流れがフェイシャルにも到来。今や多種多様なオイル美容液が店頭に並び、シートマスクやオールインワンゲルなどにもオイルを配合した“オイルインコスメ”が登場するように。オイルをカプセル化して配合した美容液も、注目を集めています」

【肌をリペアする健やかな一滴 賞】
バイオイル『バイオイル』

heisei

オイル美容液の先駆け的存在。
傷痕や妊娠線などのケアに、世界中で愛されているロングセラー品。ベースオイル×植物エキスで、肌をすみずみまで保湿する。「日本上陸時から愛用しています。ニキビ痕につけたり、足の傷痕につけてマッサージしたりと万能。サラッとしてすぐ服を着られるところも重宝しています」(美容エディター&ライター・安田光絵さん)。60ml¥1,600(小林製薬)

幹細胞コスメ

再生医療から生まれた平成の最先端コスメ。
「幹細胞とは細胞を生み出す細胞の総称で、幹細胞コスメとは幹細胞を培養するために浸していた液体、つまり培養液を配合したコスメのこと。あるいは肌の幹細胞に働きかけるコスメも、幹細胞コスメと呼ぶことがあります。幹細胞培養液には、細胞からアミノ酸や成長因子など様々な成分が溶け出しています。その成分が肌に働きかけ、保湿や肌再生、炎症の抑制などたくさんの美肌効果を発揮するのです。幹細胞コスメが最初に登場したのは、平成18年ごろ。リンゴの幹細胞を利用したもので、再生医療を応用した画期的コスメとして注目を集めました。現在は植物に限らずヒト幹細胞を用いたコスメも登場。これから、さらなる進化が期待できる分野です」

【リンゴのようなふっくらツヤ肌 賞】
LITS『モイスト エッセンス』

heisei

大人の毛穴悩み解消に活躍。
リンゴをはじめとする3種類の植物幹細胞に由来する成分と、大小2種類のコラーゲンを配合。内側から持ち上がるようなハリ感を与え、毛穴の目立たない肌に。「手に取るととろっとしているけれど、のびがよくスーッと肌になじむ。肌の中が水分で満たされて、柔らかく」(コスメコンシェルジュ・垰智子さん)。30ml¥2,760*編集部調べ(ネイチャーラボ)

小西さやかさん コスメコンシェルジュ。一般社団法人日本化粧品検定協会代表理事。美容を科学的視点から探究。毎週200以上の製品を評価する。

※『anan』2019年3月27日号より。写真・五十嵐 洋 取材、文・風間裕美子

(by anan編集部)

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