敬称をつけるのは、日本の素敵な文化です。
タモリさんを呼ぶとき、みんな必ず“さん”づけをしますよね。にもかかわらず、私は子どもの頃にテレビを見ながら呼び捨てにしてしまったことがあり、母親に「年上の人には、ちゃんと“さん”をつけなさい」と注意されました。
たしかに、街ですれ違った方から「横澤夏子だ!」と呼び捨てにされると、親しみを込めて呼んでくださっていることは理解しながらも、怖い印象があって振り向けなかったりします。逆に、「横澤夏子さんだ」と言われると振り返りたくなるし、そういうふうに呼んでくれる人には素敵な女性が多い気がします。これは、芸能人に限らず、友人や知人同士の会話でも同じことがいえると思うんです。特に、本人がいないところで話題にするとき、「〇〇がさぁ」と呼び捨てにするより、「〇〇ちゃんがさぁ」と言うほうが、マイルドに聞こえますよね。万が一、本人にとってよくない会話を聞かれたとしても、名前の後ろに何かつけていれば、印象が多少はやわらぐのでは。それに、呼び捨てがクセになっていると、本人の前でポロッと言って、“え、そんなふうに呼んでたんだ”ということにもなりかねません。敬称をつけるというのは、日本の素敵な文化。それがちゃんとできている大人になりたいものですよね…!
テレビに出ている人を“さん”づけで呼ぶようにすると、ちゃんとクセがついてよさそうです。それに、「梅沢富美男さんが言ってたんだけど…」などと話すと、自分が芸能人と近しい存在になった気分が味わえるのも楽しい。あと、“おうどん”“お野菜”のように、物に“お”をつけて、ていねいに呼ぶトレーニングをするのもいいかもしれません。失礼な人にならないよう、日々、意識して過ごそうと思います!
よこさわ・なつこ 芸人。『バイキング』(フジテレビ系)や『王様のブランチ』(TBS系)など、数多くのバラエティ番組にレギュラー出演している。初の著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。
※『anan』2018年12月19日号より。写真・中島慶子 イラスト・別府麻衣 文・重信 綾
(by anan編集部)
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