なぜ人は変わりたくない?  変化を妨げる4つの心理

ライフスタイル
2018.12.08
“自分には才能なんてない”という人も、それはもしかしたら思い込みかも? まだ気づいていない潜在的な才能を開花させれば、ほかにももっと自分を生かせる道が見つかるはず!
才能

才能とは、決して特別なものではなく、誰の中にもあるものだという。

「自分の才能を見つけられるか否かは実は単純で、興味のあることを試す“経験値”によって決まります。その数が多い人ほど、自分の才能に気づける可能性も上がりますが、実際には試さない人が多いんです」

と起業家プロデューサー・星渉さん。それにはこんな理由があるそう。

「私たち人間には、『損をしたくない』という心理が強く働いています。興味のあることを試して失敗するのを無意識のうちに嫌うのです。損をするくらいなら、今のままでいるほうがいい理由をあれこれ探し、現状維持を選択する。そのため、多くの人が『才能があったらいいなぁ』と思うだけにとどまってしまいます」

変化できないのは、こんな心理が邪魔しているからかも?

損失回避
損した時の痛みは利益の2倍感じる

人間は、利益を得た時の喜びよりも、損をした時の痛みのほうがより強く感じるため、損を恐れて避けようとする。これを心理学では「損失回避の法則」といい、大きな利益より損失の少ない選択肢を選ぶ傾向がある。

保有効果
自分がいま持っているものを実際の価値より高く見積もってしまう

私たちは、すでに手にしているものを、実際の価値より約2倍も高く見積もるといわれている。そのため、手放した時に2倍以上の利益が確約されないのなら、今のまま保有していたほうがいい、という選択に至りがち。

サンクコスト
過去にかけた時間や労力、お金に囚われてベストな判断ができなくなる

損失回避の法則と保有効果が発動すると、次に現れるのがサンクコストという心理現象。たとえば行列にいったん並ぶと離れられなくなるように、そこまで価値がないかもしれないのに、合理的な判断ができなくなる。

確証バイアス
今の自分が正しいと思い込もうとする

過去に囚われ、合理的な判断ができなくなると、次に発動するのが確証バイアス。今のままの自分が正解、という確かな証拠を集めて、そう思い込もうとする。これらの心理により、変化を伴う才能の開花は妨げられる。

星 渉さん 起業家プロデューサー。心理療法やNLPなどをもとにした“心を科学的に鍛える方法”を構築。著書『神メンタル「心が強い人」の人生は思い通り』(KADOKAWA)が大ヒット。

※『anan』2018年12月12日号より。イラスト・金安 亮 取材、文・保手濱奈美

(by anan編集部)


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