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超巨大ライブ会場「東京ドーム」の裏話 最初に公演したのは?

2018.9.9
ライブエンタメに革新をもたらした、超ド級大規模会場・東京ドーム。専門家とともに、ライブ会場としての歴史を徹底解説します。
東京ドーム

’88年、日本初の大型ドーム式野球場「東京ドーム」が開業。イベント使用時には約5万人が入る、超巨大会場が誕生した。

「それ以前にも野外の大規模会場ならありましたが、屋根付きであれば、雨が降っても平気。『これからはドームの時代だ』という空気でした」(舞台監督・萩原克彦さん)

初めて東京ドーム公演を行ったのは、ミック・ジャガー。

「ただ、開業すぐはこけらおとし期間のようなものが設けられ、TM NETWORKなど日本人アーティストも数組出演。その中の一組がレベッカで、僕が担当した初ドーム公演でした。初めてドームに足を踏み入れたときは、『デケーッ!』のひと言。ドーム公演は、演者にとっても僕らにとっても初めての経験で、会場の広さを前に緊張したものです」(萩原さん)

桁違いの広さを演出するとなると、機材や装置の搬入出だけでも相当な苦労があるそう。

「ドームは、飛行機と同じように、中と外で気圧が違うんです。そのため、出し入れするたびに気圧を調整しなきゃならない。トラック1台を出し入れするだけで30分かかったんです。しかもドーム公演では11tトラックが60~70台くらい必要で…。それでも、あれだけの広さがあれば、演出のしがいがあるというもの。どこからでも見えるセンターステージとか、空中演出とか、『誰もやったことがないことをやってやる!』と、やる気がみなぎるんです」(萩原さん)

そんな巨大なスペースを誇る東京ドームでの公演は、アーティストにとって、ひとつの頂点を極めることに他ならない。

「ある意味、アーティストの集大成を見せる場であり、動員数における最高到達点。BOOWY、HOUND DOGらが、東京ドーム公演を最後に解散していったのは、“のぼり詰めると、日本ではその先がなかった”ことを暗示しているかのようです」(音楽ジャーナリスト・柴那典さん)

東京ドーム公演を最後に活動に終止符を打つ―。そんなドラマティックな場であることも東京ドームの聖地性を高めていったが、’90年代後半に変化が。

「メガヒットの時代が到来し、GLAY、ミスチル、安室奈美恵、B‘zといった、継続的にドーム公演ができるアーティストが出現。さらに各地にドームが造られ、今やドームツアーが当たり前です。嵐を筆頭に新たなライブ演出が続々と生まれ、新時代の熱狂が巻き起こっている。国立競技場も新しくなりますよね。大規模ライブエンターテインメントの今後にも注目です」(柴さん)

[完成]1988年3月
[収容人数]約5万5000人
[住所]東京都文京区後楽1-3-61
[最多公演アーティスト]嵐

柴 那典さん 音楽ジャーナリスト。ロッキング・オン社を経て独立。『AERA』『リアルサウンド』などで執筆。『cakes』ではダイノジ・大谷ノブ彦との対談「心のベストテン」を連載中。著書に『ヒットの崩壊』など。

萩原克彦さん 舞台監督。音響の専門学校生時代に、アルバイトから業界入り。キャリア42年を誇り、国内外の大物アーティストを担当。先日“完結”したチャットモンチーの舞台監督を10年間務めた。

※『anan』2018年9月12日号より。取材、文・小泉咲子

(by anan編集部)

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