昨年、劇団公演で初の本多劇場進出を果たしたかと思えば、今年に入って2作立て続けにプロデュース公演をおこなったり、ドラマ『下北沢ダイハード』の脚本を手掛けるなど、活躍の幅を広げている根本宗子さん。最新作についてお話を伺いました!

題材は、いま話題のTinder。「新たな演劇との出合いを作りたい」

2073_P097_Stage&Book.jpg2 (2)

「大きな劇場での公演が続きましたから、今回は少人数の出演者で、細かなリアクションが客席にきちんと伝わる小さな劇場で、濃密でキャッチーな作品を作りたいと思って」

新作『スーパーストライク』で描くのは、海外発の出会い系アプリとして話題の「Tinder」を介したひとりの男性と3人の女性たち。

「スマホの画面に次々映し出される異性の写真を、アリかナシで選り分けていくんですけれど、女子高生までもが友達同士でアリとかナシとか言いながら見ている。これを演劇にできないかと思いました。ただ、そのために前半はほとんど電話のシーンで、出会うまでにだいぶ時間があるんです。別々の空間にいる設定だけに、役者の動きが限られるなか客席を舞台に引きつけておくには、セリフ自体ややり取りの面白さで見せていくしかない。それは私にも役者にとっても挑戦になるのかな、と」

物語の中心に配されるのは、「自身の確立した演技体を持つ」田村健太郎さん。そこに「存在感のポップさゆえに痛々しいシーンでも軽やかに演じられる」長井短さんとファーストサマーウイカさんという布陣。

「男性はごく普通のいい人なんだけれど、一生懸命さの方向が少し間違っている。その彼が、アプリをきっかけに全然思いもよらないところに行ってしまうお話です。これまでは、アテ書きをしていましたが、役者さんが自分で味付けできるよう、今回の脚本は敢えて少しラフにしているんですよ。自分の不得意なことも書いて、もっと演出で魅せることができないかとも考えています。去年と今年で演出力もつきましたし、作品が変容していくことを恐れずに、稽古場で作り上げられたら」

言葉の端々から受けるのは、自らのテリトリーを越え、新たな一歩を踏み出そうとする根本さんの覚悟。

「自分自身もお客さんにも、新たな演劇の発見になればと思います」

ねもと・しゅうこ 1989年生まれ、東京都出身。19歳の時に劇団、月刊「根本宗子」を旗揚げ。すべての作品の作・演出を手掛けるほか女優としても活躍中。弊誌連載「妄想スイッチ」も好評。

10月12日~25日 下北沢ザ・スズナリ 作・演出/根本宗子 出演/田村健太郎、長井短、ファーストサマーウイカ、根本宗子 指定席4500円(当日4800円)、前方自由席4200円(税込み)(お問い合わせ先)ヴィレッヂ TEL:03・5361・3027(土・日・祝日を除く11:00~19:00)

※『anan』2017年10月18日号より。写真・山田 薫 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)


寝ている間に“幸運体質”になる! Keiko流「3つのステップ」


約85%が腸内環境に自信なし!? 肉好き女子のお悩み座談会。

Share

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

Today's Koyomi

今日の暦
2025.5.
18
SUN
  • 六曜

    赤口

明確なテーマか使命感を持って物事に取り組むことを表す日です。それも自分一人というよりは仲間と協力してという形が多くなるでしょう。得意不得意はあるにしても、苦労や楽しさを分かち合いながら、各自できることをして成果を上げるという体験。例えば、お世話になっている人へのサプライズ・プレゼントなんていいかも。

Movie

ムービー

Regulars

連載

https://ananweb.jp/tags/live-report
https://www.instagram.com/anan_mag/
https://ananweb.jp/regulars/visu-1gp