全身の基盤となる骨・骨盤が正しい位置にないと、様々な体のトラブルを招いてしまう。改善のコツは、骨盤を回して関節まわりの筋肉のこわばりをほぐすこと。Let’s回転!
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骨盤を正しい位置に戻せば姿勢も整う
骨盤は歪むのではなく、実は骨盤の回転する力が強く、ある方向で固まってしまっただけなのだ、と理学療法士の土屋元明さん。
「骨盤は前後、左右、上下の3方向に回転するんですが、姿勢や動きのクセなどで、どちらかの方向に回転したまま筋肉が固まってしまい、歪んだように見えるんです。だから、普段とは逆方向に骨盤を回転させたり、3方向の回転をしっかり再現すれば、骨盤は本来あるべき場所に戻ります」
本来あるべき場所がニュートラルポジション。上半身と下半身を繋ぎ、体を支える要の骨盤が正しい位置に戻れば、姿勢も整う。
「必要なのは、骨盤の正しい位置と、3方向の動きを体に覚えさせること。その結果、悪い姿勢や動きのクセをリセットできますよ」
骨盤は歪まない! 姿勢のクセで「前後」「左右」「上下」に回転して崩れているだけ!

3方向に回転する骨盤。姿勢や動きのクセで動かしにくい方向が生まれ、関節付近(イラストの赤い部分)の筋肉が凝ってさらに動かしにくくなり、骨が歪んだように見えてしまう。ぽっこりお腹、O脚などの原因にもなる。
骨盤を全方位に回して整え、ニュートラルポジションに!

回しにくい方向をなくすように前後、左右、上下3方向に回転させると、骨盤は正しい位置に戻る。
【上下の動きでケア】くびれラインの崩れをなおす
左右のくびれ具合が違うのは、骨盤の左右どちらかが上がったままなのが原因。左右差をリセットし、美しいくびれを取り戻そう。
片足立ちでチェック!
骨盤が上下に回転してずれていると、足が上げにくくなり、重心がぶれたり、膝が内側に向いてしまう。
OK

重心がぶれずに片足をスッと上げたまま維持できれば、骨盤の上下の動きはスムーズ。
NG

軸脚の膝が内側に向き、頭の位置がぶれたり(左)、重心が外側にずれる(右)のはダメ。
【TRAINING 1】上体だけ左右に捻ってくびれまわりをほぐす
骨盤の上下の動きができていないと、くびれまわりの筋肉は硬くなりがち。まずはしっかりほぐそう。
【TRAINING 2】骨盤の上下の動きを意識しながら足踏み
両膝を上げ下げしながら、骨盤の上下の動きを再現。動かしにくい方を多めにやり、左右差をなくす。
TRY! トレーニングが終わったらニュートラルポジションで立つ!

足は骨盤幅に開き、手は腰に。左右の足に体重を交互に乗せて、骨盤を小刻みに揺らす。左右の足への重さが均等になる位置を見つけたら脱力して立つ。
【POINT】両足に均等に重さがかかるように立つと、左右の腰骨が同じ高さにくるようになる。
お話を伺った方
Profile
土屋元明
理学療法士。インソールとリハビリの専門院「動きのこだわりテーション」を主宰。近著に『マイナス10 歳を手に入れる骨盤メンテ』(運動と医学の出版社)がある。
写真・中島慶子 スタイリスト・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・浜田あゆみ モデル・岩田絵莉佳(セントラルジャパン) 骨のイラスト・中川原 透 取材&文・板倉ミキコ
anan 2465号(2025年10月1日発売)より