【昼】2週間でリズムを整える。良い眠りのための快眠ルーティン24H

睡眠の質は、目覚めた直後からの生活習慣で決まります。そこで朝・昼・夜とそれぞれの時間帯に実践したいテクニックを一挙紹介。どれもちょっとした心がけで実践できるものなので、特に気になるものをいくつか日々に取り入れてみて。

Index

    朝・昼・夜の過ごし方で眠りの質は変わる

    睡眠を充実させるためには、24時間周期の生活習慣が大切。まずは朝、しっかりと体を目覚めさせる行動が夜の快眠をつくる。「起床後すぐ朝の光を浴びて、軽い運動で筋肉を起こす。起床から1時間以内に朝食を摂るなど体に朝が来たことを知らせる行動が大事です」(内科医・小林義昭さん)

    昼から夕方にかけては、覚醒状態をキープすること、そして脳疲労をためない過ごし方が鍵。

    「夜まで眠る力をためておきたいので、帰りの電車での居眠りは禁物。またスマホの通知をオフにす
    るなど自分のペースで過ごせる仕組みづくりで、外からの刺激で蓄積する“アロスタティック負荷”を軽減することができます。そして夜はスムーズな入眠のための環境づくりを。就寝の3時間前からは部屋の光量を下げ、深部体温を下げるため1時間前には入浴を済ませる。そうした、眠りから逆算したルーティンを意識しましょう」(作業療法士・菅原洋平さん)

    さらにはエアコンの使い方などを工夫すれば寝苦しい熱帯夜もぐっすり。一日を通しての小さな工夫で、毎日の快眠をつくろう。

    合わせてチェック!

    【朝】2週間でリズムを整える。良い眠りのための快眠ルーティン24H

    【夜】2週間でリズムを整える。良い眠りのための快眠ルーティン24H

    ① ランチは外に出て太陽の光を浴びる

    お昼は15〜30分の外出でセロトニン分泌を促す

    朝に続き、ランチタイムのプチ外出で夜の快眠がさらに近づく。「昼間に日光を浴びると分泌されるセロトニンが、夜になると睡眠物質のメラトニンへと変わります。昼休みにコンビニに買い物に出るのもいいですし、お弁当派の方なら公園で食べるのもおすすめ。時間は15~30分が目安」(小林さん)。リフレッシュにもなり一石二鳥。

    ② コーヒーは昼食後の1杯で最後にする

    カフェインが午後の眠気を抑えすっきりと仕事に向き合える

    「ランチ後にうとうとしたくなる人は多いですが朝からためていた睡眠圧を下げてしまうので、夜の睡眠のためにはおすすめしません」(小林さん)。そこで頼るべきはコーヒー。「約30分で覚醒作用が出るので、パワーナップ(昼寝)をとる場合でも直前に飲むと30分後にはすっきり起きられます。反対に午後イチ以降のコーヒーは控えめに」

    ③ 噛む時はお箸を置いてゆっくり噛む

    食いしばり癖は安眠の敵。よく噛む習慣を身につけて

    朝起きると歯の食いしばりで、顎が疲れている人は要注意。「夜間に歯を食いしばると体が活動状態になり、睡眠の質も低下。食いしばりは口腔内の筋力低下も一因なので、噛む回数を増やすことが解消法に。食事中、もぐもぐしている間は箸を置くといいですね。ゆっくり噛めて咀嚼力が上がり、口腔内の筋トレになります」(菅原さん)

    ④ トイレに座って1分間だけ目を閉じる

    TO DOからエスケープ。脳を静めて心身を立て直す

    仕事に追われて脳の疲れが蓄積してくる昼過ぎ。ほんの少し、目を閉じることで眠気や疲労感をリセットできる。「例えばトイレで座って1分目を閉じるだけでも脳波が穏やかになり、頭の中がすっきりします。その際のポイントは“1分で目覚める!”と頭の中で反芻すること。終わる頃に心拍数が上がり目覚めやすくなります」(菅原さん)

    ⑤ メールなどの通知はできればオフに

    情報は自分からチェックしに行くほうが断然疲れにくい

    メールに電話、アプリといろんな形で情報が押し寄せる現代。そのぶん予測不能な刺激が増えアロスタティック負荷も高くなる。「一番の対処法は、PCやスマホの通知をオフにすること。メールも自分から見に行くほうがいい。基本的に能動的なアクションは疲れにくく、リアクションは疲れやすい、と覚えておきましょう」(菅原さん)

    ⑥ 空間移動後10分間は“一番したい仕事”を

    やりたいことから手をつけてその日の主導権を自分に戻す

    メールや電話の対応など、受け身な情報処理に追われて一日が終わりそう…。そんな時は一度その場を離れて心身ともにリセット。「例えば職場ならトイレに立って、その後戻ってからの10分は自分が決めた作業だけに専念する。すると物事の主導権を取れている感覚が復活し、アロスタティック負荷を軽減することができます」(菅原さん)

    ⑦ 夕方にスクワットを10回行う

    夕方に深部体温を上げる。自然のリズムに従う時間

    寝る時に深部体温を下げるには、体温が上昇する夕方に運動して深部体温の上昇を促すといい。「おすすめは10回のながらスクワット。どこでもできるので、私自身も実践しています」(小林さん)。コツは週4日以上やること。「生体リズムは多いほうに同調するので、運動などのルーティンは週の過半数以上行うことが大事です」(菅原さん)

    ⑧ 夕方以降の時間帯は眠らない

    睡眠圧を下げないよう、電車での居眠りは×

    帰りの電車でうとうと…。そんな“通勤あるある的”なアクションこそが、夜の不眠のもとになる。「特に夕方以降の仮眠はNG。夕方に眠ると夜に向けてためている眠る力(睡眠圧)が減ってしまい、夜の眠りが浅くなる傾向にあります。帰りの電車で寝てしまうという人はガムを噛む、あるいは座らないなど、眠らない工夫を」(小林さん)

    お話を伺った方々

    Profile

    菅原洋平

    作業療法士。国立病院機構でリハビリテーションに従事後、ユークロニア株式会社設立。薬に頼らない睡眠外来や、生体リズムや脳の仕組みをテーマに企業研修にも携わる。著書『「謎に眠い」を解きほぐす ―眠気の悩みをあきらめないセルフケア―』(オーム社)など多数。

    小林義昭

    内科医。こばやし内科クリニック院長。2002年、佐渡総合病院で睡眠無呼吸外来をいち早く設立。以来、睡眠時無呼吸症候群の分野で有数の診療実績を持つ。著書に『「やること多すぎ世代」の快眠図鑑~忙しくても“自然と眠れる”ルーティン50~』(小学館クリエイティブ)がある。

    Loading...
    イラスト・山中玲奈 取材、文・大澤千穂

    anan 2508号(2026年8月19日発売)より
    Check!

    No.2508掲載

    睡眠の技術。

    2026年08月19日発売

    健やかで気持ちの良い眠りを手に入れるためのテクニックを、生活習慣、寝室環境、食事、姿勢などあらゆる角度から紹介します。灼熱の暑さの中、寝苦しい夜を過ごす方々が必読の内容です。

    Share

    • twitter
    • threads
    • facebook
    • line
    ウェルネス

    Recommend

    こちらの記事もおすすめ

    若い人でも気をつけて! 睡眠時無呼吸症候群の症状と予防アクション
    若い人でも気をつけて! 睡眠時無呼吸症候群の症状と予防アクション
    Wellness
    入浴と睡眠を制すものが、温活を制す! 朝まで寒さ知らずな入浴法&睡眠メソッド20
    入浴と睡眠を制すものが、温活を制す! 朝まで寒さ知らずな入浴法&睡眠メソッド20
    Wellness
    入浴&睡眠の質をアップしてくれる、優秀アイテム
    入浴&睡眠の質をアップしてくれる、優秀アイテム
    Wellness
    夏の睡眠を左右するのは日照時間。みんなの“眠り事情”を調査!
    夏の睡眠を左右するのは日照時間。みんなの“眠り事情”を調査!
    Wellness

    Movie

    ムービー

    Regulars

    連載