意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「日経平均7万円超え」です。
上がり続ける株価。市民の暮らしとのギャップは拡大
日経平均株価が東京株式市場で6月半ばに連日値上がりし、6月25日には7万2366円の史上最高値で取り引きを終了。その後、6万円台に戻りましたが、概ね高値で推移しています。
日本の株は、6〜7割が海外に拠点を置く、大口の法人投資家(機関投資家)が売買しています。かつての日本は透明性の低いオーナー企業が多く、海外の投資家が参入しづらい傾向にありました。ところが株価を意識するグローバル基準の経営を求められるようになり、市場が広く解放されるようになりました。
ここ最近伸びているのはAIや半導体関連の企業です。今年の上半期の海外勢の買越額は約9.7兆円と半期で最大になりました。現在は円安ですから、製造業などの輸出企業の業績が伸びていることも、日本企業の株価上昇を後押ししています。
政府や東京都は100億円企業やユニコーン企業(評価額が10億ドル以上で非上場のスタートアップ企業)を積極的に作り、日本企業の時価総額を上げる方向に舵を切っています。投資家にとってはより多くのリターンが期待でき、日本株を買いやすい状況になってきているんですね。
高市政権は17の戦略分野で投資の促進を掲げています。産業の新陳代謝が起きて、AIや半導体、ロボット工学、新エネルギーなど、これまでになかった新たな産業が誕生し、投資先は拡大していますから、多少のアップダウンはあるにせよ、今後も日本の企業の株価は上がり続けるでしょう。
しかし、その一方で、日本で暮らす多くの人は豊かになっていません。それは、投資家たちに富を吸い取られているからです。政府は投資環境を整え、新たなマーケットを作り、日本にお金が流入するようにしていますが、そのシステムの外側にいる人たちがほとんど、というのが実情です。AIやロボット工学分野に投資をし、それがブーメランとなり人々の仕事を奪ってしまっては、誰のための投資なのかわかりません。日経平均株価が上昇するのは明るいニュースですが、国民全体の福利を考えた政策も投入しないといけないと思います。
五月女ケイ子解読員から一言

日経平均7万とよく聞くので親近感わきかけるけど、実際は未確認生物のよう。スーパー行くたびに値段が上がってて二度見しちゃうし、ハーゲンダッツは未だにご褒美だし、一般人から見た温度差は炎天下から急にコンビニに入ったくらいハンパないです。
解説員
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堀 潤
ほり・じゅん ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。『堀潤 Live Junction』(TOKYO MX月~金曜20:00~21:00)が放送中。著書『災害とデマ』(集英社)が発売中。
解読員
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五月女ケイ子
そおとめ・けいこ イラストレーター。楽しいグッズが買える、五月女百貨店が好評。細川徹との共著、ゆるくておバカな昔ばなし『桃太郎、エステへ行く』(東京ニュース通信社)が発売中。
anan 2506号(2026年7月29日発売)より































