
高く澄んだ空に爽やかな風が吹き渡る。観光の人足も落ち着いた秋は、北海道札幌市を訪れるおすすめの季節。色づく街並みに映えるクラシカルな赤煉瓦や幾何学美に圧倒されるモダンな建物、心ときめく甘いものなど、札幌ならではの楽しみを、石井杏奈さんと一緒に巡ります。
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市内は名建築の宝庫。“芸術と甘党の秋“を札幌で満喫しよう!
煉瓦づくりのアイコニックな北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)や、大正時代の図書館を建築家・安藤忠雄が改装した北菓楼 札幌本館など、歴史を物語る建物が散らばる北海道札幌市。
少し足をのばせば、世界的な彫刻家であり、野外の一帯で作品を構築するランド・アートの作家でもあるイサム・ノグチが手がけたモエレ沼公園が横たわる。時代もスタイルも異なる名建築を市内に擁するダイナミックさは、札幌市ならでは。
気になるランドマークを訪れ、“芸術の秋”を満喫したら、甘いものでひと休みを。北海道を代表するお菓子店・北菓楼 札幌本館のカフェでいただくパフェ、地元民に愛される珈琲店・森彦のノスタルジックな本店で味わうコーヒーとケーキ、北海道庁旧本庁舎で出合える絶品なクッキーサンド…、と、甘いものの誘惑は止まらない! 深まりゆく季節を感じながら、札幌で五感を満たす“芸術と甘党の秋”にひたろう。
モエレ沼公園
広大な自然とアートな造形物が作り出す、壮大なランドスケープ

「公園全体をひとつの彫刻作品とする」というコンセプトのもとに、イサム・ノグチが基本設計を行なった札幌市の総合公園。東京ドーム約40個分もの敷地面積に、モエレ沼公園のシンボル的な「ガラスのピラミッド『HIDAMARI』」や、山頂から市内全体を見渡せる人工の山「モエレ山」など、想像力を刺激する建造物が点在する。
また、公園内には幾何学の形を多用したモニュメントや噴水が配置され、見渡す限りの雄大な自然とあいまって、違う世界に迷い込んだような錯覚に…! 例年、10月中旬以降から、モエレ山などで紅葉が見頃を迎え、絵画のような美しい風景と出合えるのも楽しみの一つ。

太陽の光が燦々と降り注ぐアトリウム

緩やかなカーブを描く「ミュージックシェル」の表面は、職人が研磨して作り上げたもの
モエレ沼公園
住所:札幌市東区モエレ沼公園1-1 TEL. 011-790-1231 7:00〜22:00(HIDAMARIは9:00〜17:00) 無休(HIDAMARIは月曜・年末年始休)
札幌市資料館
今秋から、創建100周年を祝うアニバーサリーイベントが目白押し♪

大正15年に札幌控訴院(現在の高等裁判所に当たる施設)として建てられた、札幌を代表する近代建築の一つ。国の重要文化財にも指定されている。札幌の南部で採れる札幌軟石と煉瓦を交互に組み合わせて積み上げる方法で造られており、札幌軟石の建物としては現存最大級。
訪れたら、法を司る場所らしい象徴的な意匠に注目を。正面玄関のひさし部分の上部中央には、目隠しをされた法の女神、その左右には公平を表す秤と正義を表す剣を組み合わせた文様が刻まれている。9月16日からは、創建100周年記念の特別展がスタート。その後もジャズコンサートや札幌軟石のクラフトワークショップなど、楽しみなアニバーサリーイベントが続くので、イベントスケジュールを確認して出かけよう。

開き窓の開き具合を調整するあおり止め金具。先端がくるんと渦巻き状になったデザインは、大正〜昭和初期の建築で見られるもの

「刑事法廷展示室」の照明は、大正モダンな雰囲気のシャンデリア
札幌市資料館
住所:札幌市中央区大通西13丁目 TEL. 011-251-0731 9:00〜19:00 月曜・年末年始休(12/29〜1/3) 入館無料
北菓楼 札幌本館
北海道が誇る“自然の恵”をふんだんに使い、みんなを笑顔にする上質なデザートとお菓子

大正15年に建てられた図書館を、建築家・安藤忠雄がクラシカルかつモダンな空間に改装。一階では、北海道産の上質な乳製品を使った「北菓楼特製オリジナルソフトクリーム」やジャンボシュークリーム「北の夢ドーム」といった看板商品が ずらりと並ぶ。さらに「チョコサンドクッキー 北海道廳⽴圖書館」や 「クラシックショコラ 夢がさね」と いった札幌本館限定のお菓⼦も⾒逃せない!
ランチやスイーツをいただける二階のカフェで、今日オーダーしたのは「いちごパフェ」。コクのある特製ソフトクリームとふわふわのシフォンケーキ、甘酸っぱいいちごのピューレを何層にも重ねた逸品。ひと口で幸せいっぱいに♡

正方形の枠を規則的に配置した幾何学的なデザインを、植栽のグリーンが優しく彩る

レトロな外壁に「北菓楼」の文字が映える。店内はオープンからクローズまで、人で賑わう人気ぶり
北菓楼 札幌本館
住所:札幌市中央区北1条西5丁目1-2 TEL. 0800-500-0318 1階10:00〜18:00、2階カフェ11:00〜16:00(フード14:00LO・ドリンク/デザート15:30LO) 1/1・1/2休(カフェは⽕曜休)
北海道庁旧本庁舎
明治時代に誕生し、愛され続ける北海道のアイコン“赤れんが庁舎”

約250万個のれんがを積み上げた、レトロな外観が街中で圧倒的な存在感を放つ、通称・赤れんが庁舎。建物中央にそびえる八角塔、正面玄関の優美な三連アーチ、クラシカルな木製の大階段、館内を照らす重厚感あるシャンデリア…と、見どころを挙げればキリがない!
アイヌ文化と歴史、遺産や国宝を模ったミニチュアの展示も充実。北海道の歴史に思いを馳せた後は、北海道食材を使った料理を味わえるレストランや、「白い恋人」で知られるお菓子メーカーISHIYAの直営店へ。秋が深まると、庁舎の前庭が紅葉で色づく。赤れんが庁舎の美しさがより際立つ季節をぜひ楽しんで。

重厚感のある内装を眺めながら、いつまでもいられそう。最終入場は20:30。秋の夕暮れ時を窓から眺めるのも素敵

帰りがてら、一階の「白い恋人 Akarenga s weets labo」に寄って「赤れんがサンド」を。赤れんがに見立てたサクサクのクッキーに、白い恋人のホワイトチョコレートを練り込んだバタークリームと、北海道産小豆のつぶあんをサンドした看板メニュー。1個¥450
北海道庁旧本庁舎
住所:札幌市中央区北3条西6丁目1番地 TEL. 011-206-8390 8:45〜21:00 12/29〜1/3・整備点検日休 ⼊館料 ⼀般300円・⼤学⽣・⾼校⽣200円・中学⽣以下無料
森彦
ハンドドリップで丁寧に淹れるコーヒーの香りに包まれ、空想にふける、幸せ空間

昭和20年代に建てられた木造二階建ての民家を改装し、現在は北海道内に13店舗、台湾に1店舗を構え、⼈気の絶えない喫茶店の原点とも⾔える空間は大きな吹き抜けが特徴。二階までコーヒーの香りがふんわりと立ちのぼり、創業者・市川草介氏がカフェを「空想する場所」と考えている通り、一杯を楽しみながら空想にふけりたくなる。
スタッフの間で特に人気なのは、季節の移ろいを感じられる窓際の席なのだとか。建物を覆っている緑の蔦が秋になると少しずつ紅葉し、窓越しに眺める景色に秋を感じるようになっていく。心地の良い空間でいただくコーヒーは、一杯ずつハンドドリップで丁寧に淹れられたもの。ホットコーヒーは北海道の窯元・不悉洞のカップ&ソーサーで提供され、一つひとつ形や表情が異なる器も楽しみたい。豊かな香りと秋の光に包まれて、思索にふける幸せなひとときを。

初めての来訪なら、定番の「ガトーフロマージュ」とショップブレンド「森の雫」がおすすめ。北海道産のチーズをふんだんに使った「ガトーフロマージュ」が、コク深く、ほのかな甘みを感じる「森の雫」と相性抜群

蔦に覆われた外観が、だんだんと秋色に変わっていく様も美しい
森彦
住所:札幌市中央区南2条西26丁目2-18 TEL. 0800-111-4883 9:00〜19:00(L.O.18:30) 年中無休(年末年始休あり)
ONE MORE PLACE TO GO!

秋の札幌をもっと楽しむなら、「さっぽろ羊ヶ丘展望台」へ
美しく紅葉した白樺の木と、のんびり草をはむ羊たちの牧歌的な風景が広がる秋の「さっぽろ羊ヶ丘展望台」。これからは高く澄んだ秋晴れの日が多く、広大な北海道らしいスカイラインが楽しめる。9月18日〜23日には「秋の味覚まつり2026」を開催予定。根室市直送の焼きさんまや、北見市常呂産の焼きホタテなど、今の季節ならではの食を味わえるチャンスは見逃せない!
住所:札幌市豊平区羊ケ丘1番地 TEL. 011-851-3080 9:00〜18:00(6〜9月)、9:00〜17:00(10〜5月) 年中無休 入場料 大人1,000円・小中学生500円・未就学児無料
















































