
睡眠の質は、目覚めた直後からの生活習慣で決まります。そこで朝・昼・夜とそれぞれの時間帯に実践したいテクニックを一挙紹介。どれもちょっとした心がけで実践できるものなので、特に気になるものをいくつか日々に取り入れてみて。
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朝・昼・夜の過ごし方で眠りの質は変わる
睡眠を充実させるためには、24時間周期の生活習慣が大切。まずは朝、しっかりと体を目覚めさせる行動が夜の快眠をつくる。「起床後すぐ朝の光を浴びて、軽い運動で筋肉を起こす。起床から1時間以内に朝食を摂るなど体に朝が来たことを知らせる行動が大事です」(内科医・小林義昭さん)
昼から夕方にかけては、覚醒状態をキープすること、そして脳疲労をためない過ごし方が鍵。
「夜まで眠る力をためておきたいので、帰りの電車での居眠りは禁物。またスマホの通知をオフにす
るなど自分のペースで過ごせる仕組みづくりで、外からの刺激で蓄積する“アロスタティック負荷”を軽減することができます。そして夜はスムーズな入眠のための環境づくりを。就寝の3時間前からは部屋の光量を下げ、深部体温を下げるため1時間前には入浴を済ませる。そうした、眠りから逆算したルーティンを意識しましょう」(作業療法士・菅原洋平さん)
さらにはエアコンの使い方などを工夫すれば寝苦しい熱帯夜もぐっすり。一日を通しての小さな工夫で、毎日の快眠をつくろう。
① 起床後すぐ1分間外に顔を出す
朝起きて光を浴びると14〜16時間後に眠くなる

起きてすぐの行動で、その夜の眠りの質が決まる。「網膜で光を感知すると覚醒して睡眠物質のメラトニンが減り、その約16時間後にメラトニンが再び増えて眠くなるのが人間のリズム。なので朝起きたら光を浴びましょう。窓際に行くだけでもいいですが、曇りの日でも1分でいいので光量の強い外に出るのがベスト」(菅原さん)
② 二度寝をするなら 座った姿勢で
二度寝するなら座って。体が覚醒状態に

二度寝はアリ? 答えはYES 。「ただし頭を上げて、座った姿勢で。体に重力を加えると睡眠が抑制され、今は起きているはずの時間なのだと体が認識します。そうして起きる時間と寝る時間の体内リズムが整ってくると自然と二度寝は減っていきます」(菅原さん)。ただし、二度寝する時間は、30分程度までにとどめて。
③ 膝下に水とお湯を交互に3回かける
膝下限定の交代浴で体を目覚めさせて

すっきり目が覚めない時に試したいのが、膝から下に水とお湯を交互にかける交代浴。「冷水で血管が引き締まり、温水で拡張する。これを3回繰り返すことで血圧と自律神経の反応が高まり、目覚めやすくなります。膝下は脳や心臓から遠く刺激は穏やかですが太い血管が集まっているので血流を良くするには最適」(菅原さん)
④ コップ1杯の水を飲む
1杯の水が渇きを癒し、腸を起こしてくれる

朝起き上がったらすべきは、コップ1杯の水を飲むこと。「眠っている間に体内の水分は呼吸や汗で200ml以上も失われています。さらに夏はそれ以上とも。その脱水状態を癒すために、朝起きたら水を飲む習慣をつけましょう。また水を飲むことで腸が目覚め、腸が働くことで脳を覚醒させることにもつながります」(小林さん)
⑤ 起床後1時間以内に 朝食を摂る
早めに朝食を摂ることで体に「朝だ」と教えよう

食欲がない…。そんな日でも朝食はスキップせず、なるべく起床後早めに。「光を浴びるのと同じように、食べることで体に朝だと知らせることが大事。職場で朝食を摂る人も多いですが、リズムを整えるために起床後1時間以内を目安に。セロトニンのもととなるトリプトファン豊富な納豆やバナナがおすすめです」(小林さん)
⑥ ラジオ体操など 3〜5分の軽い運動をする
短時間の全身運動で筋肉を目覚めさせる

朝は軽い運動で筋肉を起こそう。「筋肉が動けば心拍数や血流が上昇し、脳にも血液が行き渡りやすくなります。おすすめはラジオ体操。筋肉や関節をバランスよく動かすため、自律神経が日中の活動モードに切り替わりやすくなります」(小林さん)。どんな運動でもOKなのでYouTubeなどで好きな体操を探すもよし。
お話を伺った方々
Profile
菅原洋平
作業療法士。国立病院機構でリハビリテーションに従事後、ユークロニア株式会社設立。薬に頼らない睡眠外来や、生体リズムや脳の仕組みをテーマに企業研修にも携わる。著書『「謎に眠い」を解きほぐす ―眠気の悩みをあきらめないセルフケア―』(オーム社)など多数。
小林義昭
内科医。こばやし内科クリニック院長。2002年、佐渡総合病院で睡眠無呼吸外来をいち早く設立。以来、睡眠時無呼吸症候群の分野で有数の診療実績を持つ。著書に『「やること多すぎ世代」の快眠図鑑~忙しくても“自然と眠れる”ルーティン50~』(小学館クリエイティブ)がある。
anan 2508号(2026年8月19日発売)より
































