
(左から)丸田佳奈さん、江野沢愛美さん
ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは、「20代で向き合う不妊治療」。不妊治療中であることを、2月に公表したモデルの江野沢愛美さん。産婦人科医の丸田佳奈さんを招き、彼女の等身大の想いを伺いました。
お話を伺った方
Profile
江野沢愛美
えのさわ・まなみ モデル、タレント。『Seventeen』『nonno』などの専属モデルとして活躍。2020年には恋愛リアリティショー『恋愛ドラマな恋がしたい(シーズン6)』に出演。番組での出会いから交際を経て'23年に結婚。自身のSNSで不妊治療についても発信し、女性たちの共感を集めている。
丸田佳奈
まるた・かな 産婦人科医、タレント。日本大学医学部医学科卒業。2007年度「ミス日本ネイチャー」。総合周産期母子医療センター勤務を経て、現在は診療所で外来診療、分娩、手術を担当。現役医師の立場から、メディアを通じ、妊活や不妊治療、女性の健康に関する医療情報を発信している。
「そんなわけなくない?」不妊治療の思い込み
江野沢 私は今29歳で、27歳から不妊治療を始めました。「20代なら自然に妊娠するだろう」くらいに思っていたので、不妊治療が必要だと言われたときは、正直「そんなわけなくない?」って…。
丸田 そう思われる方は本当に多いです。でも、27歳という若さで妊活を始められたのは、大きなメリットになっているんですよ。
江野沢 担当医の方にもそう言われたのですが、その頃は、正直ピンときていませんでした。当時は、妊活の知識もまったくなく、不妊治療は、最初から体外受精をするものだと思っていました。
丸田 実は、不妊治療には大きく3つの段階があります。まずは病院と連携しながら排卵のタイミングに合わせ、必要に応じて内服薬や注射を使って自然妊娠を目指す「タイミング法」。次に「人工授精」です。これは、男性側の精子の運動率や数などに問題がある場合にも行われる治療で、精子を子宮内に注入し、受精をサポートします。そしてその先が「体外受精」です。卵子を体の外に取り出して受精させ、育てた受精卵を子宮に戻す治療ですね。
江野沢 私も、タイミング法のあと人工授精を何回かトライしてから体外受精に進みました。でも、体外受精をしても、すぐに妊娠できるわけではないんですよね。
丸田 そうなんです。体外受精ではまず採卵を行いますが、採卵ができても、受精するとは限りません。さらに受精しても、その受精卵が順調に育つとは限らず、子宮に戻せたとしても、必ず妊娠につながるわけでもないんです。
江野沢 はじめての採卵で卵は採れたけれど、子宮に戻せる状態まで育った受精卵がなくて。「こんな序盤で“壁”があるんだ」って、驚きました。次の採卵ではさらに採れたので、「今度はいけるかも」って思ったのに、育った受精卵はたったの1個。「なんで?」って、すごく落ち込みました。
丸田 一つ壁を乗り越えたら、また別の壁がある。不妊治療の難しいところです。ただ、さらに年齢を重ねるほど採れる卵子の数も減りますし、受精卵が育つ確率も下がっていきます。一般的に35歳を過ぎると、タイミング法や人工授精を長く続けるのではなく、体外受精へのステップアップを早めに検討することも増えてきます。だからこそ、20代のうちから婦人科を受診することで、さまざまな選択肢を検討できますし、体外受精をすることになっても、その時点で年齢が若いほど、妊娠にかなり有利になります。
江野沢 私はもともと定期的に婦人科へ検診に通う習慣もあったので、受診に抵抗はありませんでした。でも、友達の中には、不調を感じていても、「婦人科は怖くて行けない」という子もいます。
丸田 そういう方もいらっしゃいますよね。ただ、すぐに妊娠を望んでいなくても、定期的に婦人科を受診し、自分の体の状態を知っておくことは、将来後悔しないために必要な準備なんです。
江野沢 そう考えると、2年前に治療を始められたことは、本当に大きかったんだなと思います。
丸田 個人差がありますが、不妊の大きな要因のひとつは年齢です。もちろん産むことが全てではありませんが、将来の選択の幅を広げ、妊娠の可能性を高めるためにも、若いうちから自分の体の状態を知っておくことが大切です。
anan 2505号(2026年7月22日発売)より































