この時期に旬を迎える秋の味覚の宝庫。豊かな自然の恵みを享受できる美味の里と呼ばれている長野県の諏訪エリアをご紹介します。

Index

    目にも美しいグルメが諏訪の秋旅を彩る!

    首都圏から車や電車で、約2時間半でたどり着く、日本の中心に位置する諏訪市とその隣の茅野市や富士見町を含む長野の諏訪エリア。信州一の大きさを誇る諏訪湖や、四社に分かれて鎮座する諏訪大社を擁し、温泉地としても知られる人気の観光地だが、魅力はそれだけにあらず! 実は“美味の里”と呼ばれ、滋味深いご当地グルメが満載。八ヶ岳、蓼科高原、霧ヶ峰高原など変化に富んだ自然環境、高原の冷涼な空気、そして山々から流れ出る清冽な水が豊かな食材を育み、多様な食文化が根付いているエリア。

    また、秋に旬を迎える栗やブドウなどの果物や、うなぎから米、そばといった収穫時期を迎える食材まで、数々のヌーボー(新物)が出揃う、この時期こそ諏訪エリアのベストシーズン。自然の恵みを享受し、食欲の秋を存分に堪能するために、諏訪エリアへヌーボーグルメ旅に出発!

    秋のヌーボーを堪能できる、諏訪エリアのおすすめ5選

    NOUVEAU1、新栗

    【AlgAe(アルジー)】小布施産の新栗と、自家栽培の会津赤かぼちゃが主役のパフェ。
    玄関の引き戸を開けると正面に見えるキッチンで腕を振るうのが、イタリアやインドで料理を学んだ岡崎晶子さん。その横でお客さんを温かく迎え入れてくれるのが、農業をする傍ら接客を担当する夫の禎司さん。自家栽培の野菜をはじめ、八ヶ岳の旬の食材を使ったランチプレートとデザートが味わえる。芸術品のように美しいパフェは地元の果物を主役に、幾層にも積み重ねられた味のグラデーションが楽しめる。「栗とかぼちゃのパフェ」(10月中旬~12月)は、小布施の栗と自家栽培の会津赤かぼちゃを合わせた秋らしい逸品。

    築80年以上の古民家を改装。「栗とかぼちゃのパフェ」¥2,200 。小布施栗はマロンクリームや渋皮煮に、かぼちゃはチーズと合わせてムースに。自家製ウーロン茶のアイスやチャイ風味のメレンゲなどアジアン要素もあり、こっくりとした味わいと爽やかな風味のバランスが絶妙。

    Information

    AlgAe

    茅野市本町西7-27 TEL. 080-8217-1526 11:30~17:00(16:00LO) 月・火曜休、不定休

    NOUVEAU2、秋うなぎ

    【鰻 小林】自社養殖池で飼育したうなぎを白焼きと蒲焼きで味わい尽くす。
    かつて諏訪湖でうなぎが獲れたことからうなぎ文化が根付き、今も名店が多く集まる。その中でも『鰻 小林』は地元の人が足しげく通う人気店。うなぎは夏の味覚と思われがちだが、実は水温の少し下がり始める秋から初冬が旬。栄養が体内に蓄積される今の時期こそ脂の乗ったおいしいうなぎが味わえる。ここでは静岡県舞阪・浜名湖畔の自社養殖池で飼育したうなぎのみを毎日仕入れる。名物の「金銀鰻重」は、うなぎ本来の旨味が味わえる白焼きと、ほどよく熟成させた秘伝のタレにつけた蒲焼きが2段重になった豪華版。

    和の風情漂う店内には、うなぎを焼き上げる良い香りが。白焼きと蒲焼きが両方楽しめる「金銀鰻重」¥6,820は、薬味や出汁がつき、ひつまぶしにして楽しむことも。蒲焼きは、軽く蒸してから焼き上げるため、うなぎの香ばしさとふっくらとした旨味が口いっぱいに広がる。

    Information

    鰻 小林

    諏訪市四賀赤沼1958-2 TEL. 0266-54-7717 11:00~13:30LO、17:00~18:30LO 月・火曜、木曜の夜休

    NOUVEAU3、新蕎麦

    【蕎麦 にしむら】その日使う分だけを石臼で挽く、打ちたての二八そば。
    良質なそばは昼夜の寒暖差が大きい標高の高い場所で育つため、昔から諏訪エリアはそばの栽培が盛ん。『蕎麦 にしむら』では、同じ町の標高1100mの高地で栽培した蕎麦粉を使用。毎年9~11月に収穫し、殻つきのそばの実・玄そばの状態で保管する。その日に使う分だけを敷地内の製粉所で石臼挽きして打つため、風味が抜群。細切りのそば特有の歯切れの良さと喉ごしが楽しめ、かつお出汁が香るそば汁とも好相性。「そば定食」につくデザートは、店主の娘さんが営む菓子工房『ル・キャトル・セゾン』のケーキも選べる。

    そば、そばがき、かやくごはん、デザート、コーヒーつきの「そば定食」¥2,200。看板猫・タンちゃんが、時々遊びに来てくれる。店の横にはパン工房、その隣に『ル・キャトル・セゾン』、向かいにアイスクリームなどを販売する『Quatre Saisons LABO』がある。

    Information

    蕎麦 にしむら

    諏訪郡富士見町富士見3679-18 TEL. 0266-62-7078 11:00~14:00 日~火曜休※臨時休業あり

    NOUVEAU4、秋ぶどう

    【カフェと暮らしの雑貨店 fumi】時間が止まったかのような店内で旬の果物のおいしさに酔いしれる。
    諏訪の末広商店街の一角。かつて薬局だった築100年の建物をリノベーションし、村上信之さん・智美さん夫妻が店を切り盛りする。手前に雑貨の販売スペース、奥にカフェスペースを配置。店内の薬棚やガラス戸は薬局時代のもので、当時の面影が残る。そんなノスタルジックな気分に浸れる空間で味わいたいのは、旬のフルーツを使った手作りスイーツ。「2種の葡萄のタルト」は今だけのお楽しみで、しっかりとしたタルト生地に、クレームダマンド、カスタードクリームをのせ、信州産のシャインマスカットとナガノパープルを贅沢にあしらった一皿。

    12月(入荷状況により変動)までの限定「2種の葡萄のタルト」¥680と、山梨・甲斐の『クルミハーバルワークス』の「fumiオリジナルブレンドハーブティー」¥650。雑貨の仕入れは智美さんが担当。“暮らしを豊かにするもの”をテーマに地元作家の作品を中心に各地からセレクト。

    Information

    カフェと暮らしの雑貨店 fumi

    諏訪市末広5-7 TEL. 0266-75-2702 11:00(火曜13:00)~17:00 月曜休

    NOUVEAU5、新米

    【onri】一つひとつ丁寧に握った自家栽培米の大きなおむすび。
    富士見駅すぐの商店街にある喫茶&工藝のお店。染色家の佐渡勝行さんと奈々さん夫妻が営み、看板メニューはおむすび。富士見の水田地帯である立沢地区にある2反弱の田んぼで育てた自家栽培米の「ゆめぴりか」をガス釜で炊き、注文が入ってから作るのでいつでも握りたてが味わえる。おむすびの具は、うめやすじこといった定番から、地元の味噌を使ったくるみ味噌やヤンニョムそぼろなどの変わり種まで、約12種類から好きなものを選べる。ギャラリースペースには、勝行さんが作るてぬぐいをはじめ、全国の作家さんの工藝品を展示する。

    2つのおむすびと日替わりの副菜、味噌汁がついた「おむすび定食」¥1,100~。おむすびを握るのは奈々さんの仕事。手作りの焼き菓子やドリンクも豊富で、無農薬レモンのレモネードに、ローズマリーやクローブなどを配合した「スパイスレモネード」¥650もおすすめ。

    Information

    onri

    諏訪郡富士見町富士見4654-73 TEL. 070-8405-8289 11:00~16:00 日~火曜休

    写真・村上未知 取材、文・鈴木恵美

    anan 2468号(2025年10月22日発売)より
    Check!

    No.2468掲載

    秋の推し旅2025

    2025年10月22日発売

    anan恒例の旅特集!今回は“大人の遠足旅”をテーマに国内外、この秋行きたい場所をピックアップ。朝ドラで注目の松江をはじめ、ワインや栗、新米を堪能する八ヶ岳&諏訪のヌーボー旅、いまおさえたい北陸3県ときめき旅のほか、旅慣れた賢者が勧めるタイ・ソウル・台北・香港の週末旅プランなど、内容盛りだくさん。 私たちの毎日を彩った、食、暮らし、健康、美容、ファッション、そしてカルチャーたち。その輝きの数々をキーワードに落とし込み、ジャンル別にあらためてピックアップ。今年大活躍の白石聖さん、しなこさんも豪華に登場!

    Share

    • twitter
    • threads
    • facebook
    • line

    Today's Koyomi

    今日の暦
    2025.10.
    27
    MON
    • 六曜

      先負

    • 選日

      母倉日

    一発当てようといった気概が刺激されやすい日です。ギャンブル的な意味に限らず、自己PRとしてや、何か面白いことを経験したいといった目的で夢を追う人もいそうです。ただし、世間的な認知や評価という点では今日の暦はあまり効果がありませんので、期待することなく今できることを地道に進めていくほうがいいでしょう。

    Movie

    ムービー

    Regulars

    連載