ソウルに並び、人気の旅行先、台北。初めて降り立った時から、台湾に恋をしたふたりに、日本で過ごす時と変わりなく、のんびりと滞在できる台北の魅力を聞きました。渡航時間が短いならではの、楽しみ方も必見です。

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    【スタイリスト・榊原優佳さん】超・日常なのんびり台北

    自分らしくいられる台湾に、実際に住んでしまったスタイリストの街に溶け込む暮らしぶりとは? 交通事情からローカルネタまでご紹介!

     

    自然体で楽しむ台湾人のマインドがフィット

    ファッション好きで、旅先はパリやロンドンなどヨーロッパが多かったという榊原優佳さん。ところが2019年に初めて台湾を訪れた時「楽しいとは違う感覚で、めちゃくちゃしっくりきた」という。

    「仕事で扱うファッションはモード系が多いけど、実は個人的な好みはパステルカラーや可愛いもの。台湾は道を走るバスがパステルピンクだったり、屋台の袋がパープルや水色など街中がカラフルで。その色彩感覚が好きだし、年齢を重ねて自分と向き合うようになるなか、肩肘張らず自然体で生活を楽しむ台湾人のマインドが今の自分にフィットしたのかも」

    そんな新たな感覚に魅せられて、その後5~6回、台湾一人旅へ。

    「とはいえ滞在中は、ホテルで昼過ぎまでYouTubeを見て、ふらっと昼ごはんを食べに行き、本屋や雑貨屋に立ち寄ってと、東京の暮らしと変わりません。もともと他の国でも、メジャーな観光地に行くより路地裏を歩くほうが楽しいタイプなんですよね」

    1年半前、移住を決断。現在は国立大学で中国語を学びながら、リモートで日本のスタイリングの仕事などをしている。

    「住む場所を東京から台湾にスライドしただけという感じかな。台湾は外食文化が強く、ローカルの定食屋ではみんな一人で好きなことをしながらごはんを食べていて。私もいつもヘッドホンをして好きな音楽を聴きながらごはんを食べています。湯船の文化がないので、たまに24時間営業の女性専用スパ『伊莉莎仕女休※(門がまえに月)會館』へ。ネイルケアやマッサージ、レストランもあって何時間いてもいいので気楽。空港の近くにあるので、旅行者にもおすすめです。アートやファッション、カルチャーが一通り揃っているのはやっぱり中山。友達とお茶したり、服を買いに行くとか、仕事のリサーチでもよく行きます。移動にはレンタサイクル“ユーバイク”を使うことも多く、定額でバスや各種鉄道も乗り放題。また観光の場合はタクシーに乗りがちだけど、地下鉄も使ってみてください。料金が安くて路線も簡単、改札内と車内は飲食禁止ですごくクリーンです。日本と変わらないぐらい治安もいいし、一人旅でローカル気分を味わうのもいいのでは。ちなみに一人旅って食べたいもの、寝る時間、行きたい場所などすべて感覚が同じ、世界一気が合う親友と出かけている感覚に近いと、最近気づきました」

    路地裏にある『荒花書店』は、雑貨やZINEなどの販売やギャラリーも併設。「好きな独立系書店がたくさんあるのも、台湾に住むきっかけに」

     

    台湾アクセブランドも見つかる古着屋『19991232』。

    「街中に点在するパステルカラーが好き」

    何気ない風景にも可愛さがにじむ。

    写真は主にiPhoneで。勝手にエモい写真になるパナソニックのHX-DC15もお気に入り。

    「台湾のインディーカルチャーが詰まっている『Mangasick』」

    台湾のファミマのアイスが美味しい♪

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    Profile

    榊原優佳

    さかきばら・ゆか スタイリスト。飯田珠緒氏のアシスタントを務めたのちに独立。現在、台湾に在住しながら日本のファッション雑誌や俳優のスタイリングを手がける一方で、Web記事の連載なども執筆している。

    【エッセイスト・柳沢小実さん】趣味も、観光も楽しむ、オールラウンド旅・台北

    好きなものをエネルギッシュに追求。独自のコミュニケーション術で新たな情報をどんどん手に入れる、旅のプロの台北旅には新鮮な情報がたくさん!

    ローカル情報は現地人との繋がりから

    一年のうち約2か月は海外を旅しているという旅好きの柳沢小実さん。行ける時にコスパがいい国に行くと言い、最近はタイやラオス、ベトナムを訪れた。

    「ドラマや映画、小説に出てくる景色を見てみたくて行き先を決めることもあれば、フェスやイベント目当てで行くことも。現地に住む人のSNSやZINEで、フリマやクリエイターズマーケットなどのローカル情報もチェックしています」

    なかでも一番多く訪れた台湾。

    「初めては2011年の冬の台北。雨が降ってたけど、人や街、夜市がキラキラしていたんです。肌寒いのにおじさんがかき氷を食べている光景も衝撃的で、なんだか心がほどけて(笑)。夜楽しめる街っていいなと思ったのが始まり」

    2度目の渡台後には日本で台湾料理の教室に通い始め、気づけば一人でしょっちゅう行くように。

    「滞在は1週間から長いと1か月。最初の1~2回はベタな観光もしていますが、書店めぐりやカルチャー、アートに触れたり、買い物や体験まで欲張りたいオールラウンダー。小さなライブハウスにも行くし、大好きな台湾のミュージシャン、クラウド・ルーをフェスで見た時は感動でした」

    こだわりは「泥くさく歩き回って現地の人と繋がること」。

    「ブームが激しいSNSの情報よりも、現地の信頼できる著者が書いたグルメ本を読んだり、自分のカンを信じていて。一本裏道に入ってみるとおしゃれではないけどまだ知られていない美味しい店を見つけたりするんです。また、特に台北在住の若い世代は日本語が喋れる人も多くて、コミュニケーションがとりやすい。インスタ経由で知り合った日本在住の台湾人ディレクターがいて、今ではその子の友達や親戚とも仲良しです(笑)。ただ、繋がれば誰でもいいわけではなく、自分と好きなものが似ている人を、時間をかけて探しています。いつか会いたいと思っていた作家さんに台北の食堂で偶然会ったことも。好きを追求すれば、同じ感覚を持つ人たちが集まるエリアも見えてきます」

    おみやげは爆買い派で、梱包材や保冷バッグを必ず持参。

    「フライト時間が短いので、生ものの持ち帰りも可能。よく買うのが魚のすり身ボール。刻んだセロリと煮込むだけでスープになって、美味しいので冷凍保存してます」

    酢っぱい白菜鍋の店『ウェイルー』。「体の芯から温まる冬の名物料理」

    保冷バッグでたくさん持ち帰る定番みやげは、野菜まんやタロイモケーキなど。

    好きなように歌って楽しむ台湾のフェスに参加して以来、海外フェスにハマったそう。

    ベタな観光も一通りするのがマイルール。「もちろん台北101にも」

    色彩豊かな街並みを眺めながら美味しいもの探し。

    国立台湾博物館ほか企画が面白そうなアートミュージアムなども堪能。

    調味料や食材を買いだめ!

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    Profile

    柳沢小実

    やなぎさわ・このみ エッセイスト。『わたしのごほうび時間 大人のゆったり旅』や『「自分ログ」で毎日が変わる 手帳のある暮らし』(共に大和書房)など、旅やライフスタイルにまつわるエッセイを多数執筆。

    写真・榊原優佳 柳沢小実 取材、文・若山あや

    anan 2468号(2025年10月22日発売)より
    Check!

    No.2468掲載

    秋の推し旅2025

    2025年10月22日発売

    anan恒例の旅特集!今回は“大人の遠足旅”をテーマに国内外、この秋行きたい場所をピックアップ。朝ドラで注目の松江をはじめ、ワインや栗、新米を堪能する八ヶ岳&諏訪のヌーボー旅、いまおさえたい北陸3県ときめき旅のほか、旅慣れた賢者が勧めるタイ・ソウル・台北・香港の週末旅プランなど、内容盛りだくさん。 私たちの毎日を彩った、食、暮らし、健康、美容、ファッション、そしてカルチャーたち。その輝きの数々をキーワードに落とし込み、ジャンル別にあらためてピックアップ。今年大活躍の白石聖さん、しなこさんも豪華に登場!

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    音叉のように共鳴する関係性を象徴する日です。例えば趣味のつながりや同業間の人脈などです。ちょっと困ったことが起きても、そんな間柄のよしみで助けてもらえる場合もあるでしょう。何でもかんでも自分で解決しようと気負いすぎるのではなく、知り合いを含めた周りの人の力を借りる形でやっていくことを学ぶのです。

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