香港映画への注目度が急上昇した今年。新作はもとより、旧作にも名作は目白押し。映画の世界観に浸れるスポットへ出かけよう。
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川原直子さんがナビする映画ゆかりの地に心トキメく旅
新旧、人気作品の希少なゆかりの地。早めに訪れて
昨年5月、香港で『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』が公開された直後に映画館に観に行き、その魅力を自身のポッドキャスト『香港 ネイホウRadio』で発信していた川原直子さん。もともとアジアの映画が好きで、香港に移住してからは、映画ゆかりの地として知られる場所にも足を運んでいる。
「今アツいのは、やはり『トワイライト~』に関係する場所。とくにセットを展示している『九龍城寨:映画の旅』展は、ファン必見。香港映画といえば、ウォン・カーウァイ作品も人気ですが、例えば『恋する惑星』など1990年代頃に製作された映画は、都市開発などの影響でロケ地が残っていないケースもあります。ただ、“そのもの”ではなくても、雰囲気が感じられる場所はまだあるので、世界観には十分浸れるはず。香港映画ゆかりの地へは、『行ける時になるべく早く!』がおすすめです」
『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』
ハッピーバレー競馬場

※(足偏に包)馬地という香港島の中心部に位置する大都会の中の競馬場。ここは大ボスと王九が、九龍城砦の立ち退き話に色めき立つシーンのロケ地として使われている。
「おそらく撮影はVIPルーム内で行われていたため、なかなか入れないと思いますが、競馬場の雰囲気はもちろん映画そのまま。高層ビルを背景に観るレースは、迫力満点です」
「九龍城寨:映画の旅」展
『トワイライト~』のセットが見られる「九龍城寨:映画の旅」展が行われているのは、取り壊される前の九龍城寨が実際にあった九龍寨城公園内。
「龍兄貴の理髪店や、叉焼飯の食堂など、映画で印象的に登場したセットが細かく再現されているうえ、部屋ごとの“音”の演出で没入感たっぷり。2025年5月から3年間開催予定なので、リピート訪問も可能だと思います」
『恋する惑星』
嘉咸街の露店街

不朽の名作『恋する惑星』で現存するロケ地はミッド・レベルズ・エスカレーターが有名だが、中環の士丹利街と嘉咸街一帯も、そのロケ地といわれているそう。
「屋台で食事をしていた警官663号(トニー・レオン)が、フェイ(フェイ・ウォン)の荷物を持ってあげるシーンです。同じ屋台はもうありませんが、ほかの屋台や露店のパラソルなど当時の面影は感じられます」
『男たちの挽歌』
香港終審法院

1986年に製作された香港ノワールの金字塔。映画冒頭で、チョウ・ユンファ演じるマフィアのマークが、タバコに火をつけながら登場するという印象的なシーンの背景に、香港終審法院が映っている。
「長身でカリスマ性のあるチョウ・ユンファが、重厚な建造物の前に立つという絵ヂカラの強さ。昔の映画にもかかわらず、ロケ地がそのまま残っている貴重な場所です」
『鯨が消えた入り江』
銅鑼灣のトラム

『トワイライト~』にも出ていたテレンス・ラウの出演作で、今年8月公開後、こちらも日本でヒット。
「台湾の映画で、ロケ地はおもに台湾ですが、ラストに香港のトラムに乗るティエンユー(テレンス)が映し出されます。トラムの上を渡る円形歩道橋と巨大スクリーンが象徴的な銅鑼灣エリアの景色も現れます」
※情報は2025年10月22日現在のものです。以降、変更の可能性もあります。
Profile
川原直子
かわはら・なおこ 2018年より香港に在住。アジアのカルチャーと海外生活についてのポッドキャスト番組『香港 ネイホウRadio』パーソナリティ。
anan 2468号(2025年10月22日発売)より
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MAGAZINE マガジン

No.2468掲載
秋の推し旅2025
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