7月16日発売のananは旅特集! 今号は“癒し”をテーマに、南は沖縄から北は北海道まで、バリエーション豊かな夏旅のおすすめを提案します。巻頭に続くのは、本島に離島に、“癒し”の切り口ならではの楽しみ方を模索した沖縄ページ。なかでも圧巻の大自然に包まれた、西表島での取材についてここで紹介したいと思います。


西表島での取材スケジュールは2泊3日。今回は島での360度の大自然を、24時間体感できる様子を誌面にギュギュッと詰め込むべく、海から川、ジャングル…まだ見ぬ景色を求めて、一日を使って貪欲にさまざまなところを巡りました。

個人的に一番癒されたのは、珍しい生物にたくさん出合えたことです。ジャングルを意外にもスタスタ進んでいくヤエヤマセマルハコガメ、夜の月の浜で星空の撮影をしていたところを通り過ぎていったムラサキオカヤドカリ、小さくて白い、砂浜に馴染みすぎたカニなどなど。マングローブの川沿いでは、沖縄で「トントンミー」と呼ばれ愛されるハゼに会えたり、夜にはトカゲの鳴き声を初めて聞いたりもしました。西表島といえば! なイリオモテヤマネコは残念ながら見かけることができませんでしたが、思わず童心に返り、都度じっくり観察してしまうほどたくさんの出合いと面白さがあり、野生生物たちの天国だったように思います。すばしっこかったり、彼らへの刺激を避けるためにも撮影は最小限にとどめていますが、東京ではまず見ることができない目の前の景色は、「大人になっても楽しいんだ!」と興奮さえ覚えます。

風景として感動したのは朝・昼・夕・夜で表情を変える海の姿。日頃、夏でも海やプールに行かない私にとっては、よくよく考えたら学生時代ぶりの海でした。もちろんシュノーケルやダイビングのスポットとしても名高い西表島の海は透明度抜群。朝や昼にSUPで海に出れば自分の影がリーフに映り、まるで浮いているような光景に。夕方は、水面をキラキラと光らせながら落ちていくサンセットに、振り返ると赤く染まる日本有数のジャングルが。夜は天の川や流れ星まで見られる、満天の星が広がります。どれも圧巻というほかなく、タイミングは定めずに、時間を変えては毎度海に赴くよくばりコースがおすすめです。

ここまで自然に包まれるのは初めてで、たとえば部屋に戻ってテレビを見たり、もはや写真を撮ることさえ忘れるような、濃厚なデトックス時間がそこにはありました。また、世界自然遺産にも登録されている貴重な環境で過ごすことは、自然との向き合い方の学びにも繋がります。こんな体験が日本でできるなんて…! すっかり魅せられて、しっかり焼けて、編集部に戻ってきました。また必ず訪れたい、そう思える瞬間が待っているので、皆さんも誌面を読んで、ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです。(NF)

数少ない写真から一枚、SUP中に見た夕日。水平線近くが曇らないサンセットは、西表島でもそう多くはないそう。

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No.2455掲載

夏の推し旅 2025

2025年07月16日発売

海、美食、動物、かき氷、アートなど「大好き」なもの=“推し”を追い求める癒しの旅を案内する特集。夏といえばの沖縄は、那覇&本島西海岸のエリア別解説のほか、久米島、西表島という2つの離島もフィーチャー。他に「大人の夏休み」として、埼玉・長瀞の涼を求めて日帰り旅、栃木・那須で自然に触れる“大人の林間学校”、岡山で今が旬のフルーツとアートを楽しむ旅、北海道・トマムで雄大な自然を満喫する旅など、この夏おすすめの旅先をご紹介します。 ※ anan2455号POPver.(通常版)と、MODEver.(特装版)は表紙・掲載グラビア(Mrs. GREEN APPLE)・バックカバー・価格が異なり、その他の内容は同一です。

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補助的な立ち位置にいる人がその長所を生かしやすい日です。表立つ場面では緊張して本来の力を発揮しづらいのですが、肩の力を抜いて関われるポジションであれば有能とさえ評されるでしょう。趣味でも仕事でも、その活動のメリットを広めることに時間を使ってみると役立っている実感が得られて楽しくなってくるはずです。

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