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自作衣装、お出かけ…。多様な“シル活”にほっこり。
1985年に日本で誕生した、動物をモチーフにした玩具・シルバニアファミリー。当初こそ、3歳以上の女児をメインターゲットに企画された製品だったが、その人気は年齢や性別を超えて拡大中。今では、海を越え80以上の国と地域で愛される世界的玩具に。近年は、大人の間でも大人気。SNS上での「#シルバニアファミリー」や「#シル活」のタグをつけて、自作の衣装での着せ替えを楽しんだり、アクスタ感覚で一緒にお出かけをして写真撮影をしたりと多種多様の遊び方がみられ、なかには洋服のポケットに忍ばせて、ここぞというときのお守りにしているという人も! エポック社の担当者が「ファンの方が思い思いの遊び方で楽しんでくださっている姿に、心があたたまります」と語るこの盛り上がりは、まさに“体感カルチャー”。単なるお人形遊びを超え、40年もの間愛され続け、今月は展覧会の開催も控えているシルバニアファミリーの魅力を、ananがクローズアップします!
担当者に聞きました!
あらゆるボーダーを超えて愛され続け一大コンテンツとなっている、シルバニアファミリーの魅力とは? 製造・販売元のエポック社の担当者にお話を伺いました。
「発売から40年、変わらずに愛され続けるそのわけは、手に取る人を優しい気持ちにさせるあたたかみと素朴さにあると考えています」と担当者は語る。
「私たちが大事にしているのが、手に取った人がいかに遊びの世界に没頭し、あたたかい気持ちになれるかどうか。そのための製品作りに一切の妥協はありません。顔の凹凸や目の配置一つとっても全てが真剣勝負。顔立ちなどの佇まいに明文化された寸法があるわけではないのですが、脈々と受け継がれるシルバニアファミリーらしさが確かに存在。このらしさが、触り心地や耳の角度などのその人形らしい微妙な違い=個性を表現しています。素朴でありながら他のどのおもちゃとも異なる“私だけ・あなただけ”のお友だちとして寄り添うことで、大量生産品では叶わない愛着が生まれます」
世界観へのこだわりも、没頭と愛着を生み出す仕掛けの一つ。
「家具などの小物へのリアル感の再現にも全力です。子供とは大人が思っている以上に聡く鋭いもの。ごっこ遊びの最中に少しでも違和感があると、夢から途端に覚めてしまうんです。棚の引き出しやテーブルの脚など、遊びには直接関係しない細部まで、安全性との兼ね合いを考慮しながらも没頭できる世界観作りに注力しています。また、手に取った人が思い思いの遊び方を楽しんでほしいという思いから、関係性などの設定は大まかなものにとどめ、あえて余白を残しています。舞台の時代設定も、あくまでもこれまでの時代の良かったエッセンスの凝縮。親御さんの中には、お人形遊びを通した教育としてよりも、情緒的な面で子供に与える方もいらっしゃり、2世代・3世代でシルバニアファミリーを愛してくださっているご家庭も。加えて、特定の言語や宗教観を持たない動物がモチーフだからこそ、ごっこ遊びだけを共通項に世界中と繋がれることも強み。こうした世界観が、忙しい日常から一線を画した遊びの世界への没入を生み、大人にも広く受け入れられているのだと思います」
大人を中心にSNSでも大人気。
「SNSでの盛り上がりは、コロナ禍を一つの契機にファンの方主体で自然発生したブーム。今までは主に一人で楽しむ遊びだったのが、SNS上の繋がりを介してオープンなものになり、大人のファンが顕在化。飾る以外では、自作の衣装作りや一緒にお出かけをするなどそれぞれの楽しみ方が見受けられます。やはりこれも、遊び方の余白があってこそ。『こんな楽しみ方があったんだ!』と私たちも日々刺激を受けています」
そして今年は展覧会も開催。
「4月25日からは40周年を記念した展覧会を開催します。過去のアーカイブ展示もあり、全世代が楽しめる空間になっていますのでぜひ実際に体感してみてください」
シルバニアファミリーラバーによる、私の楽しみ方。
大のシルバニアファミリー好きとしても知られる超特急のTAKASHIさんに、TAKASHIさん流の“シル活”を教えていただきました。
PROFILE プロフィール

TAKASHIさん(超特急)
タカシ 1996年生まれ、大阪府出身。9人組ダンスボーカルユニット・超特急のボーカル担当。ライブツアー「BULLET TRAIN ARENA TOUR 2025 EVE」が6月から開催される。
もともと僕はキャラクターとか動物とかかわいいものが好きで、物心ついた頃にはシルバニアファミリーのかわいさに気づいてしまっていたのですが、実際にお迎えするようになったのは数年前なんです。なので、まだ70~80体ほどしか持っていなくて…。もちろん家でディスプレイもしてるんですけど、僕は持ち歩いて楽しむのが好き。ライブやイベントなど、お仕事で外出するときはいつも現場に持っていっていますね。
今日はペルシャネコのみつごちゃんをポーチに忍ばせていますが、毛並みがポワポワしていて、その質感がたまんないんです。気づいたら指の腹で撫でています(笑)。気分によって持ち歩くフィギュアは替えたりしてるんですが、この子たちは結構スタメン。ライブの日とか気が張るような現場ではついつい自分を追い込んでしまいがちなので、控室の机の上に置いたりして、たまに見たり触ったりして気持ちを落ち着かせています。
移動中も見ていたいので、持ち歩くときはポーチを鞄に付けていつも見えるようにしています。今後は、オフの日に大自然に連れていったり、もっと一緒に思い出を作りたいです。

お仕事現場にも持ってきているシルバニアたち。この取材の日はペルシャネコのみつごちゃんたちでした。
INFORMATION インフォメーション
「シルバニアファミリー展40th」
“ようこそ、シルバニア村へ”をキャッチコピーに、シルバニアファミリーの世界に没入できる大規模企画展覧会を開催。歴代のおうちのジオラマ展示のほか、村の誕生秘話「シルバニア村はじめて物語」を楽しめるなど、世界観に没頭できる仕掛けや展示が目白押し。全エリア・全作品撮影可能で、フォトスポットも会場内の各所に用意。展覧会オリジナルグッズの販売も。平日限定で、村のなかまたちに会える「シルバニアファミリー マスコットグリーティング」も実施予定。4月25日(金)~5月18日(日)まで、池袋・サンシャインシティ 文化会館ビル2F 展示ホールDで開催。
anan2441号(2025年4月2日発売)より