【下瀬美術館】アートの心地よさに全身を包まれて。
実は広島は、アートとの関わりを戦後いち早く築いた都市である。今年は終戦80年、広島にとっては被爆80年を迎える年でもあるが、その年月の多くの祈りが「ひろしま美術館」「広島市現代美術館」のコレクションや建築の随所に宿り、現代作家の活動も息づいている。また昨年末、ユネスコ主催の建築賞《ベルサイユ賞》を受賞した「下瀬美術館」も、世界規模で最注目。長く芸術に触れ、呼吸し続ける広島の美術館に、いま足を運んでみては。
県の西端・大竹市にある「下瀬美術館」は’23年開館。《ベルサイユ賞》の受賞で「世界で最も美しい美術館」の称号に輝いた、スタイリッシュかつ自然とも調和する建築設計は坂茂氏によるものだ。その透明感は圧巻。
「水盤に並ぶカラフルな可動展示室は全部で8棟あり、瀬戸内の島々をイメージしています。京人形・雛人形と、エミール・ガレの作品たちが2大コレクションです」(下瀬美術館広報・川口日耶さん)
コンセプト“アートの中でアートを観る。”の通り、景観の美しさから作品のディテールまで大小のスケールに触れ、まるで“ととのう”ように五感が磨かれる感覚を、ぜひ現地で体感してほしい。
INFORMATION インフォメーション
下瀬美術館
大竹市晴海2‐10‐50 TEL:0827・94・4000 9:30~17:00(最終入館16:30) 月曜(祝日の場合は開館)、年末年始、展示替え期間休 観覧料は展覧会によって異なる 広島駅からJR山陽本線で約40分、大竹駅で下車ののち、市営バス・タクシーなどで約10分。
anan2440号(2025年3月26日発売)より