日常で探そうと思えばいくらでもある「ありがとう」を言う場面。
「でも、実際に口に出している数はそう多くないのでは。私は仕事柄、第一線で活躍されている方に数多くお会いしてきましたが、みなさんに共通して言えるのは、どんなに小さくても感謝の種をキャッチし、それをマメに表すということ。だからこそ人に好かれるし、チャンスも巡ってくるのでしょう」(アナウンサー・堤信子さん)
そんな“ありがとう上手”への第一歩は、感謝を伝えたくなるようなグッズを常備しておくこと。
「季節のポストカードや、友人が好きそうなモチーフのレターセットなどをストックすると、伝えることが楽しみに。また、かしこまったお礼を書く時のために万年筆を用意しておくといいでしょう」
以下ではありがとう上手になるための4つの心得をご紹介します。
- ありがとうは「先手を打つ」
- ありがとうは「見返りを期待しない」
- ありがとうは「期限を設けない」
- ありがとうは「自分の言葉で表現する」
「人から何かをしてもらった時に、『ありがとう』と言うのは至って普通。その上の“ありがとう上手”といえるのは、具体的に相手に何かをしてもらったわけではなくても、お互いに共有している時間の中から感謝の種を見つけて、『ありがとう』を伝えることです。例えば、一緒に食事をして楽しかったら、『今日はあなたと会えてよかった、ありがとう』と。相手よりも先に、自分からどんどん言葉にしましょう」
「心を込めて『ありがとう』と言うと、大方の人は喜んでくれますが、時には無反応などそっけないことも。だからといって相手を選ぶなど出し惜しみしないで。『ありがとう』は実は自分のために言う言葉で、相手の反応は関係ありません。どんな相手にも感謝を伝える、その心が自分を大きく育てるのです。不機嫌そうにしている相手よりも、笑顔で『ありがとう』と言える自分のほうがウワテ! と自信を持って」
「例えば誕生日プレゼントを送ってもらったなど、その場で『ありがとう』が言えない場合は、1~2日中にメールで伝えるのが理想ですが、それを逸したからといって諦めるのは早計です。1週間ほどなら、手紙で感謝を表すといいでしょう。しかも万年筆で丁寧に書けば、それだけ時間をかけた結果と相手も好意的に受け止めてくれるはず。それも逸した時は、旅先や、季節のイベントに合わせて一筆送るのがおすすめ」
「単に『ありがとう』と言うだけではなく、何に対して感謝をしているのか表すと、より印象アップ。ただ、それがまるで文例集のような通り一遍の言葉だと、相手に響きません。多少、敬語が間違っていたとしても、自分の言葉で表現することが大切です。その際、例えば何か手伝ってもらった時のお礼は、相手の心づかいや、その労力など、してくれた人が『手伝ってよかった』と思えるような一言を添えるといいでしょう」