季節の移り変わりや年中行事を伝えていた暦には、もう一つの側面として干支などを用いた日選びの占いがあります。この完全暦生活では日々の暦に記された内容をもとに、どのような運勢の日かを解説しています。
日々の暦解説では“自分から働きかけた際にどんな影響があるか”という主体的な面を読解の基本としています。そのため、特に何のアクションも起こすことなく普段通りに過ごしている限りは、あまりピンとこなかったり関係のない内容に思えたりすると思います。しかし、いざ自分から意識して行動に出た場合、その日の内容に思い当たる節がきっとあるはずです。その感性を大事にすると、いっそう暦を使うコツがつかめてくるでしょう。
4月の指針
挑戦意欲を適切な形で使うこと。無茶はダメ!
無謀とも言えるような計画や目標を設定する可能性が高い月です。ライバルたちとしのぎを削るような戦闘的な意味合いもあります。挑戦意欲が湧いてくる一方で、太刀打ちできない場合にはそれ相応のダメージを負うでしょう。集団でも個人でも、勝ちや実利といった成果にこだわる時期ですから、集団なら組織としての統制力やチームワーク、資金力、個人なら本人の実力が決定的に問われることになるはずです。
そして、数値目標を達成していくことや好成績を挙げることに喜びとか生き甲斐を感じられるうちはいいのですが、より強い相手や組織にぶつかると高く厚い壁のように感じ、人によっては失望や挫折を味わう恐れもあります。そのダメージで参ってしまわないうちに、潔く身を引くことも賢明な選択肢の一つです。無理のない範囲であればこうした挑戦意欲は有意義に使えますから、適度な形で生かすことが望まれます。
4月の「今日の全体傾向」
【4月10日(水)】
いろいろなことを想像して考えを巡らせやすい日です。突拍子もないことを考えがちなので、何か困っていることがある場合は慌てて一人で決めてしまわず、友達や家族などに相談しましょう。アイデアや空想で“遊ぶ・楽しむ”というくらいがちょうどよく、それらを現実の形にしようとすると相当な困難を伴うことになりそうです。
【4月11日(木)】
リーダーシップやカリスマに関係する日です。何らかの集団的な要求を通すため、あるいは個人的な矜持を守るために強く主張する人に象徴されます。多くの人にとっては、そうしたリーダーとなる人を頼り、希望を託す側になるでしょうから人選は重要です。トラブルへの対応力が高く、まとめ役として立てる人が求められる日です。
【4月12日(金)】
興味のあることを追究する際に、一般に知られている内容では満足できず、独自の考えや直感に頼る傾向が出てきやすい日です。自分を信じるといえば聞こえはいいのですが、我流のために暗中模索が続いたり、世間と違うやり方をして理解を得られなかったりする可能性もあります。それでもオリジナルや真実にこだわるでしょう。
【4月13日(土)】
普段よく一緒に過ごしている人とでさえ意思疎通がうまくいかないことはあります。言葉足らずだったり、送られてきたスタンプの解釈が難しかったり、押し黙っていたり。体裁を取り繕うことなく、お互いに本心で向き合うことは思いのほか大変です。それでも、助け合うべき関係だからこそ伝えなくてはならないこともあるはずです。
【4月14日(日)】
天気に例えると嵐のような荒れ模様が予想される日です。目標に対して妥協がなく、他を顧みずに一点突破しようとするでしょう。集中または固執によって気持ちが張り詰めやすいため、心身への負担が重くなりがちです。また、性格的にキツイ一面も出やすいので、言動の穏やかさと他者への優しさを忘れないようにしてください。
【4月15日(月)】
失敗や落ち込みからの回復を経験したからこそ、苦しみや悲しみの最中にある人や、うまくいっていない人の気持ちを理解し、サポートができるという意味の日です。この視点は、ずっと障壁なくやってこられた人には気づきにくいものなので、とても大事です。セラピーやヨガのような心や体の不調を癒すことに関係しやすいでしょう。
【4月16日(火)】
何に対しても否定してかかる思考をしていると、運命的な導きを示すメッセージ性のあることまでも蹴飛ばしてしまいます。人よりも優位に立つことに執心しているときや、出来事や人との関係性を損得ばかりで考えてしまうときには、今をありのままに受け入れられなくなりがちです。心にゆとりを持って視野を広げたい日です。
【4月17日(水)】
昨夜から春の土用に入りました。立夏を迎えるまでは季節の境目としての移行期です。そして今日の暦にも、これまでとは違う流れが表れてくるという意味があり、新しい状況に対応していく適応力や柔軟性、機転が求められています。慣れた手法やこだわりを捨てるのは大変ですが、それが必要だと判断したなら思い切りが大事です。
【4月18日(木)】
何であれ未経験のことや始めて間もないことであれば、失敗したり中途半端になったりするのも仕方のないことです。今日の暦は、めげずに繰り返すプロセスを通じてだんだんと洗練させてゆくことに関係します。最初は荒々しく雑であっても、集中し、経験を積むうちにこなれてくるもの。七転び八起きの精神でチャレンジしましょう。
【4月19日(金)】
穀雨は穀物の成長を促す雨のこと。言い方を変えれば、作物が育つ準備ができているからこその恵みの雨です。人の運命も似たようなもので、唐突に訪れたかに思える運命的転換も、その実は当人の中で新しい変化に対応していける力が育ってきたから現れたのです。「神は乗り越えられる試練しか与えない」という言葉もありますね。
【4月20日(土)】
続けてきたことの成果や、磨いてきた才能をたくさんの人たちに見てもらおうと意図する日です。承認欲求や注目されたい気持ちを上手に発散することが大切です。演出方法に凝りやすく、インパクトのある編集を入れた画像や動画をSNSに投稿したくなるかもしれません。盛りすぎには注意すべきですが、表現者の性でもあるでしょう。
【4月21日(日)】
「乗りかかった船」に象徴される日です。友達の悩みや客の要求などに深入りすると中途半端なところで放り出すわけにもいかず、行き着くところまで行く形になりやすいでしょう。苦情相談室やカウンセラー的な性質ともいえます。「旅は道連れ世は情け」の故事のように、一時のことなので協力し合える仲になることが理想です。
【4月22日(月)】
思い付きで企画の提案をしたり、仕事で知り合った人と遊びの約束をしたりと、人それぞれ普段あまりしないことをする可能性のある日です。その結果、変なテンションになって浮足立つところまでがセットですが、言ったことは行う、約束を守る、連絡や相談をし合うといった基本を忘れなければ、その出来事が活力を生み出します。
【4月23日(火)】
自分の野心や、それに伴う責任を自覚しながら積極的に物事に取り組むことを表す日です。特に商売ではその挑戦意欲が湧き上がりやすいでしょう。人のせいにできないとわかっていればこそ、情報や人脈、技術、資格などの必要と思うものは何でも求め、自分にできないことはプロの力を借りて弱点を補強しようとするでしょう。
【4月24日(水)】
こだわりや思い込み、執着、収集してきたものなどを手放すことに関係する日です。所有欲やエゴが絡むものを捨てさせられる体験といったほうが正確かもしれません。ただ、これによって喪失感などのショックを受けたとしても、抱え込んでいたものが解放されることでの前向きな心境の変化もあるはずで、悪い意味ではありません。
【4月25日(木)】
旗振り役として、みんなが目指す地点を示し続けることを表す日です。この役割を担う場合、本人は厳しいポジションに置かれることが多いのですが、目印となることで他の人がターゲットを見失うことなく動けるので重要なのです。ただし、旗振り役がコースを間違えると全体を混乱させるため、高いナビゲーション能力が必要です。
【4月26日(金)】
自分が価値を感じていることや意味があると思っていること以外に対して、批判的・反感的になりがちな日です。世間の常識や普通という表現に敏感に反応して「私はそうは思わないんだけど」という発言をする人が増えそうです。しかし、自分の思いをゴリ押しすれば他からの反感も買うでしょう。冷静さが求められる一日です。
【4月27日(土)】
長年伸ばしていた髪をとある理由でバッサリ切るような思い切りが出てくる日です。自分にも人にも嘘はつきたくなく、妥協も遠慮もない状態になりやすいでしょう。個人的なことへの決断力が強まりますが、なぜそうしたのかという理由は他の人には通じにくいので、理解されなかったとしても気にしないほうがいいでしょう。
【4月28日(日)】
現在どのような状況に置かれていても、「今この時点で学ぶべきことがあるんだな」という視点に立って受け入れると不思議と好転現象が起きてきます。意識が変わって良い方向へ動き出したことで、その内面性に呼応して外の現実が変化し始めるからです。憂えるばかりでは何も良くならないと悟り、心を切り替えることが大切です。
【4月29日(月)】
「見られることで美しくなる」というように、人々や世間に自分がどんなふうに映っているのかを意識して、外面だけでなく内面も恥ずかしくないものへと変容させていくことを表す日です。周りの人々や社会の中での立ち位置と役割を感じ取り、開かれた心で活動するとき、あなたの真価が認められ、自然と注目を集めるでしょう。
【4月30日(火)】
日常のささいなことにも感性や注意力を働かせることを表す日です。何気ない道端に珍しい植物を見つけたり、好きな音楽バンドの名前が出ている紙面を見つけたりと、関心事を追い求めているうちに無意識に察知力が高まり、アンテナのように感性が働くのです。人によっては仕事の癖がふとした拍子に出てしまうかもしれません。
監修、文・C.I. 運命学研究家。名称はCreative Imaginationの略。暦法・易・四柱推命・西洋占星術などの占術を学ぶ。運命学を人生のナビ・システムとみなし、その活用法を研究している。現在、愛猫たちと暮らす日々。
※『anan』2024年4月17日号より。写真・中島慶子(写真の日めくりの情報はイメージです。)
(by anan編集部)