「M-1という目標が大きすぎて先が見えない、その先を見たくて頑張っているのかも」という伊藤さんの静かな決意を感じさせる言葉や、「昔、1tのチョコレートをこぼした時に…」と衝撃的なエピソードを淡々と語り始める畠中さんのスケール感はぜひ誌面でチェックいただくとして、ここではオズワルドさんの撮影を機に漫才の見方が少し変わった、僕の極私的ターニングポイントを。
今回の撮影では、漫才師のアイコンでもあるサンパチマイクを小道具として用意。いつものサスペンダー衣装を着こなした二人をクールに撮り下ろしました。感動したのは、伊藤さんと畠中さんがマイクの前に歩いてきて、伊藤さんがマイクの高さをサッと調節する、さりげないその仕草。真っ白で無機質なスタジオが、一気に満員のステージに見えてくるんだから、本当に不思議です。マイク一つで笑いをかっさらう漫才師の仕事人ぶりを見せつけられた瞬間でした。
あまりにその仕草がかっこよかったため、帰ってから他の方の“マイク調節”も見てみようとネット検索すると、さまざまなお笑い芸人がマイクを調節するシーンだけを集めたマニアックな動画が。三者三様、それぞれのスタイルがあって奥が深い! あれ以来、テレビで漫才を見る時には思わず、高さを調節する仕草に注目してしまいます。個人的には、つかみの挨拶をしながら、ノールックで高さを整えるパターンが好み。例の動画、10万回以上も再生されていたので、共感してくださる方、きっといますよね…?(笑)
ちなみに、マイクの前に立ってもらった後、そのまま漫才をする様子を連写させていただいたのですが、畠中さんが3割くらいの確率で目を閉じていました。思わず伊藤さんが「目ぇ、つぶってんなあ!」と突っ込んでいたのが忘れられません(本誌ではバッチリ目が開いているカットを掲載していますのでご安心ください)。
(TN)
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