就職や部署異動など、新たな出会いが生まれるこの時期。関係性をゼロから築くために、用事がなくてもメッセージのやり取りをするのが効果的とか。
「『LINEが続く/続かない』という言い回しがあるように、連絡が途切れないことそのものが、心理的距離が縮まっている表れ。内容はそこまで重要ではなく、続けることに意味があります。さらにトーク画面を開いた時に常に上の方に名前があると、わざわざ思い出さなくても目に留まる。なにかの時に誘いやすいというのも重要です」(心理カウンセラー・五百田達成さん)
ただ、こちらから連絡する時に、相手の反応を深読みしすぎてしまうのには要注意。
「相手の気持ちを考えるのも大事ですが、無理しすぎないように肩の力を抜いて楽しみながら使いましょう」(心理美容家・愛葉香さん)
InstagramのストーリーズからのDMなら、話題に困らない。
ニュースソースへの反応で自然な会話に。
アンケートでは“ストーリーズへの反応から雑談が始まるパターンが多い”とか。「SNSは承認欲求のツール。今の自分を知らせたい、共感してほしいという心理があるので、投稿に対しての反応は嬉しいもの。ストーリーズなら、自然に話しかけられるでしょう」(愛葉さん)。「ストーリーズ機能は、その人の今がわかるニュースソースで、話を始めるきっかけに最適。実際、上がっている情報と関係ない内容を話しかけても、何も問題ありません」(五百田さん)
「ちらっ」「ひょこっ」スタンプで気軽なかまってアピール。
神妙に始めるのではなく視覚的にかわいく!
文字で声をかけるよりも、かわいい「ちらっ」「ひょこっ」といったスタンプでのちょっかいなら、プレッシャーが少ないという分析が! 「『ねぇ』とか『あのさ…』で始められると、相手は『何だろう?』とか『どうした?』なんてちょっと心配になる。探りを入れる感じよりは、ちらっとのぞくかわいいスタンプひとつの方が視覚的にも受け入れられやすいと思います」(愛葉さん)。「そもそもチャットツールなので、スタンプ程度の気軽さが理想」(五百田さん)
期間限定のポップアップなど、期限のある場所に誘う。
期限があるから相手も返事しやすい。
“映画や美術館、イベントをきっかけに誘う”という古典的テクはメッセージでも応用可。ポイントは期間限定ものを選ぶこと。「いつでも行けるものだと日にちが決めにくいので、期限があるとスムーズですね。相手も興味がありそうな提案を」(愛葉さん)。「仕事でも『取引先が休みに入っちゃうので…』など、第三者が理由なら押し付けがましくありません。期間限定で…という“言い訳”があることで誘いやすく、返事を求めやすいでしょう」(五百田さん)
共通の知り合いネタは、マナーさえ守れば心強い味方!
共通の知人経由で、相手の興味を喚起。
共通の知人を使って距離を縮めるというちょいあざとテクも。「『ご無沙汰しております』と話しかけて思い出させるよりも、共通の知人をきっかけにすれば話が早いし、相手も興味を持ちやすい。タイミングさえ合えば、かなりいいテクニックだと思います」(五百田さん)。「関係が始まったばかりの相手は、共通の知人がいた方が会う約束がスムーズに進む場合もあります。ただ、グループを作る時などは、双方に許可を得るのが暗黙のマナー」(愛葉さん)
共通のトピックの「新ネタ」は鉄板。
ポジティブな話題ならテクなしで会話が弾む。
更新されていく時事ネタは、先生たちからも高評価。「これもうまいテクだと思います。例えば『韓流ドラマの新作が配信されましたね!』とかお互いに楽しみに見ている作品があれば、『そうそう!』って話が弾むし続く。共通の話題で盛り上がると、相手の印象は良くなりやすいですから」(五百田さん)。「ゴシップなどのネガティブなものではなく、ポジティブな共通の時事ネタはどんどん使うべき! テクいらずで次も連絡しやすいはずです」(愛葉さん)
恋愛対象には取引不要。素直に挨拶するのがベター。
意味深な前置きは相手も構えちゃう!
読者の多くは“メッセージで恋愛の駆け引きはしない”のだとか。「『用事はないんだけど…』なんて変に探ろうとすると、相手も構えてしまう。前置きはせず、『○○さんお元気ですか?』と話しかけると感じがいいし、気にしてくれているのがわかりやすい。好きな人にもお友達とやっているコミュニケーションのとり方でOKです」(愛葉さん)。「意味ありげなメッセージは気持ち悪いと思われそうです(笑)。気軽に『元気?』でいいのでは」(五百田さん)
愛葉 香さん 日本心理学会認定心理士、心理美容家として活動。国際線の元CAの経験を生かして、企業イベントや結婚披露宴などの司会として活躍している。
五百田(いおた)達成さん 作家、心理カウンセラー。セミナー、講演、執筆など多岐にわたり活動中。著書に『超雑談力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほか多数。
※『anan』2021年4月21日号より。イラスト・いいあい 取材、文・若山あや
(by anan編集部)