安田:柴田さんは、何かサブスクって使ってますか?
柴田:正直サブスクが何か、いまいちわかっていないのですが、思い当たるのは、〈Apple Music〉と、あと〈乗換案内〉というアプリのプレミアサービスに、毎月いくらか支払っています。
安田:その2つは典型的なサブスクのサービスですね。日本では2015年に、映画などのサブスクサービスの〈Netflix〉と、洋服借り放題サービスの〈エアークローゼット〉が始まったことが、ブレイクのきっかけだと思います。
柴田:え! 〈Netflix〉もサブスクなんですか?
安田:はい。〈Hulu〉も〈Amazon Prime〉なんかもそうですね。
柴田:私それ全部使ってます。
安田:“ある期間ごとに定額で払う”ことで、“そのサービスを利用できる”というのは、サブスクなんですよ。ただこの辺りのデジタルサービスはサブスクが話題になる前からあり、無意識に使っている人のほうが多いかもしれませんね。柴田さんが使っている〈Apple Music〉もそうなんですが、幅広いコンテンツをリーズナブルな価格で楽しめる、というところは、サブスクの長所の一つだと思います。雑誌の〈dマガジン〉なんかもそうですね。
柴田:〈Netflix〉は、800円で映像作品がいくらでも見られて、すごいなぁって思います。
安田:しかも最近はオリジナルコンテンツも充実してきているので、そういう意味で、ますますお得だと思います。ちなみにエンタメ系のサブスクは、デジタル配信でのサービスなので、企業側もサブスクにしやすかったのですが、そのスタイルは、洋服やバッグ、家具などにも広がっていまして…。
柴田:お洋服だと、〈メチャカリ〉とか、CMをよく見ます。
安田:そうそう。あとバッグの定額利用の〈ラクサス〉とかもありますね。それは私も使っているのですが、毎月定額を払うことで、自分のものにはなりませんが、好きなアイテムを着たり、持ったり、使ったりできる。身軽に暮らせるというメリットもあります。
柴田:これ、レンタル期間が決まっていたりするんですか?
安田:サービスによって異なりますが、基本的には好きな期間借り続けられるところが多いですね。でも洋服もバッグも、買ったとしても5年10年ずーっとお気に入りのものって、少なくないですか?
柴田:そうですね…。売っちゃったりもしますし…。
安田:ですよね。でもそんなに高い値段で売れなかったりもするじゃないですか。そうすると、好きなものをいろいろ試せるほうが、お得かなって思うんです。その中で、好きなものに出合ったら、買えばいいわけですし。
柴田:長い目で見ると、確かにお得かも…。あと正直私たちの世代は、素敵なものは使いたくても、所有欲ってあんまりなくて。そういうものを買うのにお金を使うなら、旅行とか、美味しいものを食べるとか、経験にお金を使いたいって気持ちが強いかもしれません。
安田:サブスクって、まさにそういう世代に合うサービスな気がします。事実、18歳~20代の人たちに行った調査では、比較的高所得で好奇心旺盛な人たちがサブスクをよく利用している、という結果が出たんですよ。
柴田:興味深い結果ですね。
安田:あと、これはほとんどのサービスに言えるのですが、企業側からすると、サブスクは“売って終了”ではなく、顧客にサービスを使い続けてもらうビジネスモデルなんです。企業側は、使い続けてもらうことで顧客の利用状況のデータが蓄積されるので、AIを使いそのデータを分析でき、それによってお客さん一人一人に合った商品が提供できる、というサービスも。そのきめ細かさは現代のサブスクの特徴ですね。例えば@コスメがやっている〈BLOOMBOX〉というビューティアイテムの定額購入サービスがあるんですが、肌の悩みなどを登録できるので、それに合わせたアイテムを入れてくれたりも。そういうパーソナルなサービスは、これからどんどん増えてくると思います。ちなみに定額購入サービスも最近活発化していて、厳選された美味しいフードを定期的にお届け、みたいなものも人気です。
柴田:わぁいいなぁ! 食べるのが好きなので、すごく気になる!
安田:いずれも定額より高いバリューの品揃えなのは当たり前で、さらにその道のプロが選んだ商品であるところも価値ですよね。自分で探す手間なく、最新だったり、厳選された品が届くというのも、最近のサブスクの特徴です。
柴田:でも、一つ一つのサービスはそんなに高くないので、ついついあれこれ申し込んじゃって、結果、結構な出費に…ってことになりかねない気もします…。上手に使いこなすコツってありますか?
安田:当たり前のことですが、申し込みのときには規約をちゃんと読むこと。例えばサービススタートが月頭の場合は、月半ばに申し込むと損をする、といったことがありますからね。それから、定期的に見直す日を作るのもいいと思います。月末でも月初でもいいですが、今使っているサービスは、自分に新しい何かをもたらしてくれているか、または本当に使いこなしているかを確認する日を作る。サブスクはどれもやめるのも再開も簡単ですから、必要ないなと思ったら一回やめてみる。定期的に冷静に判断することは大事だと思います。
柴田:私まさにそれです。1つ、全然見ていない映像サービスがあるんですが、面倒くさくて解約してない…(笑)。見直します!
やすた・ゆみこ(写真右) 1998年電通入社、2016年より電通デジタル。大手企業を中心にマーケティングコミュニケーション戦略構築・実施に従事。現在はプロデューサーとして活躍。サブスクリプションサービスに詳しく、セミナー・寄稿実績多数。
しばた・ひかり(写真左) 1997年生まれ、神奈川県出身。様々なファッション誌や広告、イベントで活躍中。フォトグラファーとしての一面もあり、写真展なども開催。クリエイターとしても活動中。インスタグラムは@rkhtbs
※『anan』2019年5月29日号より。写真・中島慶子 取材、文・河野友紀
(by anan編集部)
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