キャッシュレス化が進む。
→堀さんの分析:小銭、口座からの引き出し、手数料。電子決済でそれらから解放されます。
堀:SuicaやモバイルSuicaなど電子マネーの登場で、小銭を出す必要もなくなり、だいぶ便利になりました。
五月女:私はまだ、カードタイプのSuicaを使っています。
堀:いままでは、いちいちカードに現金をチャージするという手間がかかっていましたが、これからはスマホ一つで、自分の銀行口座やクレジットカード会社から直接決済する仕組みが進むでしょうね。僕なんかは最近、財布に現金はほとんど入っていません(笑)。
五月女:さすが! 時代に乗ってますね! やはり便利ですか?
堀:たとえばタクシー。タクシー配車アプリをまず起動し、自分のいるカフェに15分後に来てもらうように頼みます。カフェの支払いもスマホのクレジットカードか交通系の電子マネーでピッ! タクシーはアプリで呼んだ時点で自動的に決済されるので、目的地に着いたらそのまま降りればいい。これまで道で空車を探したり、店やタクシーの会計に使っていた時間をまるまる有効に使えます。
五月女:すごいですね! でも、それって、スマホを落としたら大変なことになるのでは?
堀:それは、財布を落とすのと同じです。ただ、財布の場合は現金を抜き取られたら戻ってきませんが、スマホなら電子化されているので悪用されにくいです。自分が決済していないことが証明できれば引き落とされませんし。
五月女:逆に安全なんですね。
堀:キャッシュレスの究極の形は無人化店舗。アメリカでスタートした「Amazon Go」では、Amazonのアプリを起動して、無人の店舗に入り、自分が欲しい商品を袋に入れてそのまま出れば、自動的に決済されるんです。
五月女:なんだか、万引しているみたい(笑)。なぜそんなことができるんですか?
堀:店内に何台もカメラが設置されていて、どの商品を取ったかがわかるんです。商品は、Amazonでレビューの高いものを陳列していますから、売れるものばかり。日本にはまだありませんが、きっと世界中に出店するでしょう。人手不足が解消されますし、人工知能が販売動向を調べて、仕入れを無駄のないように調整することも可能になります。無人店舗は、実験的にJR赤羽駅ホームのキオスクでも導入されたんですよ。
五月女:お話を聞いていると、キャッシュレスってすごく便利だと思うんですが、「お金を使う」という意識を子どもにきちんと教えられなくなる気がして、心配になります。
堀:お金の価値観は変わるでしょうね。これまではお金に固執させられていたんだと思います。でも、今後は単に取引のための契約のサインのようなものに。お金よりも信用や人脈のほうが重要になるでしょうね。支払い能力や実績はすべて明快になりますから。
五月女:確かに。データ化されて嘘やごまかしが利かなくなるし、秘密がなくなっちゃいそう!
Japan Taxi & LINE Pay
タクシーもスマホでピッ! が主流に。
タクシーの手配や予約、キャッシュレス払いのできる配車アプリの先駆け「Japan Taxi」。決済機付きタブレットも現在、都内で5500台のタクシーに導入されている。12月から「LINE Pay」での支払いも可能になり、より便利に。年内は最大500円還元キャンペーン中。写真提供・LINE Pay
Amazon Go
商品を手に取り、店を出るだけ!
ゲートにスマホをかざして入店。店内にレジはなく会計に並ぶ必要もない。現在、Amazon本社のお膝元、シアトルに3店舗とシカゴ、サンフランシスコにもオープン。ニューヨークやアメリカの主要な空港への出店も計画中とか。残念ながら日本での展開は未発表。©Newscom/アフロ
JR赤羽駅無人決済店舗
日本版無人店舗はSuicaで決済。
’17年11月の大宮駅に続き、’18年10月17日~12月14日に赤羽駅5、6番ホームで、AI無人決済システム「スーパーワンダーレジ」を導入した特設店舗の実証実験が行われた。Amazon Goと違い、アプリの事前登録不要。入店と決済を交通系電子マネーで行う。©ZUMA Press/アフロ
堀 潤さん(写真左) ジャーナリスト。「8bitNews」代表。「GARDEN Journalism」主宰。『モーニングCROSS』(TOKYO MX)ほか、レギュラー多数。
五月女ケイ子さん(写真右) イラストレーター。ツイッターは@keikosootome。楽しいグッズ満載のオンラインストア「五月女百貨店」は@sootomehyakka。
※『anan』2019年1月2・9日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 取材、文・黒瀬朋子
(by anan編集部)
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