障害も個性。正しい対応を理解すれば、豊かな共存社会に。
発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、ADHD(注意欠陥多動性障害)など、脳機能の障害の総称で、「通常低年齢に発現するものとして政令で定めるもの」と定義されています。自閉症は、ある種のものに対して強いこだわりを持つ、相手の気持ちを察するのが困難、ADHDは落ち着きがなく気が散りやすい、衝動を抑えるのが苦手など、それぞれ特徴があります。ただ問題は、それらが障害なのか本人の気質によるものなのかわかりにくいこともあり、周囲の理解がないために集団生活でトラブルが生じるということです。子どもの場合、間違った対応により悪化することもあるので、早期発見・早期治療が大事といわれています。
発達障害という概念が日本に入ってきたのは1970年代。2004年に発達障害者支援法ができ、具体的な法整備が始まり、市町村に支援センターが作られました。5年前の文科省の調査によると、知的発達の遅れはないものの、学習面、行動面で著しい困難を有する児童生徒の割合は6.5%。40人学級に2~3人なのだそうです。
ただ、発達障害の子を持つお母さんに取材すると、法が整備されても、疎外される風潮がぬぐえないという声が聞かれます。カミングアウトしたとたん、子どもが学校でいじめられたり、近所付き合いが疎遠になったり。「発達障害もひとつの個性と認めてほしい」とその方は言っていました。たとえば、相手が自閉症ならば、「いま、私は怒っているんですよ」とか、はっきりと気持ちを言葉にして伝えるなど、対処の方法を知ればよいのではないでしょうか。エジソンやアインシュタインも発達障害だったといわれ、ある分野で突出した才能を発揮される方も少なくありません。まずは、発達障害に対する正しい知識を持ち、理解を示すことが大事なのではと思います。
発達障害に関しては、文科省のHPにも詳しい情報が載っています。また、発達障害の子どものための療育型保育園を運営し、子どもとその親のサポートをしているNPO法人「発達わんぱく会」の活動なども、知識を深める参考になるかもしれません。
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