秋の味覚“きのこ”のごちそうレシピをご紹介。きのこは今回、冷凍させて一工夫してから調理。料理研究家の木田マリさんによると「冷凍すると、きのこの細胞膜が壊れて旨味成分や栄養が外に出やすくなり、料理の風味や体への栄養吸収率も上がるのが魅力」とのこと。冷凍きのこをおいしく食べるための簡単レシピとは?
Index
冷凍きのこ
いつでも使える手軽さに加え、冷凍することで吸収効率も上がる。さらにグアニル酸などの旨味成分が増え風味もアップ。「カサは残るので、ボリュームが欲しい料理に最適。そのまま加熱調理をすれば解凍する手間なく、濃い旨味を料理に生かせます」(料理家、栄養士・田村つぼみさん)

作り方
きのこは洗わずに、石づきを除き食べやすいサイズにして、ジッパーバッグに入れて冷凍。余裕がある時は、バットに並べて急速冷凍してから袋に移せば、余分な水分が飛んで、よりおいしく仕上がる。2週間で使い切るのがベスト。
4種のきのこのレンチンマリネ

冷たくても、温かくても美味。冷蔵庫に常備したいお手軽マリネ。
使用したきのこ:ぶなしめ、えのきたけ、椎茸、マッシュルーム
酢、塩、砂糖を入れてレンジでチンするだけで、きのこの食物繊維+お酢の疲労回復効果を食卓に取り入れられる。常備菜として多めに作り、肉や魚の付け合わせや副菜に。バゲットにのせればワインのおともにもなります。
材料/作りやすい分量
お好みの冷凍きのこ…400g(今回はぶなしめじ・えのきたけ・椎茸・マッシュルームを約100gずつ使用)、A[お酢…大さじ3、砂糖…小さじ2、塩…小さじ2/3]
作り方
1、冷凍きのことAを大きめの耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジ(600W)で5分加熱する。
2、ざっくりと混ぜて、そのままさらに5分加熱する。よく混ぜて粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やして完成。お好みで、パセリ(分量外)をふる。
エリンギと舞茸のグラタン

大きめサイズのきのこが目にも豪華で食べ応え満点。秋のクリーミーグラタン。
使用したきのこ:エリンギ、舞茸
大きめのエリンギ、舞茸、じゃがいもが、食べ応えとおいしさを叶える。ビタミンD豊富なきのこが牛乳&チーズのカルシウム吸収を助け、栄養面でも理想のコンビ。ベーコンの塩気がアクセント。
材料/3~4人分
冷凍エリンギ…100g、冷凍舞茸…100g、ブロックベーコン…80g、じゃがいも…2個、オリーブオイル…小さじ1、水…1/2カップ、牛乳…2/3カップ、シュレッドチーズ…60g、塩、こしょう…各適量
作り方
1、ベーコンは5mmほどの厚さで食べやすい大きさに切る。じゃがいもは皮をむき大きめに切る。
2、フライパンにオリーブオイルとベーコン、じゃがいもを入れ、両面返しながら全体に焼き色をつける。焼き色がついたら、水と冷凍エリンギ・舞茸を加え、じゃがいもに竹串が刺さるまで煮込む。
3、牛乳とシュレッドチーズ(半量)を加えて全体を馴染ませ、お好みで塩こしょうで味を調える。
4、耐熱容器に3を流し入れて、残りの半量のチーズを全体にかけてトースターやオーブンで焼き色がつくまで焼く。
マッシュルームと牡蠣のアヒージョ

濃い旨味と栄養が体に沁みわたるマッシュルーム×牡蠣のコンビ。
使用したきのこ:マッシュルーム
冷凍マッシュルームと牡蠣の濃厚な旨味を含んだオイルも、パンにつけて余さずいただきたい、ごちそうアヒージョ。マッシュルームも牡蠣も代謝や免疫機能を助ける亜鉛が豊富な食材。おいしく食べて風邪対策にもなる、ごちそうメニュー。パスタを絡ませても美味。
材料/2人分
冷凍マッシュルーム…100g、冷凍牡蠣…150g、ニンニク…2~3かけ、オリーブオイル…大さじ5、塩…小さじ1/4、フランスパン…適宜
作り方
1、小鍋に薄切りにしたニンニクとオリーブオイルを入れて、弱火で香りが出るまで加熱する。冷凍マッシュルームと冷凍牡蠣を加えて解凍しながら煮込む。
2、全体に火が通ったら塩を加えて味を調える。牡蠣により塩味が加わるので味を見ながら少しずつ調整する。煮汁に旨味が出ているので、フランスパンにつけて食べたい。
お話を伺った方々
Profile
木田マリ
料理研究家、フードコーディネーター。女子栄養大学非常勤講師。きのこ料理に詳しく、きのこ学会代議員、きのこマイスターとしても活躍している。著書に『からだにおいしいきのこ料理115』(理工図書)などがある。
田村つぼみ
料理家、栄養士。著書『体が勝手に元気になる だる消しスープ』(アスコム)などをはじめ、女性誌を中心に体に優しい料理を提案。駒込のキッチンスタジオの隣で、カフェ『fudangohan』を運営。
anan 2469号(2025年10月29日発売)より



























