2025年に注目を集めたフードを専門家がナビゲート。ananトレンド大賞2025、フード部門から“ガチタコス”に注目します!
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【ガチタコス】メキシコの味の虜になる人続出。ついに“タコス元年”が到来!
生地はやわらかく、香り豊か。華やかな見た目にも夢中
長年日本で親しまれてきたタコスといえば、U字型のパリパリの生地にレタスやミンチ肉などが挟まれたタイプのもの。
「これはいわばアメリカンスタイル。先の大戦後、米軍経由で沖縄から全国へと波及しました。メキシコ料理が根付いたテキサスで独自の発展を遂げた「Tex-Mex」と呼ばれるアメリカのタコスが日本では一般的なタコスでした。一方、いまブレイクしているのは、本場メキシコの流れを汲むタコスです。生地のトルティーヤの原料は基本的にはトウモロコシで、豊かな香りと食感がやわらかいのが特徴です」
そう話すのは、ブームに先駆け“ガチタコス”の魅力に気づき、研鑽を積み、2019年に『Tacos Mercado』を開いた吉川孝一郎さん。ずばり「今年はタコス元年」と宣言する。
「一つは、メキシコの食材が手に入りやすくなったこと。それで数年前から本格的なタコスの店が増え、美味しいトルティーヤのベースはできている。本場のスタイルをもとに、和の食材を取り入れるなどの新たな試みも登場しています。さらに、華やかでSNS映えもよく、一つの食文化として定着しそうです」
SUMMARY
・タコス店が増え、美味しいトルティーヤの基礎が確立。
・和の食材とのミックスなど日本で独自に進化中。
・彩り鮮やかな見た目でSNS映えもバッチリ。
数年前から本場メキシコのタコスを日本でも提供する店が少しずつ増え、その勢いは年々加速。本場のタコスはトウモロコシを原料としたトルティーヤが特徴で、その製法が確立。近年は、和の食材とのミックスも登場。SNSを介して話題をさらっている。
自家製トルティーヤで作るカルニータスは必食!

シェフ・小澤懸人さんが注文を受けてから一枚一枚丁寧に焼く自家製のトルティーヤが自慢。タコスは6種類で一番人気は〈カルニータス〉3ピース¥1,375。「肩ロースや軟骨など豚肉のさまざまな部位を煮込んだ、食感から楽しめる一品。古民家を改装した落ち着いた雰囲気の店内で味わえます」
『メキシカンバル MAYO』東京都目黒区祐天寺2-3-12 TEL. 03-6452-2671 水・木曜18:00~23:00(22:15LO)、金曜~24:00(22:00LO)、土曜15:00~24:00(22:00LO)、日・祝日15:00~22:00(21:15LO) 月・火曜休
アメリカでも流行中のビリアタコスはこの店で

スポーツ観戦ができるタコス店。看板メニューは、牛肉とチーズをたっぷり挟んだタコスをピリ辛のスープにつけて食べる〈ビリアタコス〉1ピース¥650。テキーラとの相性も抜群。「今年2月にオープンしましたが、最近の新店のなかでもビリアタコスはここが一番です。アメリカでもいま流行っているタコスで、ぜひ一度美味しい店で食べてみてほしいですね」
『CIELO'S MEXICAN』東京都北区赤羽2-43-2 川田ビル1F TEL. 090-1244-6393 15:00~23:00(22:40LO、土・日曜12:00~) 無休
焼きたてのトルティーヤでいただくタコスは15種類

シェフの香川恭太さんは、学生時代にメキシコに留学。帰国後は吉川さんの店で働き独立。“日本ナイズ”したメキシカンタコスを提供する1号店がたちまち行列となり、今年5月に2号店がオープン。「タコスが15種類と豊富。焼きたてのトルティーヤが食べられるのも魅力」
〈チョリソー&アボカド〉¥500 〈ポーク・カルニータス〉¥500 〈スパイシー・えびアボカド〉¥600。『タコス専門店 tacos trap' 2号店』東京都新宿区新宿1-18-12 柳田ビル1F TEL. 03-5990-2434 12:00~23:00(22:30LO) 無休
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Profile
吉川孝一郎
タコスナビゲーター。トルティーヤ研究家や、花小金井のメキシコ料理店『Tacos Mercado』の店長の顔も持つ。SNSやメディアで、タコスやメキシコ料理の解説、認知を広める活動を行う。
anan 2467号(2025年10月15日発売)より