スイーツライターのchicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『オクシタニアル』のプリンとリーフパイ蓼科です。


ぎりぎり固体というくらいの柔らかさで繊細にとろける「プリン」432円。長野産ヘーゼルナッツの香ばしさに満ちた「リーフパイ蓼科」1枚250円。「近所にお子さんが多いから」とトップパティシエのお菓子を、このご時世にこの価格に抑えてくれているのも嬉しい!

『オクシタニアル』はバームクーヘンでお馴染み、『クラブハリエ』のパティスリーだったけれど、長くシェフパティシエを務めた中山和大シェフがその名を継いで6月に独立、移転オープンさせた。南仏ムードや生菓子の華麗さはそのままに、お菓子の世界大会で3度日本代表として活躍した彼がいま追うのは、素材を生かしたおいしさ。ショーケースの色彩の中で堂々、素の魅力を放つのは紙カップのプリンだ。紙ならガラスや陶器より軽く持ち運びやすいし捨てるのも楽なうえ、容器代の分、より良い素材を使えると、乳味と旨みが生きる低温殺菌の牛乳を選択。その良さをスチームコンベクションオーブンでより際立てる。「湯煎が熱湯風呂ならこれはスチームサウナ。さらに紙だから熱が伝わりにくく、火が穏やかに入るんです」。掬うとフルフルと儚い柔らかさで、口にするとたちまち溶けてしまう。あれ、生クリーム入りだっけ? と混乱するほどまろやかだけど、やはり牛乳らしく後味はすっきり。

また、中山シェフの地元、長野産のヘーゼルナッツのリーフパイも衝撃。注文後に殻を割り届けられるナッツを、石臼挽きローラーで自分たちで挽く挽きたてがたっぷり入るのだから贅沢。ザクザクハラリ、フレッシュなヘーゼルナッツの香りがもう至福。素材感たっぷりなお菓子は、お菓子好きはもちろん、近所の子供たちや手土産を求めるビジネスマンにも、早くも刺さっているみたいだ。

Profile

チコ

スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。

Information

オクシタニアル

東京都中央区日本橋浜町3-3-1 トルナーレ日本橋浜町1F TEL. 非公開 11:00 ~18:00  水曜休ほか不定休あり(確認はInstagramにて) Instagram:@occitanial

写真・清水奈緒 スタイリスト・官野亜海 取材、文・chico

anan 2459号(2025年8月20日発売)より
Check!

No.2459掲載

シェアする暮らし 2025

2025年08月20日発売

ビューティ、ファッションなど様々なジャンルごとに「これいいよ!」なコト・モノをリサーチ。美容は吉田朱里さん、ファッションは俳優の花瀬琴音さんとスタイリストの伊藤信子さん、フードではぼる塾の田辺智加さんに、みんなと情報をシェアしあい、自分自身をアップデートしていくことの醍醐味も伺いました。

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私的な理由や感情論によらず、今この時点で必要だと考える(もしくは直感する)ことを行うという、どこか割り切った感のある日です。私情を挟むことでひいきが生じ、判断の目が曇ってしまうのなら、それは将来の禍根となり得ます。そのため、ここでは現状と今後のトータルバランスを考えた賢い選択をするほうがいいはず。

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