お菓子な宝物

chicoの“お菓子な宝物”『sarkara(サルカラ)』のレモンケーキほか

フード
2024.12.18

スイーツライターのchicoさんがおすすめスイーツを紹介する「お菓子な宝物」。今回は『sarkara(サルカラ)』のレモンケーキほかです。

右皿・マドレーヌは右上から時計回りに、3種のピスタチオを使い分けた(生地には香り高いイタリア・ブロンテ産、表面にはカリカリ香ばしいスペイン産、トップのキャラメルにはイタリア産)「ピスタチオキャラメル」¥430。「カカオミルク」「金胡麻プラリネ」各¥420、「フレーズバジル」¥390、「バニーユ」¥360。左皿・ナッツを使わず3種のチョコを練り込み、ねっちり仕立てた「ブラウニー」1本¥460。下皿・「sarkaraのレモンケーキ」3個入り¥1,280。『GLITCH COFFEE & ROASTERS』のシングルオリジンコーヒーとどうぞ。

「優しい場を作りたかったんです」。そう話す大井博司シェフが始めるのは、コーヒースタンドもあるお菓子屋。『モンサンクレール』で長年腕を磨き、『ル ショコラ ドゥ アッシュ』ではスーシェフを務めた彼だけに、もちろん生菓子は並べつつ、メインは焼き菓子にするという。ふらっと立ち寄ってマドレーヌ一個とコーヒーで癒されたり、大切な人を思ってギフトを探したり。目指したのは日々をお菓子とともに豊かに過ごせる場所、なのだ。

『sarkara』の焼き菓子はどれも、甘さの中にしみじみとした旨みがある。聞けばお菓子ごとにブラウンシュガーなど数種の砂糖を違う割合でブレンドするほか、あちこちに工夫が潜んでいるよう。レモンケーキなら「生地をレモンやベルガモットなどのシロップに、サヴァランみたいに漬け込むんです」。かじるとサクッと崩れる甘酸っぱいグラスアロー(糖衣)に生地がとろけるようにジューシー! ちりばめられた瀬戸内レモンのピールも噛むほど香りたち、弾けるような清々しさを生姜のキレがそっと後押ししてくれる。アーモンド粉たっぷりのマドレーヌは、さくりとしつつかつてない口溶け! 種類豊富な中でもシンプルな「バニーユ」は格別で、ラム酒がバニラの底力を引き出し、たまらなく芳醇。この焼き菓子の幸せ、一度味わったらもう抜け出せない。

PROFILE プロフィール

chico

チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。

INFORMATION インフォメーション

sarkara

東京都世田谷区下馬2‐36‐1 TEL:03・6804・0646 10:00(コーヒースタンドと一部焼き菓子は8:30)~19:00 月・火曜休 ※12/14オープン

写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・chico

anan 2426号(2024年12月11日発売)より

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