【京都】職人の手仕事光る、夏に似合う干菓子も! 老舗の和菓子6選

フード
2024.07.14
夏の意匠を映し取った限定菓子から、祇園祭のための“棹物”まで。京で長く愛され続けてきた、老舗の和菓子に改めて注目したい。

【京の銘品】目にも麗しいお菓子

亀屋良長の涼風

京都 お菓子 お土産

小箱に並ぶ琥珀糖のうちわに、メッセージカードを添えて。
敷地内に湧く名水・醒ヶ井水を使い、220年にわたって菓子を作り続ける老舗。真夏限定の涼風は、うちわをかたどった琥珀糖が小箱に並ぶ。寒天製で外はしゃりっと、中はほろりと優しい口あたりの琥珀糖は、その透け感が夏に似合う干菓子。職人の手仕事による花火の模様が付けられて、愛らしさもひときわ。京都のテキスタイルブランド『SOU・SOU』によるメッセージカード付きも嬉しい。7月10日頃~8月15日頃まで。¥1,296。京都本店/下京区四条通油小路西入ル柏屋町17‐19 TEL:075・221・2005 9:30~18:00(茶房11:00~17:00) 無休

鍵善良房の甘露竹

京都 お菓子 お土産

ふわりと香りたつ青竹の、瑞々しさとともに味わう水羊羹。
くずきりや菊寿糖で知られる祇園の老舗菓舗。その夏を代表する菓子が甘露竹。青々とした竹に流し込まれているのは、選び抜いた小豆と寒天とで作る水羊羹だ。よく冷やし、青竹にうっすらと露が浮かべば食べごろ。笹の葉の蓋を取り、節に穴を開けて軽くゆすれば、つるんと水羊羹が顔を出す。口にすればすっと溶け、こしあんの余韻が残るはかなさが上品。9月中旬頃まで。1本¥400。四条本店/東山区祇園町北側264 TEL:075・561・1818 9:30~18:00(喫茶10:00~18:00、17:30LO。LOは早まる場合も) 月曜(祝日の場合は翌日)休

亀屋則克の浜土産(はまづと)

京都 お菓子 お土産

京の街に海風をそっと届ける、琥珀羹をしのばせた趣ある蛤の姿。
初めて見て、これが和菓子だと思う人はいないかもしれない。ぴったり閉じた貝殻を開けると、一粒の浜納豆が浮かぶ鮮やかな琥珀羹が現れる。浜納豆とは味噌に似た味の発酵食品のこと。まるで海辺から遠く離れた京の街へ届けるおみやげのような浜土産は、大正時代に初代が考案した夏だけの菓子。浜納豆の塩気が琥珀羹の甘さを際立たせ奥深い味わいとなっている。空いた方の貝殻を使って掬って食べるのも、素朴で風情を感じる楽しみ方。9月中旬まで。1個¥470。中京区堺町通三条上ル TEL:075・221・3969 9:00~17:00 日・祝日、第3水曜休

京菓子司 金谷正廣の香魚

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塩焼きの鮎さながらの姿がリアル。落雁とこしあんとで作る半生菓子。
和菓子界で鮎といえば、カステラ生地に求肥を包んだものが一般的。ところが同じではおもしろくないと40年ほど前から作られるようになった香魚は、塩焼きの鮎を模したもの。大和芋を使った落雁であんを包み、木型で鮎の形に。生きた鮎のように竹串を刺したら、尾やヒレの化粧塩の代わりに砂糖を付け、焼き色を付けて仕上げる。あんには海苔を加え、川魚のイメージに近づけたという。江戸末期創業の老舗とは思えない、ユニークさが魅力。9月中旬まで。1個¥380。上京区下長者町黒門東入吉野町712  TEL:075・441・6357 9:00~18:00 水曜休

末富の懐中善哉

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平安時代から受け継がれる送り火を菓子に見立てた心を大切に。
もち米を使ったもなかの皮に、乾燥したあんを入れた懐中汁粉。器に割り入れて熱湯を注げば、皮はとろりと餅のようになり汁粉ができあがる。暑い季節に熱いものを食べて、暑気を払うための夏の菓子のひとつ。『末富』に夏の1か月間だけ登場するのが、毎年8月16日に送り火が灯される五山をモチーフにした懐中善哉。半円のもなかを山に見立て大文字、妙法、船形、左大文字、鳥居形の焼き印を付けている。7月17日までは祇園祭のモチーフを販売。7月18日~8月16日。¥3,780。下京区松原通室町東入 TEL:075・351・0808 9:00~17:00 日・祝日休

亀廣永のしたたり

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祇園祭・菊水鉾の茶席用に作られた黒糖の風味が印象的な琥珀糖。
京都の夏といって、真っ先に思い浮かぶのが7月の1か月間にわたり繰り広げられる祇園祭。絢爛豪華に立ち並ぶ山鉾のひとつ、菊水鉾の茶席のためにと作られたのがしたたりの始まり。菓子の名は、菊の葉の露を飲み長寿を保ったという中国の伝説「枕慈童」に由来する。菊の葉からしたたり落ちる露をイメージして、菓子の名が付けられた。ぷるんと弾力があり滑らかな琥珀羹は、透けた姿が涼やか。黒糖をはじめ数種類を使った砂糖のコクが味わい深い。¥1,300。中京区高倉通蛸薬師上ル和久屋町359 TEL:075・221・5965 9:00~18:00 日・祝日休

※『anan』2024年7月17日号より。写真・福森クニヒロ 文・大和まこ

(by anan編集部)

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