アミューズからデセールまで、フレンチのフルコースがショコラに。と聞いた瞬間、食べてみたい! と惹かれた。ただ正直、ショコラとして美味しいの? と不安もあったが、そんなのは一口で吹っ飛んだ。生ハムもフォアグラもしっくりと珠玉のショコラになっている。それもそのはず、手がけるのはフレンチの巨匠ジョエル・ロブション氏の子息、ルイ・ロブションさん。世界の食材を味わい、研ぎ澄ました感覚×ロブション出身ショコラティエのタッグが最高の一粒を叶えている。
コースは「白トリュフ&コンテチーズ」で幕開け。「ロブション伝統のアミューズのオマージュです。伊・アルバ産白トリュフからエキスを抽出、刻んだトリュフも加えます」とルイさん。齧るとふわり広がるトリュフ香を長期熟成のコンテチーズが妖艶に彩り、カカオの香りと蕩けてしまう。メインはロブションのスペシャリテ、「牛ヒレ肉とフォアグラのロッシーニ風」を映す一粒。上質な仏産フォアグラをパテにしてガナッシュに混ぜ、パーカーポイント(※)100点のヴィンテージポートワインを煮詰めてソースに(3つ星レストランでも前代未聞の贅沢!)。チョコの牛肉的などっしり感にフォアグラのコク、ソースの華やぎが重なり旨みが炸裂。少しズレたら成立しない繊細なバランスを捉えたショコラは、まさにガストロノミック!
※パーカーポイント……世界的に有名なワイン評価値
フレンチのフルコースのように順にいただく、「エクラ・ドゥ・ショコラ“ラ・ガストロノミー”」4個入り¥4,000。左から、トリュフの気高くもナチュラルな余韻が続く、アミューズ・ブーシュ「白トリュフ&コンテチーズ」。前菜「プラリネ“イベリコ・ベジョータ”」は、スペイン・ギフエロでどんぐりだけを食べて育つ最上級豚の生ハムと胡桃の甘じょっぱいプラリネ。メイン「フォアグラ~ロッシーニ仕立て~」。「子供の頃、父がよく作ってくれた思い出の味」をショコラ化した、デセール「クレーム・ブリュレ」。料理とお菓子の枠を超えた、かつてないショコラ体験を。
Eclat de Chocolat Louis Robuchon 東京都渋谷区神宮前5‐3‐13 TWIN PLANET North BLDG 1F TEL:03・6427・1402 12:00~19:00 火曜休
チコ スイーツライター。大人気のガイド本『東京の本当においしいスイーツ探し』(ギャップ・ジャパン)シリーズ監修。
※『anan』2024年5月29日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・野崎未菜美 取材、文・chico
(by anan編集部)