だるさや疲れのもと、糖質を減らす。
食欲もないし、手の込んだ料理も面倒…と、さっぱりした麺類などに偏りがちなのが夏のごはん。栄養コンサルタントの杉山明美さんによれば、こうした糖質の多い食事も、夏の疲れの一因と言う。
「糖質に偏った食生活は、エネルギー代謝に必要なビタミンB群を消耗するだけでなく、血糖値の急激な上昇と下降、“乱高下”を引き起こします。すると自律神経がついていけなくなり、それが空腹時のイライラや、食後の眠さやだるさを引き起こします」
特に、ランチ後に眠気を感じやすい人は注意したい。
「糖質は、カラダを動かすエネルギー源として朝は適量を摂るべきですが、デスクワーク中心なら昼間は多く摂る必要はない。脳を働かせるのに必要なタンパク質やビタミン、ミネラルが豊富なおかずを多く食べる必要があります」
まずは昼食の食べ方を見直し、糖質過多の食生活から脱却を。そして、ひとつ気をつけたいのが、カフェイン。
「外気温と冷房の効いた室内の温度差でカラダにかかったストレスを軽減するのは、副腎から出るコルチゾールというホルモン。カフェインには、副腎を刺激してコルチゾールの分泌を促す性質が。日中にコーヒー1杯程度なら問題ないですが、副腎を疲れさせないためには、大量に飲むのは避けて」
麺類は麺を減らして具を増やす。
休日の昼ごはんに活躍する、冷たいさっぱり麺。これも、「麺の量は控えめに。ひと皿完結ではなくおかずを増やしたいところですが、それが面倒なら具をたっぷりとのせましょう。例えば冷やし中華なら、ハムや卵、きゅうりの量を通常の倍に。そうめんもぶっかけ麺にして、ツナなどのタンパク質を加えるのがおすすめです」。
丼ものは小鉢いろいろの定食に。
外食でのランチ、どう選べば糖質過多にならない? 「丼ものやパスタなどひと皿完結の料理は避けましょう。代わりに選びたいのは主食の量を調節しやすい定食やセットメニュー。メインと、小鉢や付け合わせ、汁物などを組み合わせて、糖質を控えつつ必要な栄養素をしっかりと摂って。午後も眠くなりにくいはず」
タンパク質&鉄で、心もカラダも元気に!
夏特有のさっぱりとした食事は、糖質過多になってしまう一方で、
「タンパク質不足にも陥りやすい。必然的に筋肉量が減り、疲れやすいカラダになってしまいます」
また、タンパク質とともに不足しがちなのが鉄分。
「魚や肉など動物性タンパク質が足りないと、それらに多く含まれているヘム鉄も摂れないことに。鉄が足りずに起きる鉄欠乏性貧血は、だるさやめまいなどの症状を引き起こします。もとより女性は毎月、月経で鉄を失っている。しっかり補給したいですね」
また、鉄はメンタル面の疲れにも深く関わっているのだそう。
「イライラや集中力、リラックス感などのバランスを保っているのは、神経伝達物質のひとつであるセロトニンという成分なのですが、このセロトニンを作る際にも鉄が使われています」
先に登場した副腎も、
「コレステロールとタンパク質を原料に、抗ストレスホルモンであるコルチゾールを作っている。副腎の働きを保つためにも、やはりタンパク質が重要です」
夏の疲れをオフするには、ビタミンB群とタンパク質と鉄がカギ。一緒に摂ることで吸収や働きが良くなるほかのビタミンやミネラルもチェックして。
ステーキ&野菜で鉄分とビタミンCをしっかり補給。
貧血対策には、鉄分。赤身肉やレバー、かつおやまぐろなどの魚に多い。ただし単体ではなく、「吸収を助ける、ビタミンCと一緒に摂ることがポイントです」。赤身のステーキの付け合わせにはブロッコリーやクレソン、かつおのたたきにはレモンを添えて。「ビタミンCは熱に弱いので、生で摂るのがベストです」
気分の変化が激しいなら、カキフライ。
突然やる気になったかと思えばすぐにトーンダウン。気分のアップダウンが激しくて疲れるなら、セロトニンが足りていないのかも。そんな時は、タンパク質と鉄分たっぷりのカキフライを。「鉄と一緒に働くビタミンB群とマグネシウムのどちらも豊富なキャベツも、付け合わせとして食べられるので一石二鳥です」
杉山明美さん 栄養コンサルタント。元女子バレーボール日本代表。著書に『不調女子のカラダよろこぶ栄養BOOK』(徳間書店)など。
※『anan』2019年8月28日号より。イラスト・小野寺光子 取材、文・新田草子
(by anan編集部)
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