青い海に三方を囲まれたフランス、ブルターニュ。このお菓子にはブルターニュの美しい街の名がついている。「レンヌには特に思い入れがあるんです」。そう話す細越誠シェフはレンヌの名店『ル・ダニエル』などで修業。フランスでの4年間の大半をその地で過ごした。
ブルターニュの海の恵み「ゲランドの塩」といえば世界のシェフ御用達。塩を生かしたバターやキャラメルも名物。細越シェフは塩キャラメルとショコラのケーキに、大切な場所への思いをのせる。艶やかな一片を口にしたら途端に広がる、グラサージュのキャラメルの味わい。さらにミルクチョコムースとビターなショコラブリュレの豊かなカカオ感、ヘーゼルナッツの香ばしさが押し寄せる。そこに穏やかな塩気を連れてじわじわやってくる旨味の濃密なこと! それはとろり溢れる塩キャラメルソースの仕業で、ゲランドの塩が旨味の要に違いないけど、それだけじゃない。「通常のキャラメルでは砂糖を焦がしてから最後に入れる生クリームを、最初から砂糖と煮詰めるんです」。それって日本の生キャラメルに通ずる手法。クリームがぎゅっと凝縮したキャラメルは、乳味が濃く練乳みたいで優しくて。レンヌの思い出は、日本の私たちにもどこか懐かしい味だった。
#料理記事をもっと読む。
#スイーツの記事をさらに覗いてみる。
※7days Challenge で実感! 目に負担がかからない“軽やか瞳ライフ”をはじめよう!