
左から、高野賢也さん、長谷川大喜さん、はっとりさん、田辺由明さん
今年デビュー10周年を迎えたマカロニえんぴつ。6月に開催したワンマンライブやニューアルバムについて語っていただきました。
10年間の集大成を体現し、裸一貫で勝負したフィジカルな一枚
今年デビュー10周年を迎えたマカロニえんぴつは、6月にバンド結成の地・神奈川にある横浜スタジアムで、キャリア最大規模のワンマンライブを2日間にわたって開催。1日目はインディーズ時代、2日目はメジャーデビュー後の曲を中心に披露した。
これまで生み出してきた曲を振り返って、次のように話す。
「どの時期の曲も“よくなかったな”とか“もうちょっとできたな”というのが一切なくて。その時どきの思いが、ちゃんと反映されているので、僕はどの曲も可愛くてしょうがないです。非常に凝ったことをしていると思うし、“まだまだ俺らは、変わった面白いことができるんじゃないか”と柔軟性を大事に、新しい音楽を追求してきました。こだわりと自信を持って、好きなことをやり続けてきた10年だと思います」(はっとり)
そしてニューアルバム『physical mind』をリリース。今作は10年間で身につけたバンドの武器を活かしつつ、裸一貫で勝負した一枚になっているという。
「“フィジカル”をタイトルにしてるように、楽曲にはバンドの生々しさを出したくて、あえてレコーディングのテイクを最小限にしました。それによって、ライブのような勢いのあるサウンドが前面に出ています」(高野)
「歌録りにおいても、完璧を目指さずに気持ちが乗ったら音程が多少甘くてもいい、というジャッジをしました。部分録りをしていないから、後半になると歌がしんどそうなんですよ。でも、それがいいんです。息切れも含めて、リアルな温度感を曲に閉じ込めました」(はっとり)
今作の中で、特にロックバンド特有の激しさや荒々しさが強く音に表れているのは、ドラマ『コーチ』の主題歌「パープルスカイ」だ。
「みんなで最後に録ったのがこの曲でした。今年はたくさんレコーディングをしてきた中で、全員が残りの体力をすべて振り絞るようにRECしましたね。熱量とか温度感が最も詰まってると思いますし、個人的にも一番好きな楽曲です」(田辺)
今作は滾るような熱さを体現した曲が多い。その一方で、「きみは天使で」は新しい一面を覗かせている。
「これは僕が作った曲で、子守歌っぽいフレーズに、バンドサウンドを合わせました。最近は社会人や学生など、みんなが思い詰めながら生活している印象があって。この曲を聴いてるときだけは、心が休まったらいいなと思います」(長谷川)
メンバー全員が30代に突入したこともあり、今後は自分たちのイメージを一新していきたいそうだ。
「“マカロニえんぴつ”の字面のせいもありますけど、撮影で可愛いポーズを求められたり、ファンシーなスタジオを用意してもらったりすることが多くて。その“キュート”や“ファニー”なイメージを脱していきたい。装飾的な印象を取り除いて、等身大の裸な自分たちをメディアで発信したいです。まさに、フィジカルマインドですね」(はっとり)
Profile
マカロニえんぴつ
高野賢也(Ba/Cho)、長谷川大喜(Key/Cho)、はっとり(Vo/Gt)、田辺由明(Gt/Cho)。2012年に神奈川県でバンドを結成。来年1月17日から4月まで、全国19都市25公演のホールツアーを開催する。
information

メジャー3rdアルバム『physicalmind』
テレ東系ドラマ 9『コーチ』主題歌「パープルスカイ」、「静かな海」を含む全15曲。【通常盤(CD)】¥3,300 【初回生産限定盤A/B(CD+BD)】各¥6,600(TOY'S FACTORY)
anan 2476号(2025年12月17日発売)より


























